【小倉大賞典】「時計・上がりともにかかる」特殊な馬場状態を味方につけるのは?

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
ダート並みの上がりを要する馬場
今年は6週間と例年より少し長めの開催となった小倉競馬。その最終日に行われるのがハンデ戦の
小倉大賞典(GⅢ・芝1800m)
だ。過去10年で1番人気は2勝と不振ではあるが、昨年のクラシック戦線を賑わせたヴェロックスが参戦するなど、難解ながらも楽しみな一戦である。そんな小倉大賞典について、先週の馬場傾向と脚質傾向をもとに分析していく。
まずは2月15、16日に小倉競馬場の芝コースで行われたレース結果について振り返る。先週からBコースに変わり、土曜日の馬場状態は良、日曜日は重でレースが行われたが、良馬場でもかなりの時計を要する馬場となっており、重馬場となった日曜日はさらに時計がかかり、オープンの北九州短距離S(1200m)でも1:10.0というタイムだった。

上がりタイムは37秒台が連発。馬場状態の違いはあれども、概ね同じような上がりの決着になっていたので平均値を出してみたところ、1着36.6、2着36.8、3着37.0とまるでダートのレースの上がりタイムを見ているかのような結果となっていた。重賞クラスになると、力でねじ伏せる馬も出てくるかもしれないが、ここまで上がりがかかるのであれば、このような条件で好走している穴馬を探してみたいところだ。
続いて4角でどの位置につけていた馬が多く馬券に絡んだのか、見ていこう。映像で見ているとゴール前で差し馬が届いているようにも感じたが、実際は4角で9番手以下だった馬はわずか7頭のみ。平均出走頭数14.1頭中、1着馬の4角通過順位は4.5番手、2着馬5.8番手、3着馬は4.3番手となっており、時計がかかっても小回りコースらしく、ある程度の位置につけていないと厳しいということがわかる。

では実際に3着以内に入った馬たちは、最後の直線で内から何頭目を通ってきたのだろうか。映像を目視で確認してみた結果、内から5頭目を通った馬が10頭と最も多く、次いで6頭目を通ってきた馬が8頭となっていた。ただし、多くの馬が内から4、5頭分のスペースをあけて走っていたことを考えると、内から5頭目といっても実際はかなり外を回していることとなる。

それだけに、今回出走してくる馬たちが過去に好走した際に、どの位置を通って伸びてきたかというデータを注目してみるのが面白そう。加えて、上がりタイムが遅い馬、4角での通過順位が4、5番手というデータも重視したい。
好走する条件は揃った
これらのデータを踏まえたうえで今回推奨したいのは、アウトライアーズ、ジナンボー、テリトーリアル、ヴェロックスの4頭。

本命は平均上がり35.4、4角平均通過順位が5.2番手、通ったコースの平均値が5頭目だったアウトライアーズ。この馬が好走する条件は「時計と上がりがかかること」。今回はその条件を満たしており、むしろ今回狙わなければいつ狙うのかと言いたくなるほど。昨年の冬の小倉開催では同じ1800m戦の関門橋Sを制しており、コース適性もある。相手は強いが大駆けに期待したい。
対抗は平均上がり35.7のテリトーリアル。4角平均通過順位は2.6番手、通ったコースの平均値は2.4頭目と一見すると合っていないようにも見えるが、6走前から脚質転換を図っており、それ以降に直線の短いコースで好走した際の4角通過順位は6番手、通ったコースの平均値は5頭目と適性がありそう。
3番手はヴェロックス。昨年の皐月賞2着、ダービー3着、菊花賞3着とクラシック戦線でも活躍しており、ここに入ればハンデ57kgでも軽いくらい。4角平均通過順位は3.3番手、通ったコースの平均値は3.3頭目、そして小回りコースも合っているだけに、力でねじ伏せることも十分あり得るだろう。
そして最後にジナンボー。直線の短いコースで走ったのは、5走前の富里特別のみだが、3番手追走からキッチリと勝利し、対応してみせた。そして3走前には東京コースながら、不良馬場もこなしており、時計がかかるコースという条件もあっていると考える。能力の高さを感じるので、押さえておきたい。
▽小倉大賞典予想▽
◎アウトライアーズ
○テリトーリアル
▲ヴェロックス
△ジナンボー
