【フェブラリーS】東大HCが東京ダート1600mを徹底検証

東大ホースメンクラブ

東京ダート1600mインフォグラフィックⒸSPAIA

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コース紹介

東京ダート1600mインフォグラフィック

東京競馬場ダート1600mはワンターンのコース。2コーナー奥の芝をスタートし、そのまま150mほど芝を走る。コースレイアウト上内枠に比べて外枠の馬のほうが芝を走る距離が長く、スピードに乗りやすい。向正面を上って3コーナーで緩やかに下り、4コーナーからダートコースでは日本一長い500mを超える直線を走り抜ける。

当該コースが舞台の重賞は3レース。グレード順に、一年最初のGⅠとなる春のダート王決定戦フェブラリーS、GⅢは3歳限定戦のユニコーンS、チャンピオンズCの前哨戦である武蔵野Sが行われる(使用するデータは2015年2月21日〜2020年2月16日)。

1枠不利・8枠有利

東京ダ1600m・過去5年の枠別成績

コース紹介でも触れた通り、芝を走る距離が長い8枠が圧倒的に有利。不利な1枠に比べると複勝率で実に1割もの差がついている。外枠が優勢であることに加え、内枠がかなり厳しい走りを余儀なくされる点を併せて覚えておくと良いだろう。ちなみに最も回収率が優秀なのは7枠だった。

東京ダ1600m・過去5年の脚質別成績

脚質別成績では先行が最も有利で、僅差で逃げが続く。回収率も同様だ。過去5年の当該コースの前後半平均ラップは「35.6-37.2」と前半が速くなっているが、これは前半が芝スタートで自然にタイムが出ているにすぎず、数字の字面ほど逃げ・先行馬が厳しいわけではない。ただ「34.5-36.2」と前半がさらに締まったペースになっているフェブラリーSに限ると差し馬の成績が向上し、複勝率は24.2%に改善している。

ヘニーヒューズがずば抜けて好調

東京ダ1600m・過去5年の種牡馬別成績

種牡馬別ではヘニーヒューズ産駒を推奨。80回以上の出走がある種牡馬では唯一の複勝率35%超えで複勝回収率は102%を記録。5番人気以内に限ると【15-9-8-25】複勝率56.1%と半数以上が馬券になっている。最も勝利を挙げているゴールドアリュール産駒はオープンクラス以上で【8-6-0-25】複勝率35.9%と真価を発揮しており、ゴールドドリーム・サンライズノヴァを筆頭にこのコースを得意とする多数の活躍馬を輩出している。意外にもダートをこなす馬が多いゼンノロブロイ産駒は未勝利・1勝クラスで【20-16-13-99】複勝率33.1%、単勝回収率217%・複勝回収率109%をマーク。下級条件が狙い目と言えそうだ。

出走が多い種牡馬の中ではダイワメジャーが不振。フェブラリーSで2度好走したインカンテーションがいるシニスターミニスター産駒も全体成績は芳しくなく、インカンテーションを除くと2勝クラス以上では【0-1-0-27】とほとんど勝負になっていない。

東京ダ1600m・過去5年の騎手別成績

騎手別成績ではやはりルメール騎手が他を引き離している。差し馬での良績が目立っており、5番人気以内かつ上がり3ハロン2位以内に限定すると【44-10-8-2】複勝率96.9%という異次元の数字が残っている。メンバー屈指の差し脚を誇る馬に騎乗する際は逆らいようがない。M.デムーロ騎手は重賞で【3-2-0-1】複勝率83.3%と安定しており、ルメール騎手の【2-4-1-5】複勝率58.3%を大きく上回っている。戸崎圭太騎手も複勝率4割超えだ。

馬券妙味の見地からは横山典弘騎手がおすすめ。人気薄で鮮やかな差し切り勝ちを見せるケースが多く、前走差し・追い込みだった馬に限ると単勝回収率は236%まで達する。大野拓弥騎手も単勝回収率106%・複勝回収率93%と上々の数字だ。

好走馬は芝スタートのダートで狙える

東京ダ1600m・過去5年の調教師別成績

調教師別成績では地方転入前のノンコノユメなどを管理した加藤征弘調教師がトップ。4番人気以内に限ると【31-17-10-32】複勝率64.4%と信頼度が増す。名伯楽・藤沢和雄調教師も例外なく管理馬を好走に導いている。当該コースの秋嶺Sを勝ってオープン入りしたバレッティなどを管理する久保田貴士調教師は大野拓弥・田辺裕信騎手と相性が良く、2人が騎乗した管理馬は【7-7-4-24】複勝率42.9%、単複回収率ともに100%超えと結果を残している。その他斎藤誠調教師、高木登調教師をピックアップした。

過去5年・東京ダ1600mで馬券になった馬のコース別成績

最後に東京ダ1600mで3着以内に入った馬における、その他全レースの成績をコース別に紹介する。各場ダート1400〜1800mを中心に活躍が目立っており、阪神ダ1400は2番人気以内に限ると【30-19-19-19】複勝率78.2%と圧倒的な成績。出走例の多い同コースも単複回収率ともに100%超えで、リピーターに注視しておきたい。さらに、芝スタートのダートコース成績がそれ以外のダートコース成績より複勝率が高い(芝:37.3%、ダ:33.9%)。芝の走りのうまさがアドバンテージとなっているのだろう。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。

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