【クイーンC&共同通信杯】勝利したミヤマザクラとダーリントンホール クラシック本番で狙える条件とは

三木俊幸

2020年共同通信杯インフォグラフィックⒸSPAIA

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ゴールまで続いた激しい追い比べ

2020年共同通信杯インフォグラフィック

2月16日(日)の共同通信杯(GⅢ・芝1800m)は、午前中に降った雨の影響で稍重でのレースとなった。1番人気は3戦3勝、前走は京都2歳Sを勝利しているマイラプソディ。前日のミヤマザクラ(京都2歳S2着)の活躍を受けて、さらに注目が集まった。

スタートでアジュバントが出遅れ、最後方からのレースとなった。先行争いは、押し出されるようにビターエンダーが逃げる形に。2番手には川崎から参戦したエン、人気どころではフィリオアレグロが4、5番手の外目、マイラプソディは後方2番手からレースを進める。

各馬が一団となって1000mの通過は1:03.2とスローペース。そのまま淡々とレースは進み、4コーナーから直線コースへと向かう。残り400mを過ぎて先頭のビターエンダーに内からダーリントンホールが迫る。フィリオアレグロとマイラプソディの人気2頭は外へと持ち出して追い込みを図るが、残り200mを切った時点でその差はまだ3、4馬身。勝負の行方は前の2頭に絞られた。

ビターエンダーのミナリク騎手かダーリントンホールのルメール騎手か……。激しい追い比べはゴールまで続いた。最後、鼻先が出たのは、内のダーリントンホール。これがうれしい重賞初制覇となった。勝ちタイムは1:49.6、3着争いも際どくなったが、フィリオアレグロが粘って3着、マイラプソディは4着に終わっている。

勝ったダーリントンホールは、英国産まれのNew Approach産駒。パワー型で東京コースがどうかと思われたが、稍重の馬場を味方につけた強いレースぶりだった。次走は皐月賞へ向かうのか、それともダービーを狙ったローテーションになるのか、現時点では明らかになっていないが、馬場が渋ればダークホース的な存在になるに違いない。

4着のマイラプソディは、他馬より1kg重い57kgだったとはいえ、反応がイマイチだった。後方から脚をためるレース、加えて伸びない大外を回したという点を考慮しても、物足りないレース内容だった。そして、相変わらずモタモタしてエンジンのかかりも遅い。その点はクラシックを戦ううえでの課題となってくるだろう。

2番手追走のミヤマザクラが勝利

2月15日(土)に行われたクイーンC(GⅢ・芝1600m)。昨年は後に牝馬クラシック戦線でも活躍し、秋華賞でGⅠホースとなったクロノジェネシスが優勝しているレースだ。今年のクイーンCで人気を集めていたのは、新馬戦で大外から豪快に差し切り勝ちを果たしたルナシオンだった。

しかし、そのルナシオンはスタートで出遅れて後方からのレースとなって、結果的には10着に敗れてしまう。勢いよくハナに立ったのはインザムービー。リードをグングンと広げていき前半600mの通過は34.3、後続を10馬身ほど引き離す。

直線に向いても粘っていたが、残り200m過ぎで力尽き、変わって堂々先頭にたったのは2番手を追走していた2番人気ミヤマザクラ。ゴール前で外からマジックキャッスルも一気に差を詰めたが、そのまま押し切って勝利した。勝ちタイムは1:34.0、前走の京都2歳Sではマイラプソディの2着となるなど、牡馬相手に好走してきた能力は本物だった。

陣営からは脚をためてレースをしたかったというコメントが出ているが、レースぶりを見ると決して切れるタイプではなく、長くいい脚が使えるタイプ。昨年の桜花賞のように32秒後半から33秒前半の上がりが要求されるような馬場になれば厳しいかもしれないが、平均的な馬場状態であれば好レースが期待できそうだ。

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