【共同通信杯】地方競馬から東京優駿へ 東大HCの本命は岡田総帥が「コスモバルク方式」で挑むエン

東大ホースメンクラブ

イメージⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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少頭数で後傾ラップに

2月16日(日)に東京競馬場で行われるのは共同通信杯(GⅢ・芝1800m)。近年では皐月賞に直結する“隠れトライアル”としても重要度が増している一戦だ。最注目となるのは武豊騎手とのコンビで3戦3勝のマイラプソディだ。同馬の評価や、その他でオッズ的な観点から狙いたい穴馬を検討していく。

まずはレース傾向や展開、馬場傾向を分析していこう。

前後半5Fと1~3着馬の脚質ⒸSPAIA


過去10年全てで前半5Fが後半の5Fより遅く、中でも前後半で2秒以上差があった年が6回もある。連対馬20頭は全て6番人気以内というように元々荒れやすいレースではないのだが、4番人気以下で馬券に絡んだ11頭のうち8頭までもが4角を3番手までで通過していた。スローペースになりやすいレースでセオリー通り穴は逃げ先行馬から出ている。

今年のメンバー構成を見ると、前走で前半34.0の2番手を追走していたシコウあたりが逃げるだろうか。また川崎から参戦のエンも前目で運んできそうだ。どの馬が逃げるにせよ、今年も例年通りの少頭数でスロー濃厚なのは事実。レース傾向通り先行する人気薄に注意したい。

3・4枠に良績が集中

過去3年の東京芝1800m枠番別成績ⒸSPAIA


東京芝1800mはポケット発走で最初のコーナーまでの距離が近いため内枠有利と言われるが実際はどうだろうか。枠順別成績を見ると1・2枠は普通、3・4枠は好成績、7・8枠はやや低調といった感じ。やはり真ん中より内の方がいいのだが、内すぎてもあまりメリットがない。

先週の馬場傾向だが、相変わらず軽く、まずまず時計の出る状態が続いている。日曜の東京新聞杯では1.33.0という決着時計だった。ところが昨年の東京芝コースで多くみられたような内が極端に有利なバイアスは出ていない。立ち回りだけで実力差をごまかすのは少々難しいかもしれない。また、日曜は雨予報が出ており、馬場悪化の度合いにも注視しておきたい。

ここまでの内容を整理すると、
1.少頭数の後傾ラップで穴は前から
2.コースデータでは真ん中よりやや内目の枠が吉
3.軽めの馬場状態だが、内外は大きな有利不利なし
ということになる。以上をふまえて出走馬の検討に移る。

馬券的に狙える「コスモバルク方式」

本命は川崎所属のエン。岡田繁幸氏の地方所属馬で中央の芝重賞挑戦といえばコスモバルクが代表例。地方から日本、ひいてはイギリスのダービー制覇を目指す岡田氏が期待馬でとる「コスモバルク方式」が成功しているかどうかの評価は一旦置いておくとして、少なくとも馬券的には狙えるパターンである。

「コスモバルク方式」の主な中央緒戦ⒸSPAIA


コスモバルクが中央緒戦の百日草特別を9番人気で勝利したのち、プレイアンドリアルは東スポ杯を4番人気で2着、トラストもクローバー賞こそ1番人気2着に敗れたが続く札幌2歳Sを5番人気で勝利、ナイママもコスモス賞を3番人気1着、というように中央で通用する裏付けがまだない時期こそ旨味がある。

エン自身、川崎所属のためデビューからの2戦は当然ダートだが、血統を見る限りは18年宝塚記念で2着に入った香港馬ワーザーと同じタヴィストック産駒なのでコテコテのダート専門というわけではない。ダートの2戦で見せているパフォーマンスはそこまで強調できる内容ではないが、実は芝馬でした、という可能性の方にベットしたい。

対抗にはマイラプソディ。デビューから無傷の3連勝で、新馬と野路菊Sで見せた末脚は確かに優秀。ただ、この馬が強い相手を避けているのか、他馬がこの馬を避けているのか、まだ一線級のメンバーとは当たっていないことも事実。今回も相手がそれほど強力ではないため3着は外さないだろうが断然の1番人気濃厚のオッズを加味するとそれほど魅力がない。

3番手はココロノトウダイ。前走は2着エヴァーガーデン(続く葉牡丹賞で今回の人気馬ダーリントンホールに先着)との競り合いを制し、3着には5馬身差をつけた好内容。高水準の瞬発力があるので福島よりむしろ東京の方が合いそうに感じる。

以下、東京での未勝利勝ちが好タイムのビターエンダー、新馬戦では2着と半馬身差ながら3着以下は6馬身離したフィリオアレグロまで押さえる。

ダーリントンホールは自己条件でスムーズに競馬ができた前走がいざ追われてから案外。3着だった札幌2歳Sの1、2着がその後それぞれホープフルS9着、きさらぎ賞6着と凡走しているので、実は重賞としてはあまりレースレベルが高くなかったのかもしれない。少頭数の一戦なので、今回はこちらを無印にして勝負したい。

▽共同通信杯予想▽
◎エン
○マイラプソディ
▲ココロノトウダイ
△ビターエンダー
×フィリオアレグロ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。

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