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東京の軽い馬場と先行馬手薄なメンバーで浮上 東大HCの本命は?

2020/02/08 17:00
東大ホースメンクラブ
本命に推されたキャンベルジュニアⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

2016年の35万馬券の再現も

2月9日(日)に東京競馬場で行われるのは東京新聞杯(GⅢ・芝1600m)。昨年の覇者インディチャンプは春の安田記念、秋のマイルCSも制して最優秀短距離馬に選出されるなど、今年のマイル戦線を占う上でも重要な一戦だ。確固たる主役不在でレッドヴェイロンやヴァンドギャルドあたりが人気になりそうだが、その両馬の評価やそれ以外で狙いたい穴馬を検討していく。

まずはレース傾向や展開、馬場傾向を分析していこう。

前後半3Fと1~3着馬の脚質ⒸSPAIA



過去10年の勝ち馬ではちょうど半数の5頭が4角5番手以内、5頭が4角6番手以下というふうに分かれ、脚質的な有利不利は小さい。小さいはずなのだが、2016、17年のように、ときおり何かに縛られたようなスローペースのレースとなり、逃げ切りを許すこともある。大まかな傾向として、この時期の東京マイルを使ってくる有力馬は差す競馬で上がってきたような馬が多く、自分で先行してレースを作っていくようなタイプがなかなかいない。その結果として先行勢が手薄なメンバーになりやすいのだろう。

今年のメンバー構成を見ると恐らくモルフェオルフェの単騎逃げ。江田騎手ならある程度離して逃げるかもしれない。しかし好位勢はキャンベルジュニア、ヴァンドギャルドくらいで、前走先行のスウィングビートはダートから来た馬だし、シャドウディーヴァも重賞では差す競馬を続けていた馬。どう見積もってもペースが上がる要素がなく、差しに向く流れになるとは思えない。1、3、2番手の“行った行った”で3連単35万馬券になった16年の再現もありえる。

東京新聞杯は内枠有利

過去3年の東京芝1600m枠番別成績ⒸSPAIA


枠順ごとに大きな差はなく、イメージされる通りフェアなコース。敬遠されがちな8枠は複勝率トップで、むしろ歓迎できる。ただし東京新聞杯に関しては過去10年で1~4枠に入った馬が9勝と圧倒的な成績。連対率で見ると1~4枠は22.2%に対し、5~8枠は5.2%と大きな差がある。明確な理由は分からないが、1回東京がDコースを使用していることに因るのかもしれない。

先週の馬場傾向だが、開幕週にしては内一辺倒という感じでもなく、内外は比較的フラットな状態だった。日曜10レースでは2400m戦で2.24.7という好時計、また最終でもスローペースとはいえ2勝クラスでレース上がり33.2が出たように、質としては軽い、スピードの出る馬場。軽い馬場が得意な馬、それも近走タフな馬場で敗れ、人気を落としているような馬がいればなお強気に狙ってみたい。

ここまでの内容を整理すると、
1.先行勢が手薄なメンバー構成で前残り注意
2.コース自体は枠の有利不利ないが、東京新聞杯は内枠が圧倒
3.軽い馬場が味方する馬を狙う

ということになる。以上をふまえて出走馬の検討に移る。

8歳でもう一花咲かせる

本命は先行馬の中からキャンベルジュニア。7歳となった昨年は順調さを欠きわずか3戦に留まったが、レース内容自体は衰えを感じさせるものではない。1200mのカーバンクルSは適性外として、中京記念は直線で大きな不利を受けての0.9差、富士Sは結果的に上位を後方から瞬発力を生かした馬が占めた中で、一旦は先頭の場面も作って先行勢では最先着の6着。GⅢならまだまだ出番がありそうだ。

しかも、その直近2戦はともに稍重馬場。同馬は良馬場【5-4-1-4】に対し稍重・重馬場では【0-1-0-6】。過去にはダービー卿CTで1.32.3、京王杯SCで1.19.5という速い時計で2着したように、軽い馬場に替わるのは間違いなくプラスに出る。できればもう少し内の枠が欲しかったが、人気薄なので強気に狙ってみたい。

対抗にはヴァンドギャルド。こちらも数少ない先行馬。前走はジャパンCデー当日で、この日の東京芝は内を通った馬が有利な馬場状態の中、シンプルに外め好位から差す競馬で快勝。3勝クラスでは格が違った。2・3歳時から重賞で好走していたことを思えば、この3連勝は順当。マイルへの短縮もいいし、内枠を引けたこともいい。

3番手はレッドヴェイロン。東京マイルの重賞級を出し続けるエリモピクシーの仔で、きょうだいにクラレント、レッドアヴァンセ、昨年このレース2着のレッドオルガなどがいる良血。同馬もNHKマイル3着があり、能力も適性も証明済み。スロー濃厚もルメール騎手なら当然のように前で運んできそうだ。

4番手はレイエンダ。マイルCSは15着大敗も、17頭立ての大外、スローのレース展開で、4コーナーはかなり大外を回してロスした上に、進路取りも上手くいかず最後は詰まって流して入線。全く競馬になっていないので完全に参考外でいい。気性の難しい馬でアテにはならないが、東京コース自体は合う。奇跡的に好発してエプソムCのように前目、少なくとも中団くらいで運べれば。

以下、徹底した前狙いでモルフェオルフェ、クリノガウディー、プリモシーンまで押さえる。

▽東京新聞杯予想▽
◎キャンベルジュニア
○ヴァンドギャルド
▲レッドヴェイロン
△レイエンダ
×クリノガウディー
×プリモシーン
☆モルフェオルフェ