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【京都記念】波乱に注意!激走する6番人気馬とは?

2020/02/09 17:00
勝木淳
京都記念インフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

波乱含みな傾向も強い京都記念

今年で113回目を迎える伝統のGⅡ京都記念。近年はドバイ遠征前の壮行レースであり、大阪杯の前哨戦的な色が濃くなっているが、同時に上位人気馬同士で決まらない波乱含みな傾向も強い。ポイントは前走凡走の6番人気馬、前走GⅠ出走の4歳馬、前走GⅡ、GⅢ出走の5歳馬。これらに該当する馬がいれば、積極的に狙ってみたい。

6番人気が波乱を起こす

人気別成績(過去10年)ⒸSPAIA




京都記念はドバイや大阪杯に向けての有力馬の始動戦として伝統のGⅡらしく好メンバーが揃う。ただし、それらはあくまで叩き台的な出走が多く、1番人気馬は過去10年【2-2-2-4】と1着は2頭で10年ブエナビスタ、11年トゥザグローリーと記録的には古く、複勝圏内に来ることは来るが、18年レイデオロ(3着)など断然人気を裏切ることも多い。ひとまず1番人気馬を1着に固定するような馬券は危険ではなかろうか。

なお2番人気は【0-1-5-4】と過去10年勝っていない。これはやはりここを勝ちに行く組とひと叩きという組の違い、つまり勝負度合いと関係しているといえる。人気になる有力馬のローテーション事情などは事前にチェックしておきたい。ドバイ遠征や大阪杯という言葉が中間の陣営コメントから多く聞かれるかどうかを確認するだけでも読めるのではないか。

対照的な結果が6番人気【4-0-0-6】で、10年で4頭の勝ち馬を出している。ピンかパーかギャンブル的な側面が強いデータではあるが、上位人気馬を2、3着に置きつつ、1着には6番人気を買い目に取り入れるぐらいの作戦でも破壊力は十分だ。

6番人気馬の前走着順別成績(過去10年)ⒸSPAIA


6番人気馬の前走競馬場別成績(過去10年)ⒸSPAIA


では6番人気馬を掘り下げてみると、前走着順別成績は6~9着【3-0-0-2】、10着以下【1-0-0-2】と前走を勝って6番人気という上がり馬的な存在ではなく、狙えるのは大敗によって人気を落としている馬に限られる。具体的には19年1着ダンビュライトはAJCC6着、16年1着サトノクラウンは天皇賞(秋)17着、14年デスペラードは有馬記念7着、13年トーセンラーは新潟記念7着となっている。

ここで分かるのは前走競馬場は中山2、東京1、新潟1と不思議と関東圏の重賞ばかりで、6番人気でも前走が京都だった馬は【0-0-0-4】とさっぱり。不思議なデータだが、京都2200m重賞はほかにエリザベス女王杯と京都新聞杯しかなく、京都のほかの距離のレースとはつながりが薄いのが要因ではないか。

4歳と5歳、傾向の違いに注意せよ

年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA

4歳馬の前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA

4歳馬前走GⅠ組の
前走レース別成績(過去10年)ⒸSPAIA


6番人気には要注意ではあるが、これだけピンポイントで半分オカルトなようなデータでは全体像が見えにくいので、年齢別成績をみてみる。

有力は4歳【4-5-3-22】と5歳【5-1-5-17】の二世代。中山金杯やAJCCでは高齢馬も穴を出すが、京都記念では高齢馬より主力世代中心と考えていい。

4歳の好走モデルを掘り下げてみると、前走GⅠ組【4-2-1-9】と優勢。過去10年の4歳勝ち馬はすべて前走GⅠ組であり、京都記念で出直しもしくは始動する馬を狙いたい。GⅠ組の内訳をみてみると、前走有馬記念だった馬【2-0-0-1】これは10年ブナエビスタと11年トゥザグローリーといずれも1番人気。菊花賞組【1-1-0-2】18年1着クリンチャー、2着アルアインが該当。菊花賞の着順はそれぞれ2、7着だったが、京都記念での人気は4、3番人気、そして結果は1、2着、やはり少しでもひねってみたいレースである。ほかには天皇賞(秋)、エリザベス女王杯組から好走馬が出ている。

5歳馬の前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA


これが5歳となると傾向が大きく変化するので注意したい。5歳馬の前走レース別成績をみると、前走GⅠ組【0-1-5-3】と勝ちきれない。前走GⅢ組【2-0-0-0】、15年ラブリーデイは中山金杯1着から連勝、13年トーセンラーは新潟記念7着以来で勝利している。GⅡ組は【1-0-0-9】で19年ダンビュライト(前走AJCC6着)が該当。4歳馬とは異なり、GⅠ大敗から出直し復活ではなく同格もしくは格下のレースから挑む組に好走馬が目立つ。このアプローチの違いは取り違えないようにしたいところだ。

もちろん、5歳前走GⅠ組はさっぱりではなく、2、3着はそこそこ来るので、このあたりを軸にするという作戦も有効だろう。

・前走京都以外出走、かつ6着以下に負けた6番人気馬
・4歳馬は前走GⅠ組を評価
・5歳は前走GⅠ組を連軸、連下に評価しつつ、前走GⅡ、GⅢから転戦する組の一発に注意。

京都記念インフォグラフィック

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて「築地と競馬と」でグランプリ受賞。中山競馬場のパドックに出没。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌「優駿」にて記事を執筆。