福永祐一、武豊、和田竜二など 東大HCが「ベテラン騎手」を徹底分析

東大ホースメンクラブ

福永祐一騎手ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ベテラン騎手が大活躍

今回のコラムのテーマは、先週の重賞で活躍が目立った「ベテラン騎手」。土曜重賞、小倉で行われた愛知杯で柴田善臣騎手・武豊騎手がワンツーフィニッシュを果たし、2002年クイーンC以来実に18年ぶりとなる重賞での50代騎手連対圏独占となった。

さらに日曜の京成杯では吉田豊騎手が勝利、ツクバアズマオーで勝った2017年中山金杯以来3年ぶりに凱歌をあげた。長年のキャリアを生かした老獪な騎乗が期待できる条件や、調教師の勝負起用を探っていく。

なおベテラン騎手の定義は「中央での騎手キャリア21年目以降」とした。そのため内田博幸騎手や岩田康誠騎手など、地方競馬でデビューしたのちに中央移籍した騎手は含まれない(データは2015年1月24日〜2020年1月19日のものを使用)。

長距離戦はキャリアが重要

過去5年・2500m以上のレースにおける騎手キャリア別成績/ベテラン騎手・騎手別成績ⒸSPAIA

コーナーワークやペース配分、道中の位置や仕掛けなど見所の多い長距離戦はベテラン騎手の経験が生きる舞台だ。回収率で見ても1〜10年目が単回率65%/複回率68%、11〜20年目が単回率73%/複回率71%だったのに対し、21年目以降は単回率92%/複回率75%と単複ともに最も優秀だった。長距離戦では騎手のキャリアを重視したい。

騎手別ではまず福永祐一騎手を推奨する。単複回収率は単回率187%/複回率111%とともに100%超えだ。5番人気以内に限定すると【6-4-3-11】連対率41.7%と連軸として安定しているほか、人気薄での好騎乗も見られ、6〜10番人気の中穴に限定しても【1-3-4-6】複勝率42.9%を記録。長距離戦では確実にマークしておきたい存在だ。

レジェンド武豊騎手も例に漏れず活躍が目立つ。特に重賞では【5-1-4-10】と半数の騎乗馬を3着以内に導いている。さらに内枠を引いた際の成績は見事で、ハンデ戦を除く重賞×4枠以内だと【5-1-2-2】複勝率80%。馬券外は18年有馬記念のオジュウチョウサン、15年菊花賞レッドソロモンのみで、前者は2勝クラス勝ちから超強力メンバーの揃うグランプリへの格上挑戦、後者は14番人気だったことを考えれば、好走の可能性は極めて高いことがおわかりいただけるだろう。好枠を生かした騎乗に注目だ。

その他、GⅢ・GⅡで【1-6-2-14】と3割超えの連対率を記録している蛯名正義騎手もピックアップ。怪我からの復帰が待ち遠しい。柴田善臣騎手も【4-1-2-22】で勝率は福永・武両騎手に迫る13.8%を記録しており、単勝回収率は驚異の636%だ。

荒れた芝での活躍目立つ

過去5年・芝重・不良のレースにおける騎手キャリア別成績/ベテラン騎手・騎手別成績ⒸSPAIA

芝が荒れた馬場でのレースでもベテラン騎手の成績が良い。コースの回復具合や内外の有利不利などを見抜く技術がモノを言うのだろう。クラス別では2勝クラス〜非リステッドのオープンクラスでは単回率127%/複回率96%をマークしている。また不良馬場での人気薄の激走が多く、不良×6〜10番人気に限定すると単回率177%/複回率135%だ。

ここでも福永祐一騎手を推奨。開催全体で良績が目立つ中京では【10-6-2-17】複勝率51.4%、こうした馬場状態ではナーバスになりやすい距離延長組も【7-5-2-17】複勝率45.2%と好走に導いている。単回率101%と馬券妙味も十分。

ズブさの化身のようだったクランモンタナを追い通して勝たせた2016年小倉記念など、豪腕で知られる和田竜二騎手も狙える。不良馬場に限定すると【2-5-4-17】複勝率39.3%と数値はさらに上昇し、6番人気以下に限っても【1-2-2-11】複勝率31.3%を記録している。パワーが求められる馬場状態で信頼できるジョッキーだ。

その他では重の馬場状態で複勝率4割を誇る武豊騎手に注目。キャリア23年目とベテランの域に突入した池添謙一騎手も【6-2-2-18】勝率21.4%と優秀で、単複回収率ともに100%を上回っている。

ベテラン騎手の勝負起用をチェック

過去5年・ベテラン騎手×調教師別成績ⒸSPAIA

最後にベテラン騎手×調教師で成績のいいコンビを列挙する。

福永祐一騎手とのコンビで好成績を挙げているのは藤原英昭調教師。100回以上の騎乗機会があるコンビの中で勝率・連対率・複勝率全てでトップだった。他騎手から乗り替わりで臨んだレースは単回率103%を記録と、勝負起用がうかがえる。昨年も高松宮記念をミスターメロディで制するなど重賞でも狙える。

ラニ、ジェニアルなど海外での活躍が目立つ武豊騎手×松永幹夫調教師のコンビは、前走から継続騎乗で臨む芝のレースで【21-13-9-57】複勝率43.0%と信頼度が上昇。このうち4番人気以内に限定すると複勝率52.7%と半数以上が馬券になっており、単回率136%と出色の数字をマークしている。

単回率114%/複回率96%と抜群の馬券妙味を誇る和田竜二騎手×今野貞一調教師は、乗り替わりに限定すると単回率218%/複回率150%とさらに上昇。人気に関わらず騎乗馬を好走させており、注目したいコンビだ。

古川吉洋騎手×昆貢調教師も隠れた好成績が光るタッグ。単複回収率ともに100%を上回っている。昨年の京阪杯をライトオンキューで快勝しているが、特筆すべきはダートの未勝利、1勝クラスでの成績。該当馬は【8-11-5-21】複勝率53.3%、単回率226%/複回率194%。1桁人気馬かつ継続騎乗組に限ると複勝率は73.7%まで上昇する。覚えておきたい鉄板コンビだ。

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