【日経新春杯】伝統のハンデ重賞は混戦模様　京大競馬研の狙いはレッドレオン

ⒸSPAIA（撮影：三木俊幸）

前走条件クラスの馬は1着が必要条件

まずは、過去10年の3着内馬の前走成績から見ていく。

このレースは過去10年で9頭が前走条件クラスの馬であった。特筆すべきはこの9頭は全て前走の条件クラスで1着だったことだ。いくら上がり馬や格上挑戦組が好成績を収めているとはいえ、条件クラスで負けているようでは勝負にならない。今年の出走馬ではメロディーレーンやモズベッロなどがこの嫌なデータに当てはまる。

前走条件戦組以外では、中京競馬場の重賞を使ってきた馬が過去10年で7頭馬券に絡んでいる(※2012年2着馬の前走は小倉開催の中日新聞杯の為除外)。今年の出走馬ではサトノガーネットとロードヴァンドールが当てはまる。

リピーターは少なめ

次にリピーターについて調べてみた。

このようなハンデ重賞はリピーターが活躍しそうに思えるが、結果は真逆であった。過去10年で2回以上3着内に入ったのはサトノノブレス、アドマイヤフライト、フーラブライドの3頭のみ。そしてフーラブライド以外の2頭は着順を落としている。人気を裏切る場合も多くリピーターには逆の意味で注意が必要だ。今年の出走馬ではロードヴァンドールが当てはまるが、好相性の前走中京組であるので取捨が悩ましいところだ。

また関連して、過去10年の3着内馬のうち27頭は日経新春杯に初出走だった。例外の3頭は前述のリピーター3頭であり、最初の年に馬券に絡めなかった馬は次年度以降も馬券に絡むことは難しくなっている。ちなみに、過去に日経新春杯に出走し4着以下であった馬はのべ19頭であるが、3着内に好走した馬は0頭だ。上位人気が予想されるアフリカンゴールドがこのデータに当てはまるので過信は禁物だ。

京都の芝は若干前有利

最後に今年の1月の京都開催における、3着内馬のコーナー通過順について調べてみた。

全体的にはどのポジションからでも好走しているが、1着2着に関しては4コーナーを10番手以下で通過するとやや苦しいといったところか。しかし3着には4コーナーで最後方付近であっても届いているので、追い込み馬でも極端に評価を下げる必要はない。

本命はレッドレオン

以上を踏まえて本命はレッドレオン。サトノガーネットとの2択で迷ったが、器用な競馬をできる分レッドレオンの方を選んだ。前走は11月の比叡Sであるが、休み明けにもかかわらず内からしぶとく伸びて粘り切った。体質が弱くなかなか使い込めなかったが、前走は大幅馬体増でいよいよ本格化してきた。叩いて上積みも見込める上に、相性の良い前走条件クラス勝ちと条件は揃った。前走と同じような競馬ができれば勝ち切れる。あとは好枠を引けることを願うのみだ。

対抗はサトノガーネット。この馬は相性の良い前走12月の中京重賞組で、嫌なデータにも当てはまらない。前走の中日新聞杯では外から突き抜け人気薄ながら重賞初制覇を飾ったが、もともと昨夏のクイーンSでは3番人気(6着)に支持されておりもともと能力は高かった馬。展開に左右される脚質で安定感には欠けるが、ハマればあっさり突き抜けても不思議ではない。

3番手評価はプリンスオブペスカ。前走の万葉Sはやや距離が長かった上に、いつものように早めに動いていけなかった。万葉Sでは残り1400mからペースがやや上がり(残り8Fから7Fで13.2→12.5)、この馬が本来上がっていく場所で差を詰めるのが難しかった。芝2400ｍでは4-1-2-1と抜群の相性を誇り、2年近くの間2400ｍでしか3着内に入っていないほどだ。狙うならここしかない。

4番手評価はレッドジェニアル。前走の菊花賞は早くから手が動き馬群に閉じ込められながらも最後までしぶとく伸びた。最後に外に出した気持ちよく伸びたディバインフォースやメロディーレーンよりは厳しいレースをしており地力ではこちらのほうが上。メンバーもきつくないので抑えはしておきたい。

タイセイトレイルは前走のJCがあまりにも負けすぎ。馬場が悪かったことも影響したかもしれないが、ここまで負けたのでは買いづらい。人気もしそうなので今回は軽視したい。

アフリカンゴールドは去年馬券に絡めなかったため嫌なデータに該当。また、アルゼンチン共和国杯組の成績がその後芳しくないので今回は見送りたい。

軽ハンデで人気にもなりそうなメロディーレーンは、前走条件戦で4着。ハンデ49㎏は魅力だが、条件戦を勝ち切れない馬では力が足りないと考えるのが妥当だ。推奨買い目は、馬連フォーメーション◎〇―◎〇▲△の5点。ワイドでも押さえておきたい。(文：川崎)

◎レッドレオン
〇サトノガーネット
▲プリンスオブペスカ
△レッドジェニアル
消タイセイトレイル
消アフリカンゴールド
消メロディーレーン