【日経新春杯】外回りでもステイゴールド アフリカンゴールドが金メダルを取る予感
門田光生
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
前走大敗だと厳しい
2011年にルーラーシップ、そして昨年はグローリーヴェイズ。香港国際GIで活躍した馬が勝ち名乗りを挙げているレースだが、2頭とも本格化する前の話。厳寒期のハンデ戦ということもあって、大物の参戦は望みづらいレースとなっている。
昨年の勝ち馬グローリーヴェイズはここを勝って軌道に乗り、天皇賞・春2着、そして暮れの香港ヴァーズ勝利へとつなげた。そのグローリーヴェイズは美浦所属馬だが、ここ10年で関東馬が連対したのはこの馬だけ。昨年は例外と考えて、関西馬中心に考えていいだろう。
あと、特徴のあるデータとして前走着差が挙げられる。ここ10年で連対した20頭のうち、前走勝ち、もしくは負けてもコンマ5秒差以内の馬が実に18頭を占める。前走でコンマ6秒以上負けている馬が連対したのは2頭だけ。さらにいえば、1秒以上負けている馬の連対はゼロ。前走着順より、どれくらいの差で負けているかが重要になってくる。
今年も時計がかかる?
今年の京都金杯の勝ち時計は1分34秒0。これはここ10年(全て良馬場)で3番目に遅い決着だった。ちなみに、1番遅かったのが2019年、2番目は2018年。近年、秋の京都開催は馬場の傷みが目立っていたが、それを裏付けるような結果になっている。
では、日経新春杯はどうか。最も時計がかかったのは2018年、次いで2019年。2017年は稍重だったにもかかわらず、である。この2つのレースの時計がリンクしていると考えると、今年の日経新春杯も時計がかかることになる。本来は切れ味が求められる京都の外回りだが、パワータイプの馬にもチャンスがあるということだ。
時計がかかったここ2年の1~3着馬の血統を調べてみると、父にステイゴールド系を持つ馬が6頭中4頭いた。ご存知の通り、ステイゴールドは冬場の中山で大活躍するパワー系の種牡馬。ちなみに、2017年より前はステイゴールドを父に持つ馬は1頭も馬券に絡んでいない。今年も近2年と同様の芝状態である可能性が高く、ステイゴールド産駒が出走していれば要注意となる。
推しメンはステイゴールド産駒
まず注目したいのはステイゴールドを父に持つアフリカンゴールド。3勝クラスを勝った直後にGIIアルゼンチン共和国杯に挑戦。勢いを買われてか1番人気に推されたが、ゴール前で伸びを欠いての3着だった。広いコースや外回りで結果を残してきた馬だが、一瞬2着馬を捕らえかけて甘くなったあたりがステイゴールド産駒らしいところ。力の要る芝、もしくは未経験だが中山コースでさらに良さが出るのではないかと思っている。
アルゼンチン共和国杯でアフリカンゴールドに先着したのがタイセイトレイル。内枠を利してコースロスなく乗った鞍上の好騎乗もあるが、とにかくレース運びがうまい。大敗したとはいえ、ジャパンカップを経験したのは今後の糧となりそうだ。ただし、GIだろうが何だろうが、前走大敗の馬はデータ的にマイナスと出ているのが気になるところ。
サトノガーネットは前走で重賞ウイナーの仲間入り。不器用なレースぶりだったが、ゴール寸前の伸びは圧巻だった。これもGIを経験したことが前走に生きた形だ。
1週前のデータにあったが、4歳馬の成績がいいのでそこからもピックアップ。レッドジェニアルはキャリア的に伸びしろが期待できる馬。モズベッロは格下ということでハンデが手ごろ。反応がよくなれば圏内に届いていい。
メロディーレーンは菊花賞の時にも書いたが、底知れぬスタミナを持つ母系。力の要る馬場は大歓迎だが、この距離でも短すぎるか。
結論だが、ここ2年のステイゴールド産駒の活躍、そして同様の馬場傾向が見込めることからアフリカンゴールドを中心視。昨年は大敗したが、去勢してから本格化。成長力のある血統でもあり、今年はやってくれるはずだ。対抗は前走圧巻のサトノガーネット。あとはここ10年で7勝している4歳馬から、レッドジェニアル、モズベッロを。
メロディーレーンは距離不足なのと、ここ10年で51キロ以下の馬が馬券に絡んだことがないので見送りたい。
◎アフリカンゴールド
○サトノガーネット
▲レッドジェニアル
△モズベッロ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
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