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【淀短距離S】思い切って配当重視 データから本命に導かれた高配の使者は?

2020/01/10 17:00
門田光生
イメージ画像ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

内枠有利は過去の話?

1月11日(土)に京都競馬場で行われるのが淀短距離S。新年京都の風物詩といえば、長距離戦は万葉S、そして短距離戦はこの淀短距離Sだ。数年前の京都金杯もそうだったが、この淀短距離Sも「目をつむって内枠を買っておけ」という格言があったように、内枠が圧倒的有利な時代があった。

淀短距離Sの枠順成績(2010~2014)

淀短距離Sの枠順成績(2015~2019)

しかし、近年の1月京都は開幕週らしくない馬場状態が続いている。この淀短距離Sも例外ではなく、2009~2014年は6~8枠から勝ち馬が出ておらず内枠が圧倒的有利だったのに対し、2015年以降の5年は逆に1~3枠から勝ち馬が出ていない。昨年秋の京都の馬場を思い出してみると、天候に恵まれず決して良好な馬場状態ではなかった。となると、今年も近年同様に外枠有利と考えていいだろう。

逃げ、先行が圧倒的有利

京都の芝1200mを一番勝っている騎手は誰なのか。ここ5年で調べてみると、福永騎手が10勝で1位。続いて幸騎手と松山騎手が8勝、和田騎手、藤岡佑騎手、北村友騎手の7勝と続く。ルメール、M.デムーロ騎手は3勝だが、連対率は高く苦手というわけではないようだ。

京都芝1200mの騎手成績(2015~2019)

そのほか、今回騎乗予定の騎手で勝率や連対率がよいのは武豊、川田騎手。当然といえば当然だが、トップジョッキーはどんな条件でも好成績を残している。

京都芝1200mの脚質(2015~2019)

続いて脚質。これも同様に過去10年を調べてみたが、逃げ馬の成績が最もよく、続いて先行、差し、追い込みの順番。要するに前へ行ける脚質が有利ということ。馬場がよくても悪くても、これだけは変わらないデータだ。

京都芝1200mの種牡馬成績(2015~2019)

この条件に適した種牡馬を調べてみた。1位は11勝のダイワメジャー。産駒はスピードに加えて馬力で押すタイプが多い。2位のアドマイヤムーン(9勝)は少し意外。なぜなら、少し時計がかかる馬場を好む種牡馬で、京都の速い芝はひと息だと思っていたからだ。3位は短距離王サクラバクシンオー。4位に新進気鋭のロードカナロア。上位の種牡馬を見る限り、スピードだけでなくパワーも必要ということになる。

人気か、それとも先行馬狙い撃ちか

ちなみにこのレース、ここ5年の馬連平均配当が1216円。無理な穴狙いは禁物で、データ的な観点でいうと先行タイプの人気馬がターゲットとなる。そこで注目したいのが今回と同じ舞台の京阪杯。このレースは先行馬が崩れたレースだった。前で運んで見せ場を作った馬を狙ってみたい。

京阪杯の最先着馬はアイラブテーラー。勝負どころで少し不利を受けたことを考えると、勝ちに等しい評価を与えていいかもしれない。3着カラクレナイはこの距離でも掛かるぐらいの行きっぷり。スプリント適性の高さを改めて示した一戦だった。だが、差し馬グループで狙いたいのはエイシンデネブ。出遅れた上に勝負どころでアイラブテーラー以上の不利を食らいながら7着まで持って来た。本来ならこれを本命にしたいところだが、今回のテーマは「人気の先行馬」。この中でカラクレナイが一番前で運べるが、純粋な先行型でないので保留しておく。人気はしないだろうが、先行勢ではラブカンプーに注目。

他路線で気になるのは京都金杯を回避してここへ照準を合わせてきたハッピーアワー。脚質面でマイナスだが、ハービンジャー産駒で力の要る芝が合うかも。

人気を取るか、脚質を取るか?

人気を取るか、脚質を取るか。迷った時は配当重視でいいだろう。そこで狙いはラブカンプー。鞍上は京都芝1200mで好成績を残している松山騎手で、先行馬。最内枠は気になるが、狙ってみたい。

相手は京阪杯組。エイシンデネブ、アイラブテーラーの順。他路線からハッピーアワー。無理な穴狙いは禁物と前述したが結果はいかに?

◎ラブカンプー
〇エイシンデネブ
△アイラブテーラー
▲ハッピーアワー

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。