【東京大賞典】先行勢には苦しい展開にオメガパフュームが史上4頭目の連覇達成

三木俊幸

2019年東京大賞典を制したオメガパフュームⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

飛行機ポーズで喜びを表したデムーロ騎手

晴天ではあったが強風が吹きつけ、気温よりも寒さを感じたホープフルS当日と比べると穏やかな天候となった12月29日の大井競馬場では、2019年最後のGⅠ東京大賞典(ダート2000m)が行われた。

1番人気は2017年のチャンピオンズC以降、10戦連続で3着以内に入るという抜群の安定感を誇っていたゴールドドリーム、2番人気は東京大賞典連覇を狙うオメガパフューム、3番人気は8か月の休養明けとなった浦和記念を快勝して挑んできたケイティブレイブとこの3頭が人気を分け合っていた。

そろったスタートを決めた出走馬13頭、正面スタンド前を先頭で通過していったのは武豊騎手が騎乗するアポロテネシーだった。2番手にケイティブレイブ、3番手の外にはゴールドドリーム、内にロンドンタウン、間を突いてロードゴラッソと前は5頭が固まる展開となり、2コーナーから向正面へとレースは流れていく。

そして3馬身ほど離れてノンコノユメとオメガパフュームが追い上げていき、前半の1000mは1:01.6で通過。縦に長い隊列となり、4コーナーすぎでゴールドドリームが外から早めに進出を図る。しかしそれをピッタリとマークしたオメガパフューム、そのさらに外からモジアナフレイバーも動きはじめ、7頭が横並びとなって最後の直線コースへと向いた。

その争いから一気に抜け出したのはオメガパフューム、デムーロ騎手が懸命に追う。そこに内ラチ沿いから馬体を併せてきたのは大井所属のノンコノユメ。しかし、1馬身差をつけて押し切ったのはオメガパフュームだった。ゴール板を過ぎるあたりで、デムーロ騎手は代名詞ともなった飛行機ポーズを決めて最大限の喜びを表した。

勝ちタイムは2:04.9、オメガパフュームは昨年の東京大賞典に続き連覇達成。同レースの連覇はアジュディミツオー、スマートファルコン、ホッコータルマエに続いて史上4頭目となった。

上位3頭はいずれも中団を追走

今年はJRAに移籍して以降、最も苦しい1年となったデムーロ騎手。しかし、2019年の最後にデムーロ騎手らしい笑顔が見られたのは、ファンにとってもうれしい出来事だったと言えるだろう。

2019年東京大賞典を制したデムーロ騎手

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

また、2着にノンコノユメ、3着にも大井のモジアナフレイバーが入り、地方勢が意地を見せたレースでもあった。特にモジアナフレイバーは直線で一瞬突き抜けるかのような場面を演出。まだ4歳馬で、交流GⅠで徐々に着順を上げてきて力を付けてきている印象。船橋所属でも中央馬と堂々と渡り合ったフリオーソのような存在になることを期待。

先行集団に付けていた1番人気ゴールドドリームにとっては苦しい展開となり、4着に残るのが精いっぱいだった。パドックでも少し前の出が固めで、覇気も少し物足りなかった。次走巻き返しに期待。

3番人気のケイティブレイブは早々に失速し8着。この馬の実績を考えると、展開が厳しかったとはいえ少し粘ってほしかった。

2019年東京大賞典で4着に敗れたゴールドドリーム

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

SPAIA予想陣の中でこのレースの予想を担当したのは門田氏。同年の帝王賞とJBCクラシックで最も多く馬券に絡んだ世代が好成績を残しているとの理由から4歳馬で実績十分のオメガパフュームを本命に推していた。しかし3着モジアナフレイバーは押さえていたものの、2着のノンコノユメは無印としており、惜しくも的中とはならなかった。

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