【ホープフルS】一年の負けを帳消しにしようとする大穴狙いに、京大競馬研が待ったをかける

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
2歳芝中距離戦は堅い決着が多い
いよいよ2019年の中央競馬も残すところあと1日。土曜中山のメインはホープフルS(GI・芝2000m)。有馬記念が当たった人も外れた人も、このレースを当てて気持ち良く年を越したいところ。
さて有馬記念では絶対と思われたアーモンドアイがまさかの圏外に散り、全国の競馬ファンのなかにはホープフルSも荒れると見込んで、一発大きい馬券を当てようと意気込んでいる人も少なからずいるだろう。しかしこのレースにおいては、その穴狙いが決まりづらいことを示すデータがある。

過去10年で、芝1700m以上の2歳1勝クラスまたはOPクラスのレースは147回行われた。この条件での払戻額の平均は、それぞれ単勝が812円、複勝が249円。ところが、この数字は中央競馬の全レースにおける平均配当(単勝1032円、複勝355円)と比べるとかなり低いものとなっている。他にも芝1700m以上の2歳新馬・未勝利戦(単勝842円、複勝306円)、芝1700m以上の3歳1勝・OP戦(単勝788円、複勝302円)は、全レース平均に比べて顕著に低い。
馬券が荒れるケースとしては、レースでそれぞれの馬の実力が拮抗していたケース、もしくは人気馬が何らかの原因で実力を発揮できなかったケースの2つに大別される。しかし2歳から3歳の春の時期は、キャリアが少ないため実力差がはっきりしているメンバーで同じレースを走ることが多い。
また、まだ体が大人になっていない馬がほとんどで、後に引きずるほどの疲労は残したくないこと、控えるレースを教え込ませたいことなどから、芝の中距離戦は遅いペースでの上がり勝負になることが多く展開による紛れが少ない。このため、2・3歳限定の芝中距離戦は荒れにくいのである。これがこのデータにも表れている。
能力は2枚も3枚も抜けているコントレイル
コントレイルは東スポ杯2歳Sを圧勝した。その週の東京芝の馬場はいくら速かったとはいえ、芝1800mが1:44.5のタイムは驚愕で、父ディープインパクトの若駒Sの衝撃にも引けを取らなかった。少なくともこのメンバーのなかでは、明らかにこれまでのレースでのパフォーマンスが抜けている。1ハロンの距離延長や中山コース替わりという不安要素はあるが、不器用な馬でもないのでほとんど問題はないだろう。
ヴェルトライゼンテは好メンバーの萩Sを勝利、好位抜け出しという内容もよかった。
ブラックホールは札幌2歳Sで4コーナー外に膨れるなど粗削りな競馬をしたが、それでも勝ち切るあたり能力を感じる。
ワーケアは東京で2戦していずれも完勝だが、中山へのコース替わりと良馬場での経験がないのが気がかり。
ラインベックはコントレイルに9馬身離され勝負付けはすんだ感はあるが、2・3着に食い込む力はある。
▽ホープフルS予想▽
◎コントレイル
◯ヴェルトライゼンテ
▲ブラックホール
△ワーケア
×ラインベック
《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。
