【ホープフルS】コントレイルに死角あり?平均上がり35秒台の馬場状態に合う馬は?

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この時期らしい標準的な馬場コンディション
有馬記念が終わり、2019年の中央競馬も残すはあと1日のみとなった。そのラストデーのメインを飾るのは、来年のクラシック戦線を目指す2歳馬たちによる争い、ホープフルS(GⅠ・芝2000m)だ。
GⅠに昇格してから今年で3年目を迎えるが、昨年は今年の皐月賞馬となり、先週の有馬記念では2着となったサートゥルナーリアが勝利した。果たして今年のレースを制するのはどの馬なのか、先週の馬場傾向と過去のホープフルSの結果をもとに、各馬の分析を行っていく。
まずは12月21、22日に中山競馬場の芝コースで行われたレース結果を見ていこう。

芝コースでは合計11レースが行われ、馬場状態は良馬場だった。ハイペースとなった有馬記念では、2:30.5という速いタイムがマークされたが、それ以外のレースは平凡なタイムの決着が多く、この時期らしい標準的な馬場コンディションだと言えるだろう。
上がりタイムは33秒台の上がりを使った馬はおらず、平均すると1着35.2、2着35.3、3着35.4、1〜3着平均35.3というタイムだった。今開催5週目を迎えるが、先週、先々週の上がりと比較しても遜色なく、傾向は変わっていない。

4角の通過順位を逃げ1P、先行2P、差し3P、追込4Pに振り分けて数値化した4角平均通過ポイントを見ると、1着1.9P、2着2.3P、3着2.4P、1〜3着平均2.2Pとなっていた。先々週の1〜3着平均が2.0Pだったことを考えると、少し差しも届きつつあるが、ある程度の位置につけられる馬が馬券に絡んでいる傾向にあると見てとれる。
過去5年の平均上がりは35.4
続いてホープフルSが現在の施行条件となった2014年以降のレースで、1〜3着に入った馬の上がりタイムと通過順位について調べてみた。

2015年のレースでは、勝利したハートレーが34.3、2着ロードクエストが34.1という上がりをマークしたが、それ以外の年は35秒台の決着になることが多く、過去5年の1着平均は35.3、2着平均35.5、3着平均35.5で1〜3着平均は35.4となっている。今の馬場傾向にも通じる点が多いので、おそらく今年も35秒台の上がり決着となることが予想される。

また通過順位では、昨年は先行したサートゥルナーリアとアドマイヤジャスタが1、2着となっているが、後方からレースを進めた馬の台頭もあり、4角平均通過ポイントでは1着2.6P、2着2.4P、3着3.0P、1〜3着平均2.7P と2歳戦ながらGⅠらしくタフなレースになることも多い。先週の馬場状態からはある程度先行できる馬が有利となっているが、差し馬には注意しておきたいところだ。
本来であれば、基準値を設けてその値に最も近い馬を重視して予想をしていくのだが、今回は2歳戦でキャリアが浅く、中山のように小回りコースを経験していない有力馬も多い。そこで今回は参考データとしての扱いにとどめ、過去のレースぶりと上がりタイム、脚質の総合面から予想を行っていく。
コントレイルに死角あり?
今年のホープフルSで推奨する馬は、コントレイル、ハギノエスペラント、ブラックホール、ワーケア、ヴェルトライゼンデの5頭とした。

本命はワーケア。過去2戦はいずれも東京で、レース平均上がりは33.3となっているが、いずれも稍重と重馬場でのもの。走法からもパワーが感じられ、むしろ今の中山コースの馬場状態に向いているのではないだろうか。脚質も過去2戦とも中団からレースを進めているが、ルメール騎手なら過去2戦よりは積極的に運ぶのではないかとも考える。
対抗はヴェルトライゼンデ。この馬も過去2戦はいずれも道悪でのレースだった。好位からレースを進めることができ、コーナーをうまく使って加速できるタイプなので、積極的な騎乗をするマーフィー騎手とも手が合っているはずだ。初の中山コースでも立ち回りがうまいので、こなせると判断。
3番手はコントレイル。前走の東京スポーツ杯2歳Sでは、1:44.5のレコードタイムで圧勝。能力の高さは申し分ない。しかし、過去2戦はいずれも広いコースで、小回りコースは今回が初めてとなる。加えて、35秒台の上がり決着になろうかという条件であれば、今回は死角もあるとみた。
以下、420kgほどの小柄ながら、北海道の洋芝、小回りコースで後方から強いレースを見せてきたブラックホール、前走の阪神芝2000mの未勝利戦を中団から運び2:00.4のレコード勝ち、上がり35.3でまとめたハギノエスペラントまで押さえておく。

