【阪神カップ】大混戦、難解必至もすっきり整理整頓 当日まで覚えておきたい4つのデータ

勝木淳

2019年阪神カップに出走予定のレッツゴードンキⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

関西圏の重賞だが関東馬優勢

年の瀬の関西圏の名物重賞として定着した阪神カップ。昨年は11番人気のダイアナヘイローが逃げ切り、一昨年は引退レースだったイスラボニータが2番人気で復活Vを飾った。シーズン末期らしい波乱もあれば、高額賞金がかかるGⅡらしい順当な結果もある。短距離~マイル路線を締めくくる一戦をデータから整理してみる。

まずは、過去10年の年齢別成績から整理。

阪神カップ年齢別成績(過去10年)ⒸSPAIA

3、4歳【2-5-5-50】に対し、5歳以上は【8-6-4-92】とベテランが優勢。6歳が【4-2-1-28】と4頭の勝ち馬が出ており、勝率は唯一10%以上。

3~5歳の主力世代は、GⅠをピークにローテーションを組まれる秋シーズン。その敗戦組が余力をもって阪神カップに挑戦するのに対し、6歳世代はより実利を求めて狙いすましている可能性がある。

しかし、前走レース別成績を整理すると、見事に前走GⅠレース組が優位というデータにぶつかった。

阪神カップ前走レース別成績(過去10年)ⒸSPAIA

マイルチャンピオンシップ組は出走頭数が多いので、率としては目立たない。だが、【4-5-4-35】と複勝圏内に多数なので、主力ローテといっていい。

一方、GⅠより実利という意味では、スワンS直行というローテも見落とせない。【2-0-1-8】と出走数は少ないが、こちらは率がいい。マイルチャンピオンシップではなく、あくまで1400m戦へこだわるという意図もあるだろう。また、夢よりリアルを求めてという意図も考えられる。

注目は関西圏の1200~1600mの重賞、マイルチャンピオンシップ、スワンS、京阪杯の3重賞を合算すると【7-6-6-63】。10年で7勝という成績は優秀といっていい。

さらに、美浦と栗東、所属別の成績を整理すると興味深い。

阪神カップ所属別成績(過去10年)ⒸSPAIA

美浦【8-6-2-40】、栗東【2-5-7-103】で関東馬が圧倒している。関西圏最後の重賞にも関わらず、関東馬が強い。この違和感は覚えておきたい。

昨年こそ関西馬のダイアナヘイローが勝ったが、3着はスターオブペルシァ(12番人気)だった。2017年の1着は2番人気のイスラボニータで、16年はまたしても2番人気のイスラボニータが2着。15年は3番人気のロサギガンディアが1着と、必ず関東馬が1頭は複勝圏内に絡んでいる。

関西圏の重賞からここに出走、連続して遠征競馬に挑む関東馬は忘れずにチェックしたい。

馬体重500キロ以上、かつ少ない増減の馬

最後に、馬体重500~519キロの巨漢馬が、【7-1-2-37】と10年で7勝。

3、4角は内回りを使用する阪神1400m戦は、上がりの速いレースが少なく、小回りらしく早い仕掛けで展開。スピードとパワー、耐久性が要求される。短距離路線のトップホースは大きな馬が多いので、どこまで絞れるかは分からない。だが、ローテや所属で整理すれば、最後の指標として馬体重も使えるだろう。

阪神カップ馬体重別成績(過去10年)ⒸSPAIA

2018年3着スターオブペルシャは、当日の馬体重が518キロで12番人気だった。だからといって、ただ大きくなればいいというわけではない。10キロ以上の馬体増は【0-0-0-17】と惨敗。シーズン末期の冬太りではなく、体調をきっちり管理した上での巨漢、ラガーマンのようなタイプを狙いたい。

阪神カップ馬体重増減別成績(過去10年)ⒸSPAIA

【まとめ】
・前走は関西圏の3重賞(スワンS、マイルチャンピオンシップ、京阪杯)に出走
・関東馬
・馬体重の増減が少ない500キロ以上の巨漢馬

これを参考に、ぜひとも有馬記念の前日に昨年のスターオブペルシャのような大穴を発見し、的中したい。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて「築地と競馬と」でグランプリ受賞。中山競馬場のパドックに出没。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にて記事を執筆。

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