【チャンピオンズC】徹底した内枠狙い!東大HCの本命は最内1番タイムフライヤー

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
中京変更後は追い込みもハマるが…
12月1日(日)に中京競馬場で行われるのはチャンピオンズC(GⅠ・ダ1800m)。もう今年も残り1ヶ月という事実が寂寥の念を感じさせる。今年のうちにGⅠでの大的中を目指して、クリソベリルやゴールドドリームを始めとする人気馬の扱いや、それ以外で狙うべき穴馬を検討していこう。
まずはレース展開や馬場傾向、コースの特徴といった点を分析していく。

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アメリカを中心とした世界の主要ダートGⅠが左回りという理由で中京コースに変更されたにも関わらず、それと同時に国際招待競走の看板を降ろしたこのレース。変更後の過去5年では差し追い込み馬の台頭が目立っており、差し有利のレースに変貌したという解釈もできる。
ただ、後述するように中京ダ1800mは元来内有利なコース形態なので、先行勢が相当争わない限り漫然と外を回って差すのは厳しい。実際、前半61.6-後半61.2とほぼ平均ペースで流れた一昨年には1~3番手にいたテイエムジンソク、コパノリッキー、ケイティブレイブが2、3、4着、勝ったゴールドドリームも4角まで内でためての差しだった。
今年、逃げが想定されるのはインティ。テンの速い同馬が内枠を引いた以上、わざわざ競りかけるメリットは他馬にない。よって極端に前が崩れるような展開は考えづらく、内目もしくは前目をロスなく立ち回ることが重要だろう。
ひたすらに内を狙うべし
中京のダートコースはコーナー角度がキツいこともあって内有利の傾向が強い。ダ1800mの枠順別成績でも1枠が勝率トップ、2枠が連対率と複勝率でトップとやはり内枠有利だ。

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チャンピオンズCでは差しがよく届いているのだが、差してきた馬が4角で回った位置を映像で確認すると昨年2着ウェスタールンド、17年1着ゴールドドリーム、16年1着サウンドトゥルーと全て内。差し馬を狙うにしても4角を回るまでは内にいることを最優先に本命を決めるべきだろう。
先週の再現も
先週のジャパンCは馬場傾向を盛大に読み間違え。あれだけ雨が降ったにもかかわらず、外有利に振れるどころか内にいないとどうしようもないレベルのイン偏重馬場。勝ったスワーヴリチャード、2着のカレンブーケドールともに枠の有利を生かし切る鞍上の腕が光った。
今回は再度内有利のコースで内枠を引き当てたマーフィー騎手のタイムフライヤーを本命視する。母の全兄が交流GⅠ5勝のタイムパラドックスという血統背景から適性に期待されて3走前からダートに転向。エルムSとシリウスSはどちらもハイペースで前がつぶれる展開を好位の外で強気に追走したぶん最後はやや甘くなったが、前走は意図的に少し抑えていく乗り方に切り替えていい脚を使えた。人気勢との力関係は未知だが、立ち回り次第では3着内もありえるだろう。
対抗はインティ。前走は59キロを背負ったこともあるが、それ以前にハナを切れなかったことで暴走してしまったことが敗因。前半1000m59.0秒というダート戦としては異常なハイペースを作っての敗戦で、気性面の不安は露呈したものの能力にケチがつくものでは一切ない。今回は鞍上が乗り慣れた武豊騎手に戻る。楽にハナを切れそうなメンバー構成なので、「逃げれば落ち着く」というタイプなら問題なく走って巻き返してくる。
3番手も内枠からチュウワウィザード。前走のJBCクラシックはオメガパフュームに乗ったデムーロ騎手の進路取りが鮮やかだったが、その完璧に立ち回ったオメガを最後わずかに抑えた。単に器用さで上回ったと片付けるよりは、チュウワ自身もかなり力をつけていると判断したい。
クリソベリルも能力の高さは認めるが、前走は古馬相手の完勝とはいえ一線級のメンバーが出てこなかったので、まだ不透明な部分もある。昨年のルヴァンスレーヴと重ねている評価も散見するが、あちらは南部杯で古馬トップのゴールドドリームを完封していたわけだから単純比較はできまい。よって4番手評価に留める。
オメガパフュームは世間で言われているほど左回りに難がある馬とは思わないが、中央のレースに出走した際のパフォーマンスがいまひとつ。他の現役馬でいうとケイティブレイブなど、地方での交流重賞の方が得意という馬は一定数いる。オメガもそういったタイプだと見ているので押さえまで。
以下、内枠を中心にワンダーリーデル、モズアトラクション、ゴールドドリームまでは押さえたい。モズアトラクションは春に平安Sでチュウワウィザードとタイム差なし、オメガパフュームに先着という競馬をしており、展開がハマったときの破壊力はここでも通用しておかしくない。
▽チャンピオンズC予想▽
◎タイムフライヤー
○インティ
▲チュウワウィザード
△クリソベリル
×オメガパフューム
×ワンダーリーデル
×ゴールドドリーム
☆モズアトラクション
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。
