【エリザベス女王杯】意外と上がりのかかるレース 馬場傾向に合う本命馬は?
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
先週の京都は上がりがかかる馬場
ライアン・ムーア騎手、デットーリ騎手の来日延期は残念だが、今週からマーフィー騎手が来日し、外国人騎手の顔ぶれも豪華になってきた。JRAでは年末のホープフルSまで毎週GⅠレースが続き、更なる盛り上がりをみせることだろう。
今週末、11月10日(日)に京都競馬場では秋の女王決定戦、エリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m)が行われる。前走の秋華賞でGⅠ初制覇を果たしたクロノジェネシス、オークス以来となるラヴズオンリーユーと3歳馬が人気を集めることが予想されているが、対する古馬勢も府中牝馬Sを快勝したスカーレットカラーやラッキーライラックなどが出走してくる。今週も馬場傾向の観点から分析、予想を行っていきたい。
先週末の11月2、3日に京都競馬場で行われた芝のレース結果は以下の通りとなっている。
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合計13レースが行われたが、ハイペースの競馬となったファンタジーSの勝ちタイム1:20.7は速かったものの、それ以外のレースでは全体的に平凡なタイムで決着するレースが多い傾向にあった。
1〜3着馬の上がりタイムを見ても、勝ち馬が33秒台の上がりを使ったレースは2レースのみ。1着平均34.6、2着平均34.6、3着平均34.8、1〜3着馬の平均は34.7と上がりのかかる馬場だったと言えるだろう。
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4角の通過順位を数値化した「4角平均通過ポイント」では、1着2.2P、2着2.5P、3着2.7P、全体平均では2.5Pとなっていた。勝ち馬は先行馬から出ているものの、2着、3着の位置どりは徐々に後ろになっており、差しが届く傾向になりつつある。
過去10年の傾向は先週の傾向ともリンクする
続いて過去10年のエリザベス女王杯のデータも分析してみた。
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1着平均34.4、2着平均34.7、3着平均34.1、全体平均は34.4となっており、GⅠにも関わらず上がり34秒台の決着が多くみられる。先週の馬場状態は決して特殊だということではなく、例年通りの傾向だと言えるということ。上がり平均34.4というタイムは基準タイムとして問題ないだろう。
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脚質別の成績では、10番手以下を追走していた馬の台頭が目立つ。4角平均通過ポイントでも1着2.7P、2着2.1P、3着2.7Pで全体平均では2.5Pとなっていた。これも先週の傾向と一致するので、信用して良さそう。ただし、1着と3着が2.7Pと差し傾向が強いので、数字上で接戦となった場合はポイントの高い馬を重視したい。
上がり平均34.4のセンテリュオが本命
今回の推奨馬は6頭としたが、いずれも僅差となっており難解な予想となった。
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上がり平均34.4、4角平均通過ポイント2.9Pのセンテリュオは、脚質はやや後ろすぎる感じもするが、この馬は好位からレースを進める時と追い込む競馬をする時との差が大きいため、この数値となっているだけなので、問題なし。これまで2度ルメール騎手が騎乗した際は好位からレースを進めていることからも、今回も流れに乗る競馬をしてくれるだろう。3着以内の軸として本命に推したい。
対抗は上がり平均34.2、4角平均通過ポイント2.8Pのラヴズオンリーユー。ここまで4戦4勝で今回はオークス以来となるが、能力はここでも上位。馬場、脚質ともに適性が高く、ここもあっさり通過点となる可能性も大いに秘めているので、評価を繰り上げることにした。
スカーレットカラーは、上がり平均34.5、4角平均通過ポイント2.8Pと高評価すべき馬ではあるが、1800mでもう少し軽い馬場がベストな感じもする。距離を考えると、今回も後方からの極端な競馬になるのではないかと予想するので、3番手評価に下げた。
上がり平均34.1、4角平均通過ポイント2.6Pのクロノジェネシスは、牝馬クラシック戦線でも常に安定した成績を残していたが、前走の秋華賞でついにGⅠホースの仲間入りを果たした。当初から秋は秋華賞とエリザベス女王杯というローテーションを想定しており、叩かれた上積みはあるだろう。
ラッキーライラックは4角平均通過ポイントが2.1Pとクロノジェネシスより前目なのを嫌って、5番手評価とした。瞬発力勝負では分が悪いので、今の馬場状態はプラスに働くだろう。加えてスミヨン騎手とも手が合っていそうな感じもする。
クロコスミアは、過去2年連続でエリザベス女王杯2着と結果を残している。馬場への適性も証明済みなので、すんなり先行できれば2度あることは3度あるかもしれない。
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