京王杯2歳Sはタイセイビジョンの差し切り勝ち 先週の重賞レースを予想とともに振り返る

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
タイセイビジョンが差し切り勝ち
11月2日(土)に東京競馬場で行われたのは京王杯2歳S(GⅡ・芝1400m)。夏の短距離重賞を使ってきた馬が中心となった。朝日杯FSにも直結してくるレースでもあるだけに重要な一戦となる。果たして結果はどうだったのか、振り返ってみよう。
好スタートを切り、スピードの違いでハナに立ったのはビアンフェ。2番手にはアポロニケ、3番手にグランチェイサーという隊列でレースは流れ、前半600mを34.9秒で通過した。各馬は一団となったまま、4コーナーから直線コースへと向いたが、ビアンフェが依然として先頭をキープ。しかし大外から追い込んできたのは1番人気のタイセイビジョン。そのまま一気に突き抜けて、重賞初制覇を果たした。
勝ちタイムは1:20.8のレコードタイム。2馬身差の2着には逃げ粘ったビアンフェ、3着には内から馬群を割ってきたヴァルナが入った。前走函館2歳S組がワンツーフィニッシュと、函館2歳Sを注視しなければならなかったレースでもある。

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予想は◎ヴァルナが3着ながら、△タイセイビジョン、○ビアンフェをしっかりと押さえており、見事に的中。しかし1、3、4番人気の決着で3連複は990円という配当に終わっている。
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早めに抜け出したレシステンシアがファンタジーSを制す
同じく11月2日(土)、京都競馬場では2歳の牝馬限定重賞ファンタジーS(GⅢ・芝1400m)が行われた。単勝4.4倍と人気が割れた中で1番人気に推されたのはマジックキャッスル、2番人気はクリアサウンドとなっていた。
先手を取ったのは内からダッシュを利かせたエレナアヴァンティ。2番手にはレシステンシア、その半馬身差の3番手集団にはモズアーントモーとレジェーロが並ぶ形となり、3コーナーの外回りコースへと向かって行く。
前半600mを33.7秒という速いペースで通過し、縦長の隊列で4コーナーから直線コースへ。早めに先頭に立ったのはレシステンシア、外からクリアサウンド、間を突いてヤマカツマーメイドも伸び脚を見せる。さらに大外からは中団を追走していたマジックキャッスルも追い込んでくるが、レシステンシアが押し切って優勝した。勝ちタイムは1:20.7、際どい2着争いはマジックキャッスルが制し、3着にクリアサウンドという結果に終わった。
京都大学競馬研究会の予想結果は、◎クリアサウンドと○マジックキャッスルは馬券圏内に好走したものの、勝利したレシステンシアは無印に。▲以下7頭に印を回したものの、的中させることはできなかった。
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昨年の雪辱を果たす勝利
11月3日(日)には東京競馬場でアルゼンチン共和国杯(GⅡ・芝2500m)が行われた。1番人気は前走の六社Sを快勝したアフリカンゴールド、2番人気は昨年のこのレースの2着馬ムイトオブリガードとなっていた。
レースは正面スタンド前からスタートし、外からオジュウチョウサンがハナを切る展開に。2番手にパリンジェネシス、3番手にはムイトオブリガードという隊列で淡々とレースは進んで行く。3コーナーを過ぎてマコトガラハットがじわっと3番手に進出し、馬群が固まった状態で4コーナーから直線コースへと向く。
残り400mあたりで内から抜け出したのはムイトオブリガード。そして馬群を割ってアフリカンゴールドとポポカテペトル、最内からはタイセイトレイルも伸びてきたが、ムイトオブリガードがそのまま押し切って勝利、昨年2着の雪辱を果たした。勝ちタイムは2:31.5、鞍上の横山典弘騎手は会心の騎乗にガッツポーズを見せた。2着にはタイセイトレイル、3着はアフリカンゴールドという結果に終わった。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
予想は東大ホースメンクラブがタイセイトレイルを本命にしていたが、ムイトオブリガードは無印。三木氏は4着のルックトゥワイスを本命にしていたため、両者とも惜しい結果となった。
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まくりの競馬で見事に重賞初制覇を果たす
京都競馬場のメインレースは、チャンピオンズCの前哨戦であるみやこS(GⅢ・ダート1800m)。今年のフェブラリーSを制したインティ、前走の名鉄杯でレコード勝ちを果たしたスマハマ、3歳馬のワイドファラオなど多彩なメンバーがそろった一戦となった。
スタンド前からスタートし、スマハマ、リアンヴェリテ、インティの3頭による逃げ争いが激しくなり、前半の1000mは59.0秒とハイペースで通過する。3、4コーナー中間地点でインティが4番手以下の集団に飲み込まれる。後続各馬も徐々に差を詰め、大外からまくるようにヴェンジェンスが一気に先頭へと躍り出る。
その直後にウェスタールンド、さらに大外からはキングズガードもすごい脚で追い込んできたものの、そのままヴェンジェンスが振り切って勝利した。勝ちタイムは1:49.1、ヴェンジェンスにとってはこれが重賞初制覇となった。
このレースで覚えておきたいのは前の組。これだけペースが速いなら、崩れたのは仕方がない。次走チャンピオンズCなどにインティ、スマハマあたりが出てきて、人気を落とせば狙ってみたい。
予想は流れが速くなると分析し、勝利したヴェンジェンスも穴で面白い存在だと推奨していた。しかし、肝心の本命アングライフェンは4着という結果に終わり、惜しくも的中とはならなかった。
