「ミッキー」は上級で買い!東大HCが騎手の「乗り替わり」を徹底分析

東大ホースメンクラブ

イメージ画像ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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乗り替わりはやはりマイナス

今回のコラムのテーマは、近年非常に多くなった「乗り替わり」。秋のGⅠシーズンには短期免許を取得した外国人ジョッキーの参戦もあり、有力馬の乗り替わりを毎週耳にすることが予想される。そこからクラス別成績や馬主・調教師の騎手起用から、勝負気配=買える条件を探っていく。

まずは乗り替わりの全体成績を概観する(データは過去3年)。

過去3年の乗り替わり、騎手別とクラス別成績ⒸSPAIA

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全体として比較すると、前走と同じ騎手で臨む馬の方が成績が良い。乗り替わりは一般的にやはりマイナス評価といえる。

次に乗り替わりの馬に限定してクラス別成績を調べた。まず目につくのはGⅠでの数値が低水準にとどまっていること。事実、過去3年のGⅠ81戦のうち60戦は前走と同騎手で臨んだ人馬が勝っている。ちなみに、乗り替わりでGⅠに挑み2番人気に支持された馬は、18年安田記念ペルシアンナイト(福永祐一騎手→川田将雅騎手、6着)から現在まで10戦連続で4着以下。先週のサートゥルナーリア(ルメール騎手→スミヨン騎手)ですらも6着とこのデータを覆すことはできなかった。該当すれば迷わず消しだ。

「ミッキー」の乗り替わりは上級条件!

続いて馬主別成績を挙げる(100回以上のレース機会がある馬主に限定)。

過去3年の乗り替わり・馬主別成績ⒸSPAIA

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勝率1位は「ミッキー」の冠名でおなじみの野田みづき氏。上級条件での乗り替わりが真価を発揮しており、3勝クラス以上に限ると【10-2-2-24】勝率26%、単勝回収率166%。該当する場合は勝負気配だ。

2位は「サトノ」のサトミホースカンパニー。騎手起用に特色があり、M・デムーロ騎手、川田騎手、ルメール騎手の3人がいずれも連対率50%以上、単勝回収率は100%を超える。特にデムーロ・川田騎手はGⅡ・GⅢで【3-4-1-3】と7割以上の馬が馬券になっている。今年のセントライト記念、サトノルークスで8番人気ながら2着を確保し、菊花賞での切符を獲得したのも川田騎手だった。3位には今年のダービーをロジャーバローズで制した猪熊広次氏が入った。

回収率別で見ると吉田千津氏が際立っている。勝率などは上位に及ばないものの、単勝回収率136%、複勝回収率104%は出色の数字。同氏は減量騎手の起用が奏功しており、該当馬は芝に限ると複勝回収率200%を超える。またキャリア21年以上のベテランへの乗り替わりも【5-7-3-32】複勝率32%、単勝回収率244%だ。

レース機会が87回と条件は満たさないものの、リオンリオン・マイスタイルなどを所有する寺田千代乃氏にも注目。全体の数字が優秀なのもさることながら、なんといっても横山典弘騎手との黄金コンビは見逃せない。ミスパンテールでの重賞4勝をきっかけに結びつきを強め、乗り替わりが急増。該当馬は【4-2-2-6】、重賞に限れば【2-1-1-0】とパーフェクトだ。

ルメール騎手×藤沢和雄調教師は鉄板級

最後に調教師×騎手データをチェックしよう(50回以上のレース機会があったコンビに限定)。

過去3年の主な乗り替わり・騎手×調教師別成績ⒸSPAIA

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ルメール騎手×藤沢和雄調教師のコンビが最多の29勝。この乗り替わりでは前走掲示板外の大敗を喫した馬が狙い目。該当馬は【12-6-5-23】と半数が馬券になっている。単複回収率はともに100%を超え、人気の盲点となるケースが多いようだ。北村友一騎手×藤原英昭調教師は下級条件での乗り替わりで真価を発揮し、2勝クラス以下では【14-10-6-14】複勝率68%をマークしている。反対に3勝クラス以上では未勝利で、データからは推奨しにくい。

また18年4月から10月にかけて8戦連続馬券圏内の記録を残した岩田康誠騎手×友道康夫調教師は、4番人気以内に限ると【11-3-4-9】と4割超えの勝率。積極的に単系の馬券で買いたいコンビだ。

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