史上初サマー王者がスプリンターズSを制す 先週のレースをSPAIA予想陣の結果とともに振り返る

SPAIA編集部

2019年のスプリンターズステークスを制したタワーオブロンドン

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

大外から追い込みGⅠ初制覇

9月29日(日)、週中には雨予報も出ていた中山競馬場だったが、秋のGⅠ開幕戦スプリンターズS(GⅠ・芝1200m)は好天の下で行われた。

1番人気はダノンスマッシュ、2番人気に前走のセントウルSで勝利し、見事にサマースプリントシリーズの王者に輝いたタワーオブロンドン、3番人気はモズスーパーフレアとなっていた。

レースは好スタートを切ったモズスーパーフレアが自慢のスピードを生かして逃げる展開となった。しかし2番手以下も混戦となり、マルターズアポジー、イベリス、ファンタジストが横並びという隊列でレースは流れる。

SPAIA予想陣の本命馬では、ディアンドルが中団やや前目の馬群の中、その半馬身内にダノンスマッシュ、そしてそれをマークするようにタワーオブロンドンも追走する。その集団から遅れること5、6馬身離れた後方3番手にアレスバローズという形。前半600mを32.8秒という速いペースで通過した。

4コーナーから直線に向いても、モズスーパーフレアが先頭を譲らず、残り100mを切ってそのまま逃げ切るかと思ったが、それを許すまいと大外から一気に追い込んできたのが、2番人気のタワーオブロンドン。最後にきっちりと差し切った。勝ちタイムは1:07.1、同馬にとってこれがGⅠ初制覇となった。

2019年のスプリンターズステークスを制したタワーオブロンドン

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

2着にはモズスーパーフレア、3着は中団からじわじわと伸びてきたダノンスマッシュが入線した。その他ではアレスバローズは10着、ディアンドルは13着だった。

ついにサマー王者がスプリンターズS制覇

勝利したタワーオブロンドンは、札幌のキーンランドCの後に中1週で行われたセントウルSを使い、その後中2週でスプリンターズS参戦。戦前は体調面が不安視されることもあった。

しかし、それを全く意に介することはなかった。1頭だけ末脚の勢いが違っており、前走同様に坂のあるコースがプラスに働いたように感じた。視線の先には海外のレースも視野に入っており、今後のレース選択に注目が集まる。

ちなみにサマースプリントシリーズの王者がこのレースを制したのは初めて。歴史に名を刻んだ。

サマースプリント優勝馬の成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

2着のモズスーパーフレアは、少々速いペースになっても自分のペースで逃げれば強いということを改めて証明した。これで中山コースは(3,2,0,0)といまだに連対を外しておらず、レースを使うごとに成長を見せている。

3着ダノンスマッシュは、コーナーを使って一気に加速できるタイプではなく、それが3着という結果に表れたと言っていいだろう。力があるところは見せてくれたが、坂を駆け上がってからの加速力を見ると、やはり平坦コースの方が良いタイプなのかもしれない。

東大ホースメンクラブ本命のアレスバローズは、勝負どころで前が壁となり、思ったような競馬ができなかった。絶好枠の1枠が逆にアダとなった形。

このレースから新たに京都大学競馬研究会がSPAIA予想陣に加入。本命はディアンドルだったが、道中追走に苦労し、直線もさほど伸びず。完全に力負けの格好であった。


他のSPAIA予想陣の中では、三木氏がタワーオブロンドンを本命にし、3着ダノンスマッシュ、4着ミスターメロディ、5着レッツゴードンキまで印を回していたので、これは推奨馬が上位独占かと思ったが、2着のモズスーパーフレアを無印にしており、少々もったいない予想だった。

2019年のスプリンターズステークスを制したタワーオブロンドンⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


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