【セントライト記念】ダービーから再起を誓う馬の出番 ニシノデイジーの当日の馬体重に要注目
門田光生
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
今週も時計勝負か?
「開幕週は時計が速い」というのは定説だが、もはや度を超えていた。セントウルSの時計にも驚いたが、京成杯AHの1分30秒3というのは世界レコードらしい。もはや何メートルのレースの時計か分からないぐらいだ。思い起こせば、2012年にレオアクティブが同レースで出した1分30秒7も当時の世界レコードであった。
「開幕週は差し馬」の結論は天下の東大ホースメンクラブと一致し意を強くして馬券を買ったが、勝ち馬が逃げ切る展開で筆者の◎はしんがり追走。だめだ、こりゃ。全くいいところなくサマーシリーズが終わってしまった。
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9月16日(月)にセントライト記念が、先週に速い時計が出た中山競馬場で行われる。ちなみに、フェノーメノが勝った2012年のセントライト記念は、中山で行われた過去10年で2番目に時計が速かった。良馬場で行われるとすれば、やはり時計は速くなると考えた方がよさそうだ。
馬体重、前走、キャリアなどの傾向を探る
セントライト記念過去10回のデータをひもといてみる(新潟で開催された2014年を除く)。
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馬場が絶好ならディープインパクト産駒の出番!と思ったが、このレースに限っては勝率が4%を切っている。登録の時点で5頭のディープインパクト産駒の名が見られるが、過大評価は避けた方がよさそう。
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キタサンブラックをはじめとして大きい馬が活躍している印象があったので馬体重を調べてみたが、想像以上に大型馬が活躍。理由ははっきり分からないが、ともかくセントライト記念は大型馬が活躍する傾向にあるのは間違いない。
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キャリアで見ると、勝ち馬は全て10戦以内。2着馬も10頭中9頭がキャリア10戦以内だった。キャリア11戦以上の馬は大幅に割引が必要。
セントライト出走馬の前走を連対馬のデータからみる
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連対馬20頭中16頭が、前走1000万下(現2勝クラス)かダービーだった。1000万下もダービーも前走着順は関係なし。そのほかの条件を経由した馬はかなり確率が落ちる。
前走距離だが、ダービーが行われる2400mはもちろんとして、1000万下経由の馬は1800か2200m。特に1800mを使った馬の率がよかった。
大駆け候補はマテリアルワールド
セントライト記念の好走パターンが見えてきた。
①500キロを超えている大型馬
②キャリアは10戦以内
③前走がダービーか、2勝クラス
となる。早速今回の登録馬を調べてみたが、何と前走で体重が500キロを超えているのがマテリアルワールドとルヴォルグだけ。この2頭の前走はマテリアルワールドが2勝クラスで、ルヴォルグは1勝クラスの上、この舞台で過信禁物のディープインパクト産駒でもある。ただし、マテリアルワールドは過去10年で一度も馬券圏内に来たことがない前走ダート。両馬とも狙いづらいのでほかを当たってみる。
セントライト記念出走馬の馬体重の表で、当日の馬体重が500~519キロが3勝を挙げているのだが、実はこの3頭とも前走は500キロを切っていた馬。そのうち2頭がダービー、残る1頭はラジオNIKKEI賞から休養を経て、馬体を増やしてセントライト記念を勝っている。
今回のメンバーで夏場を休養に充てて500キロに乗せてきそうなのは、ちらほらいるが狙いたいのはニシノデイジー。キャリア10戦以内、前走がダービーと走れる条件は揃っているので、今回はこれを本命に据える。当日の馬体重がプラス14キロ以上なら信頼度がさらにアップだ。
相手だが、マテリアルワールドとルヴォルグは押さえておこう。特にマテリアルワールドは全く人気がなさそうなので妙味十分。あとはデータ的に似たり寄ったりなので個人チョイス。一度あることは二度あるということで「横山典騎手が乗る逃げ馬」のリオンリオン、トライアルホースの予感がするタガノディアマンテを。
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《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
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