【ローズS】勝ち馬の平均上がりは33.9 本命は桜花賞で32.7の末脚を見せたあの馬
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
差しも届く高速馬場
約2か月半に渡って行われた馬券対決、サマーSPAIAシリーズが終了。中京記念とアイビスサマーダッシュで連勝したおかげで、何とか持ちこたえてきたものの、最終週のセントウルSでは、タワーオブロンドンを推奨しておきながらハズレ。最終的には−12,100円という結果に終わった。改めて馬券を当てることの難しさを痛感したシリーズだった。
今週は、東西でクラシック最終戦に向けたトライアルが行われる。阪神競馬場のローズS(GⅡ・芝1800m)には、ダノンファンタジーやシゲルピンクダイヤなど、有力馬が最後の1冠獲得に向けて始動する。そんな注目の一戦を馬場適性の観点から分析していく。
まずは先週の阪神競馬場で行われた芝のレース結果を振り返ってみよう。
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合計12レースが行われたが、日曜日に行われた瀬戸内海特別(2勝クラス)とセントウルS(GⅡ)の2レースでレコードタイムがマークされるなど、高速馬場となった開幕週だった。
勝ち馬の上がりタイムをみると、全体平均が33.7、ローズSが行われる外回りコースで行われたレースの平均では33.2とかなり速い上がりが要求される馬場状態だったと言える。加えて、開幕週にも関わらず差し決着が多くみられていることからも、速い上がりを使える差し馬を狙うのが良さそうだ。
33秒台の上がりが必要
続いて過去10年のローズSの上がりをみてみよう。
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重馬場で行われた2013年はデニムアンドルビーが勝利し、上がりは36.0とかかったものの、それ以外の年は2009年に勝利したブロードストリートを除いて、33秒台の上がりを使った馬が勝利し、平均の上がりも33.9というタイムとなっている。
2着と3着に入った馬に関しては、平均が34.0、34.3となっているが、いずれにしても、瞬発力のある馬が有利だという結果がみてとれる。
シゲルピンクダイヤの適性に期待
こうしたデータを踏まえて導き出した推奨馬は以下の5頭とする。
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過去10年の勝ち馬の平均上がり33.9に最も近いタイムなのは、0.1秒差の34.0という平均上がりを持っている2歳女王ダノンファンタジー。桜花賞では瞬発力勝負、オークスは距離適性で敗れてしまったが、持っている素質はかなり高い。今回も瞬発力勝負の馬場になる点が不安だが、勝ち負けになる存在だ。
同じく0.1秒差の33.8という平均上がりを持っているのはスイープセレリタス。母はクラシック戦線でも活躍し、牝馬ながら宝塚記念を制したスイープトウショウ。その末脚は娘のスイープセレリタスにも受け継がれているが、同馬は左回りの1400m、1600mのみを使われていたため、右回りの1800mへの対応がカギとなるだろう。
シゲルピンクダイヤは平均上がり34.2ながら、桜花賞で上がり32.7をマーク。得意とする阪神外回りコースで、瞬発力を必要とする今の馬場状態であれば、適性はNo.1かもしれない。心配材料が少ないので、本命はこれにする。
ウィクトーリアもシゲルピンクダイヤと同じく平均の上がりは34.2。しかし、この馬も開幕週のフローラSで後方から一気に追い込み、上がり33.2を使って勝利した実績がある。関東馬ながら早めに栗東に入厩しており、万全の体制でトライアルに臨めそうだ。
そのウィクトーリアとフローラSで接戦の2着だったのが、シャドウディーヴァ。東京コースでは常に安定して33秒台の脚を使うことができており、阪神外回りという舞台設定も合っていそう。
▽ローズS予想▽
◎シゲルピンクダイヤ
○ダノンファンタジー
▲ウィクトーリア
☆スイープセレリタス
△シャドウディーヴァ
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