【京成杯AH】今は開幕週でも外差し有利な傾向 中山コースで切れるあの牝馬を指名
門田光生
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
サマーマイルの意義
夏競馬が終わっていよいよ秋の競馬シーズン到来!なのだが、今回予想する京成杯AHは「サマー」マイルシリーズの最終戦。マイルはほかのシリーズと比べて総数が3戦と少ない。夏競馬が行われる福島、小倉、函館、そして札幌は1600mという距離がなく、それも仕方がないところ。
1勝し、なおかつ対象レースを2走以上しなくてはいけないというルールから、優勝馬の該当なしという年も少なくない。サマーシリーズの企画自体は悪くないが、このマイルに関しては見直す時期にきているのかも。
また、有力馬の始動戦でもあるこのレース。実績馬が勝つのか、まだ上り馬が通用するのかも興味深いところ。今回は2014年に新潟で開催された京成杯AHを除いた過去10回のデータをもとに予想していく。まずはクラス別成績。
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勝ち数はバラけているが、率で見ると3勝クラスとGI組が圧倒。実績馬の活躍が目立つ一方で、まだ夏競馬の余韻も引きずっているということか。
関東馬が強い
続いて前走距離をデータにしたもの。
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同じ距離、または距離を縮めてきた馬の成績がよく、逆に距離延長してきた馬は数字を落としている。中山の急坂を克服できる最低限のスタミナが必要なようだ。
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前走着順については面白い数字が出た。前走で好走した馬、具体的に1、2着だった馬が7勝。逆に6着以下だった馬は2着が8回もある。前走が大敗でも巻き返しは可能、ただし勝つのは前走で好走した馬だ。
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ちょっと変わったところで前走の頭数。13頭立て以下のレースを使っていると極端に数字が悪くなる。直近レースを多頭数でモマれた経験が重要になってくる。
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性別では牝馬の率がいい。このレースは過去に日本レコードが出たように、とにかく時計が出る印象がある。なおかつ、4角を10番手以下で通過しても十分届くように切れ味も重要。
また、東西別では関西馬が1勝というのは意外。この2つははっきりと差の出たデータなので、勝ち馬探しは牝馬、そして関東馬からチョイスするのが無難か。
フローレスマジックの復活祭
数字の差が大きいデータが多かったように思う。何だか今回こそ当たる気がしてきた。特に差が大きかったのは以下のデータだ。
①前走が3勝クラス、もしくはGI
②勝つなら前走1、2着馬。2着狙いなら前走6着以下
③前走が14頭立て以上
④切れる牝馬、そして関東馬
ところで、中山競馬場は2014年に水はけを良化する目的で路盤を改修したが、以降は開幕週から外差しが決まるようになっている。
また、エアレーションが取り入れられたのもこの頃。このエアレーション作業(馬場をほぐすこと)というのがなかなか厄介で、どうも開幕週は外有利、そこから使い込むにつれて徐々に内有利へと変化する傾向があるようだ。馬場が荒れると外差しが決まるという今までの常識と逆である。毎年開幕週に行われる京成杯AHで差しが決まるのも、このエアレーションの影響が大きいのだろう。
というわけで、今回は④の切れる牝馬に最注目。さらに関東馬となるとハーレムラインかフローレスマジックの2択。そのうち、直線の短い中山で切れるイメージはフローレスマジックの方。フローレスマジックはデビュー当初こそ東京で結果を残していたが、古馬になって好走した大半は直線の短いコース。ディープインパクト産駒ながら一瞬の足が武器とみていい。
軸は決まったが、ここ10年で牝馬が連に絡んだ時は必ず牡馬を連れてきている。さらに、フローレスマジックは前走6着以下。②から2着狙いになるので、相手は前走1、2着馬。それに牡馬の条件を入れると、該当するのはクリノガウディー、グルーヴィット、ストーミーシーの3頭。
馬券はフローレスマジックからクリノガウディー、グルーヴィット、ストーミーシーへ馬連で流す。差し馬のストーミーシーに2000円、残る2頭に1500円ずつ。
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《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
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