中山の開幕週はあえて差し馬を狙え!秋の中山・阪神開幕週の傾向を分析

東大ホースメンクラブ

中山開催芝コース・上がり最速だった馬の成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

中山では逃げ・先行有利のセオリーは通用しない

長かった夏競馬が終わり、今週から中山・阪神を舞台に秋競馬がスタートする。前週に特集した「最終週」同様、「開幕週」にも普段とは大きく違う特徴がある。

《先週の記事》
「最終週の外差し」はもう古い?夏競馬の最終週に見られる傾向とは

今週は路盤改修が行われた2015年以降の4回中山、2014年以降の4回阪神開催の開幕週成績をチェック。脚質や枠順別の狙い目を探ろう。まずは4回中山開催の成績を確認する。

中山の開幕週と開幕週以外の脚質別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

上に挙げたのは逃げ・先行馬の成績だ。先週、新潟の夏開催最終週を分析した際、有利と言われる差し馬の成績が意外に悪いことを紹介した。

今回調べた中山開幕週でも、一般的に有利と言われる逃げ・先行馬の成績がそれほどよくない。逃げ馬の勝率・連対率は開幕週以外の方が上。複勝率は若干高いものの、普段とさしたる違いはないことが見てとれる。

先行馬に至っては開幕週に不振のデータが並ぶほどだ。開幕週だから前目のポジションを確保できれば有利、と安易に飛びつかないほうがよい。さらに脚質別成績を調べていくと、興味深いデータがあった。

中山の開幕週はあえて差しを狙え!

下の表は上がり3ハロン最速を記録した馬の成績だ。

中山開催芝コース・上がり最速だった馬の成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

セオリーの真逆をいくように、意外にも差し馬が台頭していることがわかる。連対率・複勝率で実に15%の違いがある。馬券妙味の点でも推奨できるのが強みで、単勝回収率は開幕週・477%、開幕週以外・158%と3倍以上だ。

「開幕週は逃げ・先行馬有利」というのが常識になっているためか、しまいの脚を使える実力馬でも、オッズが意外とおいしいものになっているのではないか。

距離別にみると、芝2000mと芝1600mの成績が良い。特に芝1600mでは15年京成杯AHで13番人気ながらゴール前の混戦を差し切ったフラアンジェリコなど、人気薄の激走は枚挙にいとまがない(単勝回収率は実に813%を記録している)。開幕週こそ差しが狙い目なのだ。

阪神は内枠から踏み込んで

続いて阪神をチェック。同様に4回開催のデータを見てみよう。

4回阪神開催芝コース・1枠成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

阪神では目立つほどの脚質別の好調・不調はなかった。つまり、ここでも逃げ先行馬の必要以上の重視は禁物ということだ。

ただし、枠順に注目すると、セオリー通り内枠有利の傾向がみられる。表に挙げた通り、1枠を引いた馬は開幕週以外に比べて連対率・複勝率ともに10%以上高い。経済コースを通れる1枠はぜひチェックしておきたい。

距離別では芝1600mで、開幕週以外に比べて勝率こそ劣るものの連対率・複勝率では大きく水をあけているほか、芝1400mでも出色の成績。今週の両条件は日曜9レース瀬戸内海特別など6レースが予定されている。徹底した1枠狙いで的中をつかみたい。

ビッグレースがめじろ押しの秋競馬。来たるGⅠに向けての資金作りとともに、幸先の良いスタートを切りたい。

《関連記事》
【紫苑S】“先物買い”で好配当を狙う 大外枠も好材料!東大HCの本命は配当妙味があるこの馬
【京成杯AH】今は開幕週でも外差し有利な傾向 中山コースで切れるあの牝馬を指名

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。

おすすめ記事