【新潟記念】夏競馬のフィナーレ サマー2000シリーズ制覇へ勝負駆けの馬に注目
門田光生
Ⓒ明石智子
王道は小倉記念組
キーンランドCは1番人気のダノンスマッシュが快勝。このレースもそうだが、WAJSの最終戦でも見事に勝負駆けを決めて優勝した川田騎手はすごい。今、最も信頼できる騎手といって過言ではなく、予想するのに必要なデータに「川田」という項目をつけ足しても間違いはなさそうだ。
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今週で新潟、小倉、札幌競馬が閉幕。そして、夏競馬の最後を飾るのがこの新潟記念。加えて、サマー2000シリーズの最終戦でもある。
札幌記念で使った馬はローテーションや移動と条件が厳しいため、ここから新潟記念に参戦した馬は過去10年で0頭。それ以外のサマー2000対象レースからの参戦は、7勝2、3着が6回と上々の数字といえる。
特に小倉記念とは非常に相性が良く、前走がサマー2000対象外で上位に来た11頭のうち、5頭は1番人気だった。1~3着まで別路線という昨年は例外中の例外。サマー2000のトップはブラストワンピースの12点。
しかし、1戦だけの出走では優勝できないという規定がある。凱旋門賞へ行くブラストワンピースはもちろん新潟記念には出走しないので、ここを勝った馬がサマー2000優勝となる。
過去、サマー2000の優勝馬のうち、10頭がこの新潟記念に出走。さらに6頭がここを勝ってシリーズチャンピオンを決めている。「1勝以上」「合計13ポイント以上」という規定もあって、勝ってこれを満たすのは、カデナとゴールドサーベラスしかいない。ともに勝利が優勝の絶対条件だけに、勝負駆けの一戦となる。
サンデーサイレンス系が圧倒
まずは「前走距離」と「ローテーション」のデータから。
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注目は中3週、前走と同距離の馬の成績がいいが、小倉記念組が抜群の成績を残していることから、いいのは当たり前か。次に性別の成績。
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格言、「夏は牝馬」とは全く逆をいくデータが出ている。サンプル数が5倍以上も違うとはいえ、牝馬は1勝、2、3着ナシは明らかに悪すぎる。
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ハンデを見ると、前走より斤量が減っている馬の勝率、連対率ともよくない。サマー2000シリーズは、札幌記念以外の全部がハンデ戦。ハンデが減るということは、相手が強くなったか、もしくは自身のパフォーマンスが悪かったかだ。どちらにせよ、斤量減は割引材料だ。
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最後に父系。
新潟の外回りといえば、日本一長い直線での追い比べだろう。瞬発力に秀でたサンデーサイレンス系が活躍するのもうなずけるが、ここ10年の上位馬30頭中24頭もサンデーサイレンス系というのには驚愕。
更に、ヘイルトゥリーズン系に広げれば26頭になり、残る4頭中3頭はノーザンダンサー系。つまり、この2系統以外はほぼ脈なしといえる。
データと本気度からカデナに託す
①前走と同距離、特に小倉記念とは相性抜群
②牡馬
③同斤量、または斤量増
④サンデーサイレンス系
⑤サマー2000優勝に脈がある馬
今回は特に、データに差があったこともあって②と④は外せない。とはいえ牡馬ばかりのメンバー構成で、約半数を占めるのがサンデーサイレンス系。そこで⑤を活用すると、最初の方で述べたように優勝の可能性があるのはカデナとゴールドサーベラスとなる。
ゴールドサーベラスはサンデーサイレンス系ではないが、ヘイルトゥリーズン系。そして、カデナはサンデーサイレンス系に加え、相性抜群の小倉記念組。これは、データ上も文句なしの本命といえる。
関係者は「外回りがどうか」と言っていたが、長い直線で結果が出ていなかった時期と不振だった時期は重なっており、今では調子も戻っている。何より新潟が得意なはずのディープインパクト産駒だ。優勝を狙うために渾身の仕上げをしてくるとみて、勝負駆けに期待したい。
相手には、同じく優勝の可能性があるゴールドサーベラスが外せない。だが、それ以外は似たり寄ったりで、あとは好みの問題。
ところで、これまで新潟記念で1or2着して優勝を決めた馬は全部で7頭。連対馬のもう1頭の前走を調べてみると、エプソムC1頭、サマー2000対象レース2頭、そして2000m以上の準オープン(現3勝クラス)勝ちが3頭いる(あと1頭は準オープン1600mから参戦)。
仮にカデナが優勝を決めたとすれば、相手は前走で準オープンを勝った馬の確率が高いことになる。また、前走で2000mの3勝クラスを勝ったアクート、カヴァル、そしてジナンボーも相手として選択。
まとめ
馬券対決はカデナからゴールドサーベラス、アクート、カヴァル、ジナンボーへ1000円ずつ。勝たなければサマー2000の優勝はないカデナは馬単1着固定。残る1000円でカデナの単勝も買っておく。
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《ライタープロフィール》 門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。
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