サマー2000シリーズ開幕 優勝馬は今年も3走できる七夕賞組から誕生か
門田光生
Ⓒ三木俊幸
今週からサマー2000シリーズが開幕
今週からサマー2000シリーズが開幕する。
まずサマーシリーズのルールを簡単に説明しておく。対象レースに出走すると最低1点がもらえ、1~5着馬にはさらに加点される。また、GⅢよりGⅡの方がポイントで優遇されている。
1勝以上し、なおかつサマー2000は最低13点以上の得点を稼いだ馬がチャンピオンの資格を得る。つまり、1勝しただけでは優勝馬にはなれず、このシリーズを取りにいく陣営の本気度も大事な要素になってくる。
また、各サマーシリーズのチャンピオンには賞金が与えられ、馬主も本気で取りにくるシリーズでもある。
JRAではサマーシリーズのチャンピオンを当てて豪華賞品がもらえるキャンペーンをやっているので、この記事が参考になれば幸いである。
サマー2000シリーズは七夕賞、函館記念、小倉記念、札幌記念、そして新潟記念の計5戦で争われる。スプリントと同様に函館→札幌記念と2戦の北海道滞在組に対して、内地滞在組は七夕賞、小倉記念、そして新潟記念。美浦所属の馬だと、無理をすれば北海道まで足を伸ばすことも可能か。ただ、夏の暑い時期に北海道まで輸送となると、かなりのリスクがあり、これを選択するのはなかなか勇気がいること。
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ここ7年を見ると函館記念→札幌記念を使った馬が2頭優勝している。北海道滞在組は2戦しか出走できないにもかかわらず、優勝馬が出ていることを考えると軽視できないデータである。
では2戦でなぜ優勝まで届くのか?それは、札幌記念がGⅡでほかの4レースより得点が高く設定されているからであろう。
しかし、その札幌記念は豪華メンバーが集結するレース。札幌記念を勝ちにきた馬は、サマーシリーズよりもその先を見据えている馬がほとんどである。今年も数頭のGⅠ馬がここから始動を予定しており、例え函館記念を勝った馬でも、メンバーの揃いそうな札幌記念も勝つのは容易ではない。やはり今週の七夕賞から3走する馬が狙い目だと思う。
3走する馬とは?
七夕賞から3走するのはどういった馬か。もちろん、サマー2000を本気で勝ちにくる馬なのだろうが、真ん中に小倉記念があるのがミソ。
筆者が競馬専門紙に入社した20数年前と比べて、現地に滞在する馬がかなり少なくなった。昨年の小倉記念は12頭立てで関東馬が2頭。一昨年も13頭立てで関東馬は2頭だけしか出走していない。
美浦から当週に小倉まで輸送するのは、北海道に遠征するのと同様、暑い時期だけにリスクがある。厩舎の看板であるオープン馬にそのようなことを強いるのは避けたいが、滞在してまで無理に使う必要もないとの判断もあるのだろう。となると、狙いは七夕賞に使える関西馬が有利ではないか?
また、優勝馬の名前を見ると、スプリントより2000の方が伏兵が制している印象だ。いわゆる上り馬で「夏は格より出来」という格言が利いているということか。七夕賞出走予定馬で、夏に飛躍が期待できそうな関西馬はタニノフランケル、ブラックスピネル、ストロングタイタン、クリノヤマトノオーあたりか。
また、3年前のアルバートドックのように七夕賞と新潟記念の両方で好成績を収められるなら、関東馬にもチャンスはある。その候補はロシュフォールやクレッシェンドラヴを推しておこう。
JRAのキャンペーンにだけ焦点を当てるなら、締め切りまでにはまだ時間があるので、七夕賞が終わってからもゆっくり考える時間がある。今週の結果を踏まえて応募するのが良策だろう。
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬などの記事も執筆中。
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