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今年はディアドラが出走 イギリス王室が主催する「ロイヤルアスコット開催」とは

2019/06/18 07:00
三木俊幸
プリンスオブウェールズSに出走するディアドラⒸ三木俊幸

Ⓒ三木俊幸

イギリス王室主催の伝統ある開催

毎年6月中旬にイギリス・アスコット競馬場で行われる「ロイヤルアスコット開催」。火曜日から金曜日まで5日間連続で行われ、この開催のみイギリス王室が主催。幕開けを飾る古馬のマイル戦クイーンアンSをはじめ、中距離のプリンスオブウェールズS、3990mで争われるゴールドCなどGⅠ8レースを含む合計19の重賞レースが行われる。

ロイヤルアスコット開催が始まったのは1711年と言われており、当時のアン女王が「全力で馬を走らせるのにふさわしい場所」と定めたのが、始まりだ。先述したクイーンアンSはアン女王の名前に由来したものだ。

2017年のエリザベス女王ⒸChris Allan/Shutterstock.com

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2015年のエリザベス女王ⒸTwocoms/Shutterstock.com

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開催中は毎日、エリザベス女王をはじめとした王族がウィンザー城から30分ほどかけて馬車で競馬場入りするのが恒例となっており、「ロイヤルプロセッション」と呼ばれている。

その際にもう一つ注目を浴びているのが、女王がお召しになっている帽子の色。地元のブックメーカーでは、初日に何色の帽子を着用しているかが賭けの対象にもなっているほど注目度が高い。

またエリザベス女王は競馬好きとして知られており、優勝馬の関係者には自らトロフィーを贈呈する。イギリス国内のみにとどまらず、世界中から注目を集める社交界の一大イベントとなっている。

厳格なドレスコード

そんなロイヤルアスコット開催にはドレスコードがある。招待を受けたゲストのみが入場を許されるロイヤルエンクロージャーと呼ばれる最上級エリアでは、男性はモーニングスーツにトップハット、女性は膝が隠れる丈のフォーマルなドレスに帽子をかぶることが義務付けられている。

また、それ以外のゴール前のグランドスタンド、コーナーで観戦できるシルバーリング、コースの内側に当たるヒースエンクロージャーであれば、男性はスーツまたはジャケットの着用、女性はフォーマルドレスに帽子というドレスコードを守る必要がある。

これは報道陣にも適用される。現地に観戦に行かれる際には、ドレスコードに注意するとともに、最大限のおしゃれを楽しんでみてはいかがだろうか。

標高差は東京競馬場の8倍以上

最後にアスコット競馬場のコースも紹介しておこう。現在の競馬場は2004年から2年間にわたり、2億2000ポンド(約420億円)をかけて大規模に改修された。それに伴いコースの路盤も整地されたが、やはり日本に比べるとタフなコースだと言えるだろう。

おむすび型のコースは1周14ハロン(2800m)。おむすび型の頂上付近にあたるスウィンリーボトムと言われる地点が最も低い地点となっており、そこからゴールまでひたすら上り坂が続く。標高差は73フィート(約22.25m)と東京競馬場と比較すると8倍以上もの差がある。

日本からは過去に8頭が出走。2000年のキングズスタンドSでアグネスワールドが2着となったのが最高着順となっている。今年はプリンスオブウェールズSにディアドラが出走する。果たして、日本馬初のロイヤルアスコット開催勝利となり、エリザベス女王からトロフィーを受け取ることができるのか、注目が集まる。