シルクの2頭、サリオスとモーベットが衝撃の末脚を見せて新馬V

Ⓒ三木俊幸
サリオスが上がり33.1の末脚を使って勝利
2020年のクラシックを目指す2歳馬の戦いが始まった。近年はデビュー時期が早まっており、昨年も3回東京開催の1週目にはグランアレグリア(GⅠ・桜花賞勝ち)、ダノンファンタジー(GⅠ・阪神ジュベナイルF勝ち)が出走するなど注目馬が出走する傾向がある。その中で6月2日に行われた2レースを振り返っていく。
日曜の東京5レースに行われた芝1600m戦は、レイデオロの半弟アブソルティスモ(父:ダイワメジャー)と、母はドイツオークス馬で、ローズS・2着、秋華賞4着の実績があるサラキアの半弟サリオス(父:ハーツクライ)に注目が集まった。

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両馬とも返し馬では非常に落ち着いており、万全の状態で出走してきたと感じることができた。
好スタートを切ったアブソルティスモがハナを切り、スローペースでレースが進む。そのまま押し切りを図りたいところだったが、残り400m過ぎで道中、後方2番手を追走していたサリオスが一気に進出。勢いそのままに、上がり33.1の末脚を披露して一気にかわし、デビュー勝ちを果たした。勝ちタイムは1:37.1だった。
2着に敗れたアブソルティスモだが、後続には7馬身の差をつけており、評判どおり素質は一級品だというところを感じさせる走りだった。次走ですんなりと勝ち上がることができそうだ。

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<サリオス>
父:ハーツクライ
母:サロミナ
厩舎:美浦・堀宣行
馬主:シルクレーシング
生産:ノーザンファーム
モーベットは出遅れも関係なしで新馬V
続く6レースは牝馬限定の芝1600m戦。このレースは阪神JF2着などの実績があるアイムユアーズを母に持つモーベット(父:オルフェーヴル)に注目が集まっていた。

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パドックでは時折、気難しい面を見せるなど若さも見られたが、父のオルフェーヴルのたたずまいを感じさせる雰囲気で好気配を見せていた。
そんなモーベットだったが、スタートでは伸び上がるような形となってしまい最後方からのレースとなった。ハナを切ったのは内から好スタートを切ったビッククインバイオ。しかし各馬一団となって直線コースへと向かった。

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モーベットはスローペースで最後方から大外を回す形となったため、これは伸びないかと一瞬思ったが、エンジンがかかってからの末脚がすごかった。内で粘っていたビッククインバイオとモーベットよりワンテンポ早く仕掛けたロジアイリッシュとは、まるでスピードが違う豪快な勝利だった。勝ちタイム1:36.9で、5レースの新馬戦よりも0.2秒速い決着となった。

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<モーベット>
父:オルフェーヴル
母:アイムユアーズ
厩舎:美浦・藤沢和雄
馬主:シルクレーシング
生産:ノーザンファーム
