鳴尾記念を馬場傾向から分析 上がりがかかっても持ち時計が速い馬を狙え

Ⓒ明石智子
開幕週らしく先行馬有利
6月1日(土)、阪神競馬場で行われるのが鳴尾記念(GⅢ・芝2000m)である。2012年からこの時期に施行されるようになり、ここを勝って宝塚記念へと向かいたい馬、ここをステップにサマーシリーズへと向かいたい馬など、陣営の思惑は様々だ。
先週の馬場状態をもとに予想する……と言いたいところだが、阪神競馬は今週が開幕週で先週と比較することはできない。そこで過去7年の勝ち馬の走破タイム、上がり、通過順位をもとにして予想を行なっていく。

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過去7年はすべて良馬場で行われた。2012年を除いてすべて2分を切る時計での決着となっており、開幕週らしい時計の速い馬場となっている。特に近3年で2回、1分57秒台の決着となっていることから、速い持ち時計がある馬を狙うのが良さそうだ。
上がりタイムは33秒台を使ったのが、2012年のトゥザグローリーのみ。それ以外はいずれも34秒台を使った馬が勝利している。そのうち4頭が34秒台後半の上がりとなっていることからも、特別速い上がりを要求されているわけではない。むしろ長くいい脚を使える馬が台頭している。
最後に道中の通過順位を見てみよう。2014年に勝利したエアソミュールが9-9-8-7という差し脚質だったレース以外は、すべて道中5番手以内を追走していた馬が勝っていることが見てとれる。脚質からは開幕週らしくある程度前にいる方がよさそうだ。
産駒初の重賞制覇へ
こうしたデータをもとに導き出した本命馬は、タニノフランケル。父はFrankel、母はウオッカの超良血馬だ。期待されながらも、未だ重賞勝ちはないが、3走前の中山金杯では果敢に逃げて3着、2走前の小倉大賞典では2番手に控える競馬で2着と健闘した。おそらくハナを切ると思われるが、万が一2番手からのレースになっても気にする必要はないだろう。
2000m戦での持ちタイムは1分59秒3と、6走前の西部スポニチ賞では1分45秒4という高速馬場で勝利しており不安はなし。上がり33秒台を使ったのは、直線の長い新潟での新馬戦のみで、それ以外は34秒後半から35秒台の平凡なタイムとなっている。しかし、今回に限っては、上がりを求められる条件ではないので条件的にぴったりだ。鞍上は母ウオッカの背中も知る武豊騎手が産駒初の重賞制覇へと導いてくれるはずだ。
対抗はメールドグラース。新潟大賞典で重賞初制覇を果たし、勢いそのままに参戦してくる。前走で33.0の上がりを使っているため、上がりの速い競馬が向いているのかと思いきや、それ以前に33秒台の上がりを使ったのは1度のみ。それ以外は上がりがかかる馬場での好走が目立っている。なおかつ好位からレースを進められるのも強み。レーン騎手が継続騎乗することもプラスで、普通に走れば勝ち負けになるだろう。
控える競馬が板についてきたステイフーリッシュは4走前のチャレンジCのレース内容を評価。ギベオンは3走前の中日新聞杯で上がり35.3で勝利しており、上がりのかかる条件が向いていると判断したので、押さえておきたい。
馬券はタニノフランケルとメールドグラースの3連複2頭軸、相手にステイフーリッシュとギベオンの2点で勝負する。
