【安田記念】馬場が合うのはダノンプレミアム? アーモンドアイに死角はあるのか

Ⓒ明石智子
先週は逃げ・先行馬が断然有利
日頃から、先輩カメラマンに雨が降ったら芝丈は伸びると教わっていたのに……。先週は草丈の長さが短くなると予想していたのだが、結果はまさかの長めに調整されていた。おそらく21日の火曜日に降った74.5mmの大雨が芝の成長を促進させたのだろう。
こうした反省を踏まえ、東京競馬場での5週連続GⅠのトリを飾る安田記念こそは的中できるよう、いつも以上に気合いを入れて予想していきたいところだ。
まずは先週末のレース傾向について振り返っていく。

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日本ダービーのタイムはレースレコードとなる2:22.6、続く目黒記念では芝2500mの日本レコードを大幅に更新する2:28.2が記録されるなど、引き続き高速決着が目立つ馬場状態だったと言える。
勝ち馬の脚質を見てみるとCコースに変わったことによって大きな変化が見られた。これまで、差し馬が断然有利だった馬場から、11レース中9レースで逃げ・先行馬が勝利するという真逆の馬場傾向に変わったのだ。仮柵が外に移動し、内側の痛んだ部分が保護されたとはいえ、ここまで顕著な傾向が見られたのは意外だった。
しかし先週は上がりタイムで32秒台をマークした馬はおらず、平均でも34.3もかかっていたこと、ハイペースとなった目黒記念では、大外からの追い込みが決まっていたことを考えると、週中に降った大雨の影響が残っていたのではないだろうか。
今週も火曜日に雨が降ったが、先週ほどの大雨ではなく、その後は晴天が続いていることからも、あまり気にすることはなさそう。引き続き良好な状態をキープし、内ラチ沿いが有利なことは確かだが、GⅠレベルであれば完全な前残り馬場だと決めつけず、フラットな馬場状態だと考えて予想していくべきだろう。
アーモンドアイに死角はあるか
安田記念で人気を集めるのは前走、ドバイターフで見事に勝利したアーモンドアイとマイラーズCを快勝して挑むダノンプレミアムの2頭だろう。実力だけみればやはりこの2頭が抜けていることは間違いない。しかし、アーモンドアイは久々のマイル戦、海外遠征帰りと不安要素があるのも事実。
安田記念でドバイターフ(旧ドバイデューティーフリー)を勝利して挑んだ馬は2頭。2014年のジャスタウェイは不良馬場の中、見事に勝利を果たしている一方で、2016年のリアルスティールは直線で失速し、11着に敗れている。果たしてアーモンドアイはどのような結果を残すのだろうか。
いろいろ悩んだ結果、本命はダノンプレミアムとした。こちらは3月の金鯱賞で復帰し、久々のレースということを感じさせない強さで快勝。前走のマイラーズCでは2番手を追走し、逃げ馬有利なペースをきっちりとかわし、1 1/4という着差以上の強さを見せての勝利だった。さらに使った32.2の上がりは驚異的な数字だ。先行力があるので内をロスなく運ぶレースができれば、アーモンドアイを負かしても不思議ではない。
対抗はアーモンドアイ。前走のドバイターフは早めに抜け出して、これは圧勝かと思わせたが、最終的には2着のヴィブロスに詰め寄られてしまった。ただ、これはドバイの馬場が合っていなかったのではないか。
同馬が最も得意とするのは時計勝負の軽い馬場であり、今回の馬場は適条件だ。ダノンプレミアムより評価を下げた理由は、マイル戦では近走のように好位からレースを進められないのではないかという点と初めて背負う56kgの斤量。もちろん差し切るだけの力は秘めているが、足元をすくわれるとしたら今回ではないだろうか。
相手は難解も実績馬に期待
問題は3番手以下の相手探し。高速決着プラス速い上がりに対応できる馬を探して見た。
サングレーザーは天皇賞(秋)の内容は評価できる。走破タイム1:57.0と上がり33.4で好走できた経験は必ず今回に生きてくるはずだ。昨年の夏以降2000m路線での活躍が目立つが、元々は1400〜1600m路線の馬で、昨年の安田記念5着という実績もあるので期待したい。
ステルヴィオは咋秋のマイルCSの勝ち馬で実績は十分。前走の大阪杯は2000mの距離も長かったと思う。4走前の毎日王冠では1:44.7の高速馬場にも対応して2着になっている。レーン騎手は、ヴィクトリアマイルでGⅠを制覇するなど、東京芝マイル戦が複勝率60.0%と得意にしているので、ぜひとも押さえておきたい。
モズアスコットは昨年の覇者。前走は暮れの香港以来の競馬で、馬体重はプラス15kgと余裕残しだった。そのうえ先行していないと厳しい馬場で展開も向かなかった。昨年の勝ちタイムは1:31.3、上がり33.3と馬場適性もあるうえ、左回りも3戦3勝。さらに過去10 年で7頭(2009年のウオッカを含めて)が2回馬券に絡むなどリピーターが活躍するレースなだけに、押さえておくべき一頭だろう。
