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【鳴尾記念】近年のデータからは「開幕週の定説」が通用しない?

2019/05/31 15:00
SPAIA編集部 喜畑恵太
セントライト記念時のタニノフランケル

Ⓒ明石智子

開幕週の定説が通用しない?

6月1日(土)に阪神競馬場で行われるのが鳴尾記念(GⅢ 芝2000m)である。競馬場こそ変わらないが、ハンデ戦から別定戦に変わったり、距離が変わったり、時期が変わったりといろいろな顔を持つレースである。今の条件に落ち着いて7年。そろそろ今の顔の傾向が見え始める頃か。

実はこのレース、昨年まで4年連続で池江厩舎の馬が勝っていたのだが、今年は参戦なし。名前があれば5連覇を期待して、本命にしようと思っていたが、そうはいかず。出ない馬の話をしても始まらないので、さっそく予想に入っていく。

ここ7年、鳴尾記念はこの時期の阪神競馬場開幕週を飾るレースと位置付けられている。開幕週といえば、基本的には「内枠、前に行く馬が有利」というイメージがあるのだが、どうやら違うようだ。

鳴尾記念の脚質別成績ⒸSPAIA

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特にこのレースは内回りで行われ、直線が短いので開幕週の傾向が顕著に出そうだが、脚質別成績を見ても、意外に差しが利く。

鳴尾記念・阪神開幕週の枠別成績ⒸSPAIA

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さらに、鳴尾記念の枠順成績と過去7年の開幕週の芝の枠順成績だが、どちらかといえば外枠の方が優勢である。開幕週だからといって、定説にとらわれず、素直に考える方がよさそうだ。

素直に阪神芝2000mが得意なのは?

このレースの難しいところは、あまりデータの色が出ないこと。色が出たのが先ほど述べた枠順成績で7、8枠の成績がいいことと、下表の年齢別成績で4、5歳が優勢なことくらい。

鳴尾記念の年齢別成績ⒸSPAIA

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ということで、単純に過去3年の阪神芝2000mの種牡馬別成績、厩舎別成績を調べてみた。

阪神芝2000mの種牡馬別成績ⒸSPAIA

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阪神芝2000mの調教師別成績ⒸSPAIA

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さすがは天下のディープインパクト産駒というべきか、勝ち星が抜けていて率もいい。数は少ないが、フランケル産駒の率も抜けている。

調教師別成績は、勝ち星は角居厩舎、音無厩舎が抜けている。角居厩舎にいたっては率もよく、これは注目である。率でいえば藤原英厩舎の馬も注目だ。

条件ぴったりの2頭で勝負

まとめると

・「内枠、前に行く馬が有利」という開幕週の定説には乗らない
・年齢的には4、5歳が有利
・阪神芝2000mはディープインパクトかフランケル産駒の数字がいい
・角居・音無・藤原英厩舎が優勢 特に角居厩舎は特注である

これを踏まえるとぴったり当てはまるのがタニノフランケルである。フランケル産駒は過去3年で5走しているのだが、3走がこの馬。また、フランケル産駒は阪神芝2000mで2勝しているのだが、実は2勝ともこの馬なのだ。

近4年は池江厩舎が勝っていると冒頭でいったが、実はその前は角居厩舎のエアソミュールが勝っており、角居厩舎が鳴尾記念を勝っているのは後押しになる。武豊騎手も過去3年の阪神芝2000mでは(7,10,3,33)で勝率13.2%、連対率32.1%、複勝率37.7%といい数字で軸はこの馬しかいない。

相手だが、小頭数なので絞りたい。血統面、調教師にもう一頭あてはまるのが、藤原英厩舎のディープインパクト産駒のギベオン。前走はトップハンデを積まれたのが痛かった。

近走は左回りで好成績を残しているが、右回りの阪神コースでも2戦2連対。特に毎日杯では、のちに有馬記念を勝つブラストワンピースに次ぐ2着。前走の敗因を右回りと決めつけるのも早計だ。

どちらもある程度人気しそうなので、この2頭のワイド1点で勝負。