【日本ダービー】相手は皐月賞上位組だけでOK? ヴェロックスを本命にした理由とは

Ⓒ三木俊幸
今週の芝丈は短い?
2016年に産まれた競走馬の中で、出走できるのはわずか18頭。そしてその中で「最も運のある馬が勝つ」と言われる日本ダービー。馬主をはじめ、調教師、騎手、厩務員、牧場関係者など、競馬に携わる者なら誰もが勝ちたいレースだ。そして競馬ファンにとってもダービーは特別なレースであり、ダービーデーだけは競馬場内は何とも表現しがたい特別な雰囲気を醸し出す。
現地取材を予定している筆者はこの原稿を書いている時点で、すでにイレ込み気味。いつも通り、馬場分析・予想を行いたいところだが、やや暴走してしまわないか不安な気持ちもある。しかし、そこは折り合いを付けて予想に挑みたい。
では、先週の東京競馬場の馬場傾向について振り返っていこう。

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5月18日の土曜日は週中の散水の影響が残っていたせいもあってか、直線では各馬が内を空けて外を回るというシーンが多く見られた。タイムも速いものの、ヴィクトリアマイルの週に比べると平凡なタイムのレースが多かった。
翌、日曜日は乾燥が進んできたのか、普通に内ラチ沿いを回るレースが繰り広げられたが、脚質的には依然として差し馬が有利という馬場だった。
芝丈は前週と比べるとやや長めに刈りそろえられていた。隔週ごとに長い草丈と短い草丈を繰り返している東京競馬場の芝コースだが、果たして今週はどうなるのか。順番的には短いのだが……。併せて今週からCコースに変わるということも頭に入れて予想していきたいところだ。
本命にした決め手は……
個人的にはダービーは皐月賞の上位馬で決まると思っている。そうした中で本命はサートゥルナーリアとヴェロックスで迷ったが、最終的にはヴェロックスを上位に取った。
これまでのレースぶりから、ヴェロックスは小回りコースの方が合っていると感じている方も多いのではないだろうか。実際ここ3戦はいずれも自分から早めに動く内容で好走しているが、今回は5、6番手で足をためるレースをするのではないかと考える。

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もちろんサートゥルナーリアより早く動く必要はあるが、過去5年のダービー馬の平均上がりタイムは33.9とそこまで速いものは要求されない。
1週前の追い切りでは、破格の動きを見せていることからも、状態面ではさらに上積みがありそう。中内田調教師が絶対的な信頼を寄せる川田騎手とのコンビで今度こそ逆転を狙う。
サートゥルナーリアは前走の皐月賞が休み明け緒戦で、余裕を持たせた仕上がりの中での勝利だった。そうしたことからも今回は更なる上積みはあるだろう。初の東京コース、乗り替わりと重箱の隅をつつくような不安要素しかない中で、なぜサートゥルナーリアを本命としなかったのか説明したい。
正直、サートゥルナーリアは世代で一番強いと思う。さらに東京コースの馬場も合っており、レーン騎手も常に冷静沈着な騎乗ができる一流騎手だ。しかし予想するにあたりどちらを本命にしなかった時に後悔するかと考えた結果、ヴェロックスを対抗にして勝たれた時に悔しい気持ちになった。
競馬の予想は結局、「自分で納得して買えるか」が重要ではないだろうか。それは競馬新聞の予想に頼ろうが、AI予想に頼ろうが、自分で必死に予想しようが同じこと。馬券を買ってダービーを楽しむにあたり、IPATの購入ボタンを押す前に、券売機にマークシートを入れる前に、胸に手を当てて心の声を聞いてみてほしい。
最後に3着候補として、皐月賞3着のダノンキングリー 、5着のクラージュゲリエ、6着のタガノディアマンテを推奨しておく。
