【日本ダービー】過去20年テン乗りでの勝利なし サートゥルナーリアは歴史を変えられるか

Ⓒ三木俊幸
短期免許騎手で馬券に絡んだのはウィリアムズ騎手のみ
騎手になったからには誰もがなりたいダービージョッキー。その強い思いが、普段以上に騎手の仕掛けを早くさせてしまうことがある。それだけに自分の乗る馬を手の内に入れてレースに臨むことが最も重要となる。
ひと昔前であれば、デビュー戦から同じ騎手が騎乗するということが当たり前だったが、そうした考え方は薄れ、頻繁に乗り替わりが発生しているのが現状だ。
そこで過去20年の日本ダービーの乗り替わり別成績について見てみよう。

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これほどまでに顕著なデータは、他のレースではないのではないだろうか。過去20年全てにおいて、前走と同一騎手が騎乗した馬がダービーを勝利している。今年の人気どころではヴェロックスは川田騎手、ダノンキングリーは戸崎騎手が継続騎乗となり、データに当てはまっている。
その一方、ルメール騎手の騎乗停止に伴い、皐月賞馬サートゥルナーリアはレーン騎手に乗り替わり。データからは2着までが精いっぱいということが見てとれる。
また、短期免許で騎乗している騎手が騎乗した際の成績は(0,0,1,10)と馬券に絡んだのは、2012年にウィリアムズ騎手が騎乗したトーセンホマレボシの3着のみだ。レーン騎手は同郷の先輩騎手の成績を上回ることができるのだろうか。
グランアレグリアの前走敗因は激走の反動か
そんなサートゥルナーリアにとってもう一つ不安な材料がある。今年のクラシックは桜花賞、皐月賞ともに前哨戦を使わずに、ぶっつけで挑んできた馬が勝利するという結果になったことは記憶に新しい。
しかし、桜花賞を制したグランアレグリアは、休み明け2走目となったNHKマイルCで1番人気に支持されたものの、5着(4位入線)という結果に終わっている。
競馬用語でよく使われる「2走ボケ」があったのか定かではないが、桜花賞の勝ちタイムは1:32.7と過去10年で最も速いタイムでの決着だった。休み明け緒戦で激走した影響が少なからずあったのではないかと推測できる。
では皐月賞を制してダービーに挑むサートゥルナーリアはどうだろうか。皐月賞では中団外めを追走する形となり、ゴール前では先に抜け出したヴェロックス、内を突っ込んできたダノンキングリーとの3頭の激戦を繰り広げた。
勝ちタイムの1:58.1は過去10年で4番目に速い決着となっている。ちなみに今年より速いタイムの決着となった皐月賞馬3頭のダービーでの成績を見てみるとアルアイン5着、ディーマジェスティ3着、ロゴタイプ5着となっており、ダービーを勝利した馬はいない。
皐月賞のレース後に厩舎を訪れた際のサートゥルナーリアは、本当にレース後なのかと思うほどケロっとしており、レースのダメージを全く感じさせなかった。それから中5週、果たして見えないダメージは存在するのか、乗り替わりという不利なデータを覆してのダービー制覇となるのかが最大の注目点だろう。
併せてSPAIA予想陣はサートゥルナーリアをどう扱うのか、こちらにも注目してほしい。
