皐月賞で狙うは桜花賞馬を怯ませたアドマイヤマーズ 精神面の強さに期待

三木俊幸

アドマイヤマーズ,ⒸJRA

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水曜日に降った雨の影響がどこまで残るか

4月14日(日)に行われる、牡馬クラシックの第一弾・皐月賞(GⅠ・芝2000m)の過去10年の成績を見てみると、1番人気の勝利はわずか2勝。ここ2年は1~3番人気以内の馬が馬券圏内を外しており、波乱のレースが続いている。今年は無敗馬2頭が参戦してくるが、果たしてどのような決着となるのか、馬場傾向と各馬の馬場適性を分析した適性分布図をもとに占っていく。

4月6、7日の中山成績

ⒸSPAIA

先週4月6日、7日に中山競馬場で行われたレースについて見ていこう。芝コースでは9レースが行われた。ディヴァインが勝利した土曜の3歳未勝利の勝ちタイムは2:00.8、日曜の隅田川特別は1:33.5と高速決着のレースが多く見られ、今開催で最も速い馬場だと言っても過言ではない状態だった。

勝ち馬の上がりタイムを見ても、33秒台の上がりを使って勝利した馬が3頭おり、平均も34.5と中山にしては速い上がりを要求される状態だった。高速決着を物語るように、脚質も9レース中5レースが逃げ・先行で前にいないと厳しい馬場だった。

では、今週もこの状態が続くのかと言われると、そう簡単にはいかないだろう。水曜日の関東地方は一日中雨が降り続き、中山競馬場の馬場状態にも影響があると推測する。レースまでにパンパンの良馬場まで回復することは考えにくく、スピードに加えてタフな馬場にも耐えられるパワーを兼ね備えている馬を狙いたいところだ。

精神面の強さに期待

皐月賞に出走する注目馬の適性分布図は以下のとおり。

皐月賞の分布図,ⒸSPAIA

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馬場適性からサートゥルナーリア、アドマイヤマーズ、ヴェロックスの3頭が高い適性を示していることがわかる。単純に能力ではサートゥルナーリアが抜けているが、これまでスローな流れしか経験していないこと、また今回はタフなレースになることが予想されるため、その点はマイナス評価とした。精神面で強い馬に本命を打ちたいと考えた。

そこで本命に推したいのはアドマイヤマーズ。すでに朝日杯FSを勝利するなど実績は文句なし。同レースでは先週桜花賞を勝利したグランアレグリアを怯ませるほどの威圧感を見せるなど、精神面の強さは一級品だ。前走は逃げる形になり、目標にされるレースとなったため敗れたが、皐月賞男のデムーロ騎手は同じ轍は踏まないと考える。番手に控え、足をためることができればチャンスは必ずあるはずだ。

ヴェロックスは、東スポ杯2歳Sで切れ負けして4着に敗れているように、少し力の要る馬場を得意とするタイプだ。2走前の若駒S、前走の若葉Sは少頭数のレースだったが、自ら勝ちに行くレースをして勝利していることからも、このメンバーでも十分通用するだろう。

以下、すみれSから挑むサトノルークスとアドマイヤジャスタも押さえておきたい。両馬とも時計、上がりともかかる馬場を得意としていることからも、馬場の回復が遅れればダークホース的な存在になるかもしれない。

危険な人気馬は先日までの本命馬

上位人気が予想されるダノンキングリー。実は水曜日に雨が降るまでは、同馬を本命にしようと考えていた。ひいらぎ賞を勝った時の勝ちタイム1:33.7は2歳戦ではかなり優秀なもので、当時から素質の高さと中山コースへの高い適性を感じていた。

それだけに本当であれば、レース当日まで馬場状態を見極めたかったところだが、予想をするにあたりそういうわけにもいかない。ここでは危険な人気馬として取り上げるが、もし当日高速馬場に回復しているのであれば、ダノンキングリーから狙ってみるのも面白いだろう。

そしてもう一頭、ニシノデイジーについても触れておく。前走の弥生賞は道悪で4着に敗れているが、この馬については時計がかかればかかるほどいいのではないかと考える。しかし、現時点では馬券に絡めるほどの馬場状態にはならないと推測したため、買い目から除外する。

推奨する買い目は3連複でアドマイヤマーズの一頭軸。相手は好走可能範囲に位置しているサートゥルナーリア、ヴェロックス、サトノルークス、アドマイヤジャスタまでとしておく。

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