【チューリップ賞・弥生賞】過去の傾向から見えてきたディープ産駒の取捨は?

SPAIA編集部

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過去の実績と血統からディープ産駒の取捨を考える

今週から桜花賞、皐月賞のトライアルレースが行われる。馬券的に重要になってくるのが、ディープインパクト産駒の取捨。桜花賞をはじめ、クラシックレースを総ナメにしているディープインパクト産駒だが、ステップレースでの取りこぼしももちろんある。

今回はディープインパクト産駒の取捨を、過去の実績と血統から調べていく。

近年ディープインパクト産駒が絶好調の弥生賞

ディープインパクト産駒が3歳クラシック戦線に出るようになってから8年間で、産駒の弥生賞勝ちは合計4回。最初の4年間は1勝のみと苦手にしているイメージだったが、直近4年間では3勝とむしろ得意としている。

ディープ産駒弥生賞過去成績

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以前はアダムスピーク(1番人気8着)、シャイニングレイ(1番人気7着)など大崩れも多かったが、近年は幼さを見せたオブセッションが3番人気で7着に敗れた以外は人気なりに走っている。 気になるのは、人気を大きく上回る好走が6番人気で勝利したカミノタサハラくらいという点だ。

弥生賞で強調したい配合は?

これまで母の父がフレンチデピュティのディープインパクト産駒は3頭が出走。なんとカミノタサハラ・マカヒキ・カデナと、驚異の3戦全勝中である。 逆に、母の父「ミスタープロスペクター系」はワグネリアンが昨年2着に食い込んだものの、ターゲットマシンの11着、アーカイブの10着、オブセッションの7着と苦戦している傾向がうかがえる。

★注目したい穴馬
メイショウテンゲン(母の父フレンチデピュティ)
母は京都大賞典・日経新春杯で牡馬を相手に勝利したメイショウベルーガ。 6歳でも京都記念で2着に食い込むなど息の長い活躍を見せた牝馬だったため、遅咲きの印象が強いが、3歳春にもフローラSで4着に入っているように早期からの活躍も見られた。 今回、人気の意表を突く可能性も十分に期待できる。

★危険な注目馬
カントル(母の父キングカメハメハ)
全兄は昨年のダービー馬ワグネリアン。ワグネリアンが弥生賞で2着に敗れているため、ここでリベンジを果たしたいところ。しかし、これまで母の父「ミスタープロスペクター系」が苦戦している現状をひっくり返すほどの実力を、重賞初挑戦で期待するのは酷かもしれない。人気通りか、少し及ばないくらいを想定する。次走以降の成長に期待したい1頭ではあるが、今回は静観したい。

チューリップ賞は苦戦傾向

ここ8年で、ディープインパクト産駒が1番人気に推されたのは4回あるが、1着になったのはハープスターのみ。1番人気以外を見渡しても、のちのオークス馬シンハライトが勝利しているだけで、桜花賞などの実績を考えると少し物足りない印象を受ける。

ディープ産駒チューリップ賞過去成績

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しかし、3着以内となると7番人気のアンドリエッテが2着、10番人気のラベンダーヴァレイ、6番人気のメデタシが3着に食い込むなど、穴馬が上位に進出することも多い。

ディープインパクト産駒の要注意血統は?

先述した「好走経験がある穴馬ディープインパクト産駒」3頭は、どの馬も母の父「デピュティミニスター系」というのが目立つ。さらに、馬券圏内には食い込まなかったものの、カワキタエンカ(8番人気5着)やウリウリ(9番人気6着)など、人気よりも着順を上げる例も多い。

ディープインパクトと好相性とされる「ストームキャット系」種牡馬を母の父に持つ馬は、マウレア(3番人気2着)、アユサン(5番人気3着)、イントゥザストーム(11番人気13着)といったように人気なりに走る傾向があり、取り立てて馬券の材料にはならないようだ。

逆に言えば、それ以外の血統はほとんどが苦戦傾向にある。のちの三冠牝馬ジェンティルドンナやドバイGⅠを制覇するヴィブロスなどが敗れ、クルミナル、レッドオーヴァルといったGⅠ好走レベルのポテンシャルを持つ牝馬も2桁着順に敗れている。そうした傾向を考えても「デピュティミニスター系」「ストームキャット系」以外の母父を持つディープインパクト産駒は、チューリップ賞ではかなり割り引いて考える必要がありそうだ。

★危険な注目馬
ダノンファンタジー(母の父ノットフォーセール)
母の父であるノットフォーセールはアルゼンチンの名種牡馬。アルゼンチンGⅠ馬を何頭も輩出しているほか、北米やドバイでも活躍馬を多く輩出している。 カロ系の血統馬として今後も注目したい種牡馬ではあるが、今回は強調しにくい。桜花賞やオークスへ向けて、今回は大崩れしないことを目標にしたい。

シェーングランツ(母の父モンズーン)
ノヴェリストの父でもあるモンズーンは、母の父としてソウルスターリングを送り出している。そのソウルスターリングはチューリップ賞を制覇しているものの、父はフランケル。ディープインパクトとの相性は取り立てて強調材料とはならない程度で、これまでだと京成杯1番人気5着のウムブルフ、フェアリーSを1番人気7着のリセエンヌ、アルテミスSを4番人気9着のステラスターライトなど、重賞実績に乏しい。ディープインパクト×モンズーンの代表格を目指したい本馬。素質十分な牝馬ではあるが、現状では危険な人気馬と判断したい。

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