2018年JRA年間最多勝を更新したルメールは本当に武豊を超えたのか?

SPAIA編集部 喜畑恵太

武豊、ルメール インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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昨年のルメールは武豊を超えた?

年間200勝を超えたことがある騎手は、日本の競馬界で武豊騎手しかいなかっただけに、年間最多勝利記録212勝という数字は永久的にやぶられないだろうと思っていた。しかしその記録が2018年に破られる時きた。2018年の開催最終日にルメール騎手が記録を更新し、215勝まで積み上げたのだ。

武豊騎手が212勝を挙げたのが2005年。この年、武豊騎手はディープインパクトでクラシック三冠を制覇した。昨年のルメール騎手も牝馬クラシック路線だが、アーモンドアイで牝馬三冠を制覇。二人とも自己最多勝利記録を打ち立てた時は、偶然なのか必然なのか、歴史的名馬に巡り合っていることが見てとれる。

キャリアハイの年の成績比較,ⒸSPAIA

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上記の表を見ていただいたくと、もうお分かりだろうが、ルメール騎手は武豊騎手の2005年の記録を8割方上回っており圧勝である。

ただ、GⅠ勝ちの数で違和感があるファンも多いのではないのだろうか。その理由としてGⅠの数が違うということが挙げられる。2005年は年間のGⅠの数が21レースだったのに対して、2018年はJBCが中央で開催されたため、合計27レースとなり、6つも多かったということも事実だ。ただ、GⅠだけの勝率を見てみると、武豊騎手が28.6%に対して、ルメール騎手は30.0%と上回っている。この点でもルメール騎手の方が上回っている。

武豊騎手が勝っている点としては騎乗数と、重賞の勝ち数。重賞の総数が2005年は118レースだったのに対し、2018年は131レースが施行された。勝率を出すと、武豊騎手19.5%、ルメール騎手15.3%とこの項目では大きく上回る。

また騎乗数においても、武豊騎手が約80レースも上回っている。ルメール騎手が乗鞍を絞っていると言われればそうなのだが、2005年は武豊騎手の人気がかなりあったとも考えられる数字である。

ルメールが超えなければならない武豊の記録

生涯成績についても比較してみよう。

生涯成績比較,ⒸSPAIA

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ルメール騎手は、自国である程度実績を残してから日本に来ているので、参考にならないかもしれない。しかし、勝率、連対率、複勝率がこれだけ僅差ということは、逆に言うと、武豊騎手のすごさを物語っているものではないだろうか。

勝ち星キャリアハイの年だけを比べると、武豊騎手は確かにルメール騎手には負けたかもしれない。ただ、169週騎乗機会連続勝利、土日で12勝の最多勝記録など、いまだに武豊騎手は数々の記録を保持している。これをルメール騎手は超えていけるのか。はたまた、武豊騎手が自身の記録や、ルメール騎手に更新された年間最多記録をやぶる年が来るのか?今後もこの2人から目が離せない。

武豊対ルメールインフォグラフィック,ⒸSPAIA

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