池添騎手が史上最多の4勝目 !3歳馬ブラストワンピースが勝利した有馬記念回顧

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待望のGⅠ制覇
小雨降りしきる中行われた、平成最後の有馬記念は3歳馬ブラストワンピースが勝利し、待望のGⅠ初制覇を果たした。
スタートでキセキが後手を踏む形となり、一度はオジュウチョウサンが逃げるのかと思われたが、1回目の4コーナー通過時にはキセキがハナを奪う形で隊列が決まった。
1000mの通過が1.00.7と平均ペースで流れる中、ブラストワンピースは中団を追走する形となった。3~4コーナー付近から徐々に進出を始め、直線に向くと、力強い脚で抜け出し、勝利を飾った。
過去10年でヴィクトワールピサ、オルフェーヴル、ゴールドシップ、サトノダイヤモンドが勝利していたデータの通りに、3歳馬が強いということを証明する結果となった。
また管理する大竹正博調教師にとっても、開業10年目でうれしいGⅠ初勝利となった。これまでルージュバックでGⅠ勝利に手が届きかけたこともあったが、結果を残すことができず、悔しい思いもあったに違いない。背腰が弱いブラストワンピースは、余裕を持ったローテーションが必要だった。そこで放牧先のノーザンファーム天栄と密に連携を図り、調教を積んできたことが、ようやく大一番で実を結んだ。
池添騎手は史上最多の4勝目
鞍上の池添謙一騎手の手腕も大きかったと言えるだろう。過去に2009年のドリームジャーニー、2011年と2013年にオルフェーヴルで有馬記念を勝利しており、勝ち方を知り尽くした男は、中団からレースを進めて直線を向いた時に、前を射程圏に捉えるという完璧な乗り方を見せてくれた。
期待された日本ダービーでは、直線で不利を受けるレースとなり、菊花賞では期待に応えることはできなかった。今回はその教訓を生かしてスムーズなレースができたと言えるだろう。直線では思う存分、のびのび走っているように感じた。
この勝利で池添騎手は、有馬記念4勝目となり史上最多勝利騎手になったと同時に、10週続いていた外国人騎手のGⅠ勝利をストップさせた。平成の時代が終わっても、競馬は続いていく。有馬記念は、これからも私たちに感動を与えるレースを見せ続けてくれることだろう。
