回収率354%でクロノジェネシスが1位 2016年産クラブ所属馬トップ5

SPAIA編集部 三木俊幸

クロノジェネ,ⒸJRA

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一口あたり124万円を獲得

競馬好きなら、誰もが一度は馬主になってみたいという憧れを持ったことはあるだろう。そんな夢を簡単にかなえてくれるのが一口馬主だ。22クラブが一口馬主の一般募集を行っており、1頭500口の大口クラブでは一口数万円、小口のクラブでは数十万円と幅広い選択肢がある。中には、出資金無しで月々の会費と預託料だけの広尾サラブレット倶楽部や優駿ホースクラブ、もろもろの経費を含めて1万円のDMMバヌーシーなど気軽にオーナー気分を味わうことができるクラブも出てきた。

これを聞いて是非一口持ってみたいと思う人もいるだろう。そして持つからには、ビッグレースを勝ちたいと思うのが馬好きの性だ。とは言え、血統が良く才能がありそうな馬は高額になることが多く手が出しにくい。しかし、手ごろな馬の中にも走る馬は存在する。手ごろであるからこそ、勝った時の回収率も高くロマンがある。 それではどんな馬の回収率が高かったのか。2016年産まれで、2018年2歳戦に出走したクラブ所属馬の回収率トップ5を見てみよう。

回収率表,ⒸSPAIA

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2016年最も回収率が高かったのは、サンデーサラブレッドクラブで募集されたクロノジェネシス。総額1,400万円で募集され、一口あたりの金額は35万円だった。

同クラブはノーザンファーム傘下のクラブで、40口で募集されるため一口あたりの金額はかなり高いが、過去には三冠馬オルフェーヴル、名牝ブエナビスタやジェンティルドンナといった活躍馬を輩出している。

種牡馬種牝馬が名馬であったり、重賞勝ち馬を多数輩出している産駒には募集総額が1億円を超える馬もいる。クロノジェネシスも凱旋門賞などのビッグレースを制したバゴの産駒だが、産駒の実績が地味ということもあってか、1,400万円という破格の金額で募集された。

9月の小倉・芝1800m戦でデビューすると、好位からレースを進め、余裕のある勝ち方で素質の片りんを見せつけた。続くアイビーSでは上がり32.5の脚を見せ、なぜこんな安い金額で募集されたのかと不思議に思えるほどのレースぶりだった。その後、GⅠの阪神JFでも2着となり、2歳を終えた時点で賞金4,959万円(一口あたり124万円)を獲得している。

すでに大きな利益を上げており、3歳クラシック戦線でも、さらなる活躍が期待される。

少額で楽しむならシルクホースクラブ

回収率2位のディアンドルはシルクホースクラブで募集された。同クラブは最大500口で募集しており、一口あたりの金額も3万2,000円と血統の割に安い。

カンナSとクリスマスローズSのオープン特別を連勝したが、口数が多いため一口あたりの回収額は8万600円と少ない。だが、回収率で見ると252%は十分すぎる数字だ。

ディアンドルのように低価格の馬で実績を積みながら、将来的に良血馬に出資していくという方法も一口馬主ライフを楽しむ醍醐味だろう。会員数が多い上、アーモンドアイなどの活躍もあり、出資できるかどうかは抽選になることもあるが、少額で夢を見るならシルクホースクラブがオススメだ。

当たり馬狙うなら若手調教師

回収率ベスト5にランクインした馬のうち、上位4頭の調教師はいずれも2015年以降に開業した若手調教師だ。特にクロノジェネシスを管理する斉藤崇史調教師は、調教助手時代に秋華賞馬レッドディザイアを担当したことでも知られており、2016年に開業して以来、毎年勝利数、勝率、連対率、3着内率の項目全てで成績を向上させている。

若手調教師,ⒸSPAIA

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上位に若手調教師が名を連ねる背景には、クラブ側と購入する側それぞれにメリットがあるからだ。クラブは血統が地味でも能力がありそうな馬を若手調教師に託し、その管理能力を試すことができる。一方、購入する側にとっても、実績のあるベテランに比べて安く購入できるメリットがある。

走る確率では、高額募集馬には及ばないかもしれないが、当たった時のリターンは大きい。競馬には夢とロマンがあり、利益を上げることが全てではない。しかし気軽に一口馬主を楽しみたい、安い金額で走る馬を見つけたい、そんな人は若手調教師の中から走りそうな馬を探してみてはどうだろうか。

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