有馬記念はこの馬に懸ける!馬場傾向予想×データ予想で徹底討論

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有馬記念スペシャル対談
今年も有馬記念の季節がやってきた。第63回有馬記念が12月23日(日)に中山競馬場で行われる。馬場傾向で予想する三木俊幸と、データで予想する喜畑恵太の普段は相見えない両編集者が送る有馬記念スペシャル対談をどうぞ。
1番人気が圧倒的な成績
喜畑「今年もこの季節がやってまいりました。今年は障害の絶対王者オジュウチョウサンも参戦して、ある意味豪華メンバーになりましたね」
三木「確かに。ジャパンカップの時計が速かったから、あのレースに出た馬の取捨が難しいですね。まあ、さっそく始めますか」
喜畑「よろしくお願いいたします。まずは『過去10年の人気別成績』から」

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喜畑「1番人気の複勝率が90パーセントと圧倒的な数字ですね。2番人気も複勝率50パーセントと、軸はここからでいいような気がします」
三木「そうですね。ここ2年はサトノダイヤモンド、キタサンブラックと1番人気馬が勝利していますし、そういう点から1番人気が予想されるレイデオロは連軸としては打ってつけですね」
喜畑「ただ、すんなり1~3番人気で決まったのは一昨年くらいで、何か伏兵が突っ込んでくるレースなので、穴馬には気をつけたいですね」
前走ジャパンカップ組の成績がいまいちだが
喜畑「それでは次は『過去10年の前走レース別成績』」

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喜畑「ジャパンカップ組の連対率、複勝率が悪いように思えますが、これはここから来る出走馬が多すぎるからこのような数字になるのですかね?」
三木「それもあるけど、ジャパンカップを目標としてきた馬もいるので、有馬記念が秋3〜4走目となってお釣りが残っていなかったということも考えられますね。キセキは今秋4戦目で疲れがないか、気になります」
喜畑「今年のジャパンCはそれにしても時計が速すぎましたしね。反動が怖いです。ジャパンカップで好成績を収めたからといって、安易に飛びつくのは危険ですね」
意外と牝馬が頑張るレース
喜畑「次は『過去10年の性別別成績』」

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喜畑「牝馬が意外に頑張るのがこのレースの特徴ですね。」
三木「去年はクイーンズリングが穴をあけましたね。ただそれ以外は、ダイワスカーレット、ブエナビスタ、ジェンティルドンナといずれも名牝と言われた馬ばかり。ただ共通しているのは、全馬GⅠ勝ちがあるという点。そういう意味ではモズカッチャンが該当しています」
喜畑「確かにモズカッチャンはそれほど人気もなさそうですし、押さえておいてもいいかも。余談ですが、もう1頭の牝馬スマートレイアーは8歳にして初の中山参戦です。生産がオカダスタッドということは、2007年に単勝52倍で勝ったマツリダゴッホと同じ。ただ、近走成績を見ると買えないですか」
三木「2009年に8歳のエアシェイディが3着となっていますが、ジャパンカップ5着と好走しての参戦でした。スマートレイアーは近走成績を見ると厳しいのではないですか。それに僕自身はこの馬のベスト条件は、京都の外回りのような直線の長い平坦コースだと思っています」
喜畑「確かに、しまいにかけるタイプで中山コースは合わなさそう」
社台系が断トツの成績
喜畑「最後に少し面白いかと思ったデータを。『過去10年の馬主別成績』と『生産者別成績』」

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喜畑「馬主成績は意外に個人馬主さんが頑張っている印象があります。ただ、サンデーレーシングの4勝、2着2回はすごい数字。今年はパフォーマプロミスのみです」
三木「さすがサンデーレーシング!データからパフォーマプロミスは怖いですね。意外だったのが、過去10年でキャロットファームの勝利がないこと。トゥザグローリー、トゥザワールド兄弟が穴をあけた記憶が強すぎるからかな?」
喜畑「ここ10年でキャロットファームは(0.1.2.8)とそこまで悪い数字ではないですね。レイデオロにとってはむしろいいデータかも。個人馬主が勝っているとはいえ、生産者別で見ると社台系(社台コーポ白老、ノーザンF、社台F)が7勝とすごい数字ですね。他3つの牧場は一緒の馬が何回も出走しているだけなので、やはり社台グループには逆らうべきでないのかもしれませんね。狙うなら個人馬主、社台グループのタッグですかね」
三木「その条件に当てはめるなら、昨年の3着馬シュヴァルグランがよさそうですね。今の中山の馬場状態も合っていそうですし。ちなみに先週の中山競馬場は芝のレースが11レース行われました。全レースの上がり3ハロン平均は35.4とかかっていますが、マイル戦では1.32.7というタイムも出ていることからも、良好な馬場状態を保っていると言えますね」
喜畑「また時計の速い決着ですか。ジャパンC組は足元が心配になってきましたね。コース的にはタフな馬がいいのは確か。馬場も考慮しつつ、上記全てのデータに当てはまる馬っていますかね?」
三木「やっぱりレイデオロですかね。特にケチの付け所がないですし」
喜畑「私も賛成。ただ2番手、3番手がすんなり行かないレースですから。穴は?」
三木「穴はミッキースワロー。去年のセントライト記念で皐月賞馬アルアインを負かすなど、中山コースへの適性は高いと思います。前走のジャパンカップでも完全に前残りの馬場の中で、後方から追い込んで5着になっていますし、横山典騎手っていうのも不気味ですね。末脚だけならレイデオロ以上の脚が使えます」
喜畑「横山典騎手が勝てば、有馬記念史上最年長勝利らしいですよ。データ的に穴馬は、個人馬主と社台タッグで選ぼうとしましたが、絞り切れなかった。なので、前走のレース内容も加味し、サトノダイヤモンドを狙ってみたいです。前走は明らかに仕掛けが早すぎた。時計もあれだけ速いと、さすがに後ろからでは厳しい。一瞬の脚を生かすタイプで中山は合っている印象があります。現に一昨年の有馬記念チャンピオンですしね」
本命はシュヴァルグラン対レイデオロ
三木「ならまとめましょうか。僕はここまでレイデオロ本命と思わせときながら、馬場傾向と上がりタイムの分析からシュヴァルグランを本命にします」

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三木「本来は東京コースのような広いコースが合っているとは思うものの、速い上がりが使えないため、今の中山の馬場状態なら狙うには打ってつけだと思います。ジャパンカップからの参戦ですが、今秋3走目で上積みはまだあるはず。日本人騎手にも頑張ってもらいたいですが、ボウマン騎手の豪腕に期待します。先週、分布図で一番適性の高かったのはアドマイヤマーズだったにもかかわらず、グランアレグリアを本命にしてしまったので、今週はデータに逆らわず素直にいきます(笑)」
喜畑「私は1番人気が予想されるレイデオロでいきます。ここ10年で複勝率90%は逆らいづらいです。あと、ほかのデータにもだいたい合致しますし。相手はどうしますか?」
三木「相手筆頭はレイデオロです。あっさり勝つ可能性も十分で、強いと思います。それ以外では馬場適性の高いミッキースワロー、モズカッチャン、サトノダイヤモンドにパフォーマプロミスを加えた5頭でいきます。キセキは買いますか?」
喜畑「私はレイデオロ、サトノダイヤモンドのワイド1点でいきます。キセキはもうオツリがないような気がします。秋4走目は少し厳しいかと。ただ、有馬記念はいろいろなことが起こりますからね。外国人騎手11週連続GⅠ勝利にストップをかけたのはキセキというのもドラマチックですけどね」
三木「男らしい予想!僕はシュヴァルグランから3連複で流します。有馬記念はみんなの夢を乗せて走るレースですし、本当にキセキが勝つというドラマも見てみたいです。どんな結果になるのか、今から楽しみですね」
喜畑「そうですね。キセキが来たら馬券ではない感動を味わったということで、お互い自分自身を納得させましょう。素直な競馬ファンが一番ですから」
三木「そうですね。ありがとうございました」
