【レディスプレリュード回顧】キャリア20戦目でダート初挑戦 ビヨンドザヴァレーが大外から差し切り重賞初制覇
三木俊幸

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
道中4、5番手を追走
大井競馬場で行われたレディスプレリュード(JpnⅡ・ダート1800m)は、菱田裕二騎手騎乗で5番人気のビヨンドザヴァレーが勝利。5歳でキャリア20戦目にしてこれがダート初挑戦だったが、見事に結果を残してみせた。
好スタートを切ったバスタードサフランにアンモシエラ、そしてタクシンイメルとスタンド前で3頭の先行争いが激しくなって縦長の隊列。400mまでの入りは23.9(12.4-11.5)だったが、1角でタクシンイメルがハナを奪い切る展開となる。
そこから12.9-13.1とペースは落ち着き、前半800m通過は49.9。徐々に先行集団も密集していった。大外の12番ゲートだったビヨンドザヴァレーは5番手を追走。菱田騎手からは「道中で砂をかぶる場面もありましたが、全くひるむことなく走ってくれました」という言葉もあったが、800〜1200mにかけて12.1-12.1と一気にペースが上がったところから徐々に砂を被らない外へと持ち出していったことが勝利を引き寄せた要因にもなった。
アンモシエラは3角で後退。内から逃げるタクシンイメル、2番手にバスタードサフラン、3番手にはポジションを押し上げていったフェブランシェが並び、そこからやや遅れた4番手で直線へ。
残り200mでタクシンイメルが一杯になったところに内からテンカジョウも加わってゴール前は4頭横並びとなったなか、外にヨレる場面がありながらもラスト13.5を要するバテ比べを大外から突き抜けて接戦をものにした。勝ちタイムは1:52.9(良)で決着した。
ある程度砂を被ることには対応できたものの、今後さらに厳しいレースになってどうかという不安材料は残る。しかし、いきなりダートで適性を示すことができた点は今後に向けても大きい勝利だったと言えるだろう。
管理する橋口慎介調教師は2021年レーヌブランシュ、2023年のアーテルアストレアに続いて同レース3勝目をあげた。菱田騎手はアーテルアストレアの主戦でもあったが、同レースでは一昨年の勝利時も3着だった昨年も負傷のため騎乗できず、どちらも武豊騎手が代打騎乗。「ここで勝ちたいという強い思いが叶ってよかったです」とも語ったように、鞍上にとっては嬉しさ倍増の勝利にもなった。
1番人気テンカジョウは出遅れが響き2着まで
単勝1.8倍と断然人気に推されていたテンカジョウは、スタートで大きく出遅れ。1角では大外を回してポジションを押し上げて向正面では先行集団の一角、6番手を追走した。勝負所の3角からはロスなく立ち回り、ゴール前も最内から伸びていたもののクビ差及ばず2着に終わった。地力の高さは十分見せつけ、負けて強しという印象を残した。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
さらにクビ差遅れた3着にはバスタードサフランが入った。前走、3勝クラスのJRAアニバーサリーを勝利してこれが初の重賞挑戦だったが、先行して最後までしぶとさを発揮。今後にもつながる内容だった。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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