【宝塚記念】重馬場適性×末脚×安定感が決め手 東大HCの本命はヨーホーレイク

東大ホースメンクラブ

阪神開催直近9回の宝塚記念 上がり3F別成績

ⒸSPAIA

2025年上半期の総決算

日曜日、阪神競馬場でGⅠ・宝塚記念が行われる。昨年3歳牝馬で有馬記念を制し、秋春グランプリ制覇を狙うレガレイラや、大阪杯連覇のベラジオオペラ、そして菊花賞馬アーバンシック、ドゥレッツァらが出走。ダノンベルーガの直前回避は残念だが、それでも17頭が集まった。

阪神開催に戻った今年だが、昨年と同様雨の影響を受けた馬場でのレースとなりそうだ。確固たる主役がいない混戦模様の中、春のグランプリを制するのはどの馬か。京都開催だった昨年を除き、15~23年のデータから検討したい。

末脚ある馬を

宝塚記念の条件別成績,ⒸSPAIA


<宝塚記念 条件別成績>
上がり最速
 【4-6-0-0】
 勝率40.0%/連対率100.0%/複勝率100.0%
直近5走以内にJRA・GⅠを上がり3位以内で勝利
 【5-1-5-9】
 勝率25.0%/連対率30.0%/複勝率55.0%
5番人気以内×5枠
 【1-2-1-2】
 勝率16.7%/連対率50.0%/複勝率66.7%
5番人気以内×8枠
 【3-0-0-5】
 勝率37.5%/連対率37.5%/複勝率37.5%

宝塚記念は末脚が順位に直結するレース。脚質別では先行馬が6勝を挙げているが、上がり3Fの順位で見てみると、1位が【4-6-0-0】でパーフェクト連対。2位【3-1-2-4】複勝率60.0%、3位【1-1-2-4】同50.0%、4~5位【1-1-5-14】同33.3%と徐々に好走率が下がり、6位以下は【0-0-0-88】と全滅。ラストの脚がなければ先行しても粘り込めないレースだ。また、稍重だった4戦(重・不良での施行はなし)は、連対馬8頭全てが上がり2位以内だった。

しかし前走上がり最速馬は【1-1-2-11】複勝率26.7%と案外な成績。21年以降に限ると【1-1-2-2】とはなるが、少し見方を変えたい。

注目すべきは「直近5走以内にJRAのGⅠを上がり3F3位以内で勝利した馬」。その成績は【5-1-5-9】で、19~23年の勝ち馬全てがここに該当する。特に2番人気以内だと【4-1-3-3】複勝率72.7%に上る。今回はレガレイラとアーバンシックの2頭が該当、レガレイラは2番人気以内も満たしそうだ。また「GⅠで速い上がりを使った馬」と拡張して考えれば、大阪杯で上がり33秒台だったヨーホーレイクとロードデルレイ、ソールオリエンスも浮上する。

ペースについて考えると、今年はメイショウタバルの参戦がポイント。前走のドバイターフこそ前半1000m60秒をやや切る程度の落ち着いた逃げだったが、2走前の日経新春杯では前半1000m57秒7のハイペース逃げを繰り出しており、今回もペースは流れるだろう。

阪神開催の9戦のうち、ペースが速かった上位4戦(1000m通過59秒4以下)を見ると、4角9番手以下が半数の4連対を占める。59秒を切ったのは22年と23年の2回。22年は2番手追走のタイトルホルダーが勝利したものの、3着デアリングタクトは4角8番手から差してきた。23年はイクイノックス、スルーセブンシーズ、ジャスティンパレスと差し追い込み勢が上位を独占。今年も後方からの差しが決まる可能性は十分にある。

最後に枠順について。8枠が9年のうち5勝だが、5番人気以内で絞ると【3-0-0-5】。ほか3枠【2-0-0-4】や5枠【1-2-1-2】あたりも好成績で、例年はさほど内外の差があるわけではない。

しかし先週の阪神芝は開幕週ながら外差しが効き、古馬の芝レースでは1~4枠が【1-1-3-22】複勝率18.5%、5~8枠が【4-4-2-22】同31.3%。5番人気以内で絞ってみても【1-1-2-7】同36.4%と【4-3-2-5】同64.3%だった。例年より2週前倒しとなるものの、外枠を評価したい。

分析とは離れるが、内を回った馬が撃沈し、大外を回った馬が上位を独占した昨年が思い起こされる。あれは2か月以上使われていた京都での施行ということもあったが、同様に馬場が渋る予報の今年も警戒しておいて損はないだろう。特に8枠に差し脚光るロードデルレイとレガレイラがおり、軽視できない。

条件揃い初GⅠタイトルへ

◎ヨーホーレイク
古馬になってからの安定感が素晴らしく、毎日王冠を除いて3着以内をキープ。その毎日王冠は完全に前有利のレースで、この馬自身も上がり33秒4の脚を使っての7着。仕方なしと言えるレースだった。京都記念で渋った馬場をクリア、大阪杯では若干の出遅れからじっくり溜めた分とはいえ、上がり最速で3着と末脚も見せた。

大阪杯よりはメンバーレベルは上がるが、重馬場適性が未知数の馬も多い。昨年のように適性が問われるレースになれば勝ち切る力まである。

◯ベラジオオペラ
先行馬の筆頭。古馬になってからの最低着順は苦手な夏の影響が尾を引いた天皇賞(秋)の6着と、こちらも安定感が光る。阪神内回りでは大阪杯連覇を含む3戦3勝だ。

昨年のGⅠ4戦は馬場、コース問わず先行して大崩れしなかった。レコード決着の前走とは全く条件が変わるが、昨年重馬場の宝塚記念で3着があり、渋っても対応はできる。後方脚質有利でも完全に沈むシーンは想像しづらい。

▲レガレイラ
一昨年の2歳王者。3歳時は皐月賞、ダービー、エリザベス女王杯とGⅠで実力を発揮できなかったが、暮れの有馬記念では同期のダービー馬らを抑えて勝利した。当時は4枠8番という内目の枠と、従来叶わなかった先団での競馬が上手くかみ合ったものであり、再現性は低い。骨折で約半年ぶりのレース、初の渋った馬場など不安材料も多い。しかしキャリア8戦で上がり最速7回と末脚は一級品であり、馬場の傾向に合いそうな8枠をゲットした。警戒は必須だ。

以下ロードデルレイ、アーバンシック、ソールオリエンスまで印を回す。馬券は◎の単勝と、◎◯-6頭の馬連で勝負する。

▽宝塚記念予想▽
◎ヨーホーレイク
◯ベラジオオペラ
▲レガレイラ
△ロードデルレイ
×アーバンシック
×ソールオリエンス

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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