【宝塚記念】ファン投票1位が「当日2番人気」なら迷わず買い! “猛虎の勢い”もベラジオオペラの追い風に?

SPAIA編集部

宝塚記念ファン投票1位に輝いたベラジオオペラ,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

直近20年のファン投票1位馬を調査

上半期を締めくくる大一番、宝塚記念(GⅠ・阪神芝2200m)が15日に行われる。年末の有馬記念と同様に、出走馬をファン投票で選出することでもお馴染みの「春のグランプリ」。今年はベラジオオペラ(牡5/栗東・上村洋行厩舎)が22万8950票を集め、栄えあるファン投票第1位に輝いた。

その年最もファンから支持を受けた馬とあって、過去を振り返ってみても歴史に名を残す名馬がズラリ。直近20年のファン投票第1位馬は下記の通りだ。


宝塚記念ファン投票第1位と結果,ⒸSPAIA


直近20年のファン投票1位馬の通算成績は【6-3-2-4】勝率40.0%、複勝率73.3%で単勝回収率95%、複勝回収率104%となった。

どうしても敗れた時の衝撃が大きくなりがちで、記憶に新しいところでは昨年のドウデュースや、単勝1.4倍の支持を受けながら9着に沈んだ2017年のキタサンブラック、まさかの大出遅れから15着に敗れた2015年のゴールドシップが思い出されるが、実はさほど悪い成績ではない。

2014年のゴールドシップを最後にしばらく勝利から遠ざかる期間もあったが、2021年から2023年にかけてはファン投票1位の馬が3連勝。好走率はもちろん、妙味の観点からも軸として信頼のおける数値となっている。


「ファン投票1位なのに2番人気」が狙い目

上述の通り、直近20年のファン投票1位馬はすべて当日2番人気以内の支持を受けている。そこで人気別に成績を出してみると、興味深い結果が浮かび上がってきた。

<宝塚記念ファン投票第1位・当日人気別成績>
・1番人気【5-2-0-4】
勝率45.5%/複勝率63.6%/単回91%/複回83%

・2番人気【1-1-2-0】
勝率25.0%/複勝率100.0%/単回105%/複回162%
→ ゼンノロブロイ(2005年3着)
→ メイショウサムソン(2007年2着)
→ キタサンブラック(2016年3着)
→ タイトルホルダー(2022年1着)

当日2番人気は勝利こそ2022年タイトルホルダーが唯一となっているが、なんと4頭すべて馬券内に好走。回収率も単複ともに100%超という素晴らしい成績だった。

2005年は前年の宝塚記念を制し、有馬記念でも2着と好走していたタップダンスシチーが単勝1.9倍の支持を集めたが、まさかの7着敗戦。11番人気スイープトウショウがハーツクライ(3番人気)にクビ差先着し、3連単17万8840円の波乱を呼んだ。

2007年はその年の日本ダービーを制した3歳牝馬ウオッカが参戦。単勝3.5倍の1番人気に推されたが、古馬の壁に跳ね返されている。

2016年は前年の皐月賞と日本ダービーを制した二冠馬ドゥラメンテが単勝1.9倍の圧倒的支持を集めて2着。キタサンブラックとの争いはハナ差制したが、マリアライトにはクビ差届かず2着だった。

そして2022年の1番人気はエフフォーリア。3歳時に皐月賞と天皇賞(秋)、有馬記念を制して年度代表馬に輝いた逸材だったが、明け4歳シーズンは大阪杯と宝塚記念でまさかの連敗を喫している。

ベラジオオペラは前走で大阪杯の連覇達成と勢いに乗っており、当然ながら上位人気濃厚な一頭ではあるが、これまでキャリア12戦で1番人気になったのは2回だけという“なぜか売れにくい”タイプ。また、上述した4頭も前走でGⅠを勝利しながら宝塚記念では2番人気に留まっており、もし1番人気にならないのであれば喜んで飛びつきたいところだ。


“関西球団”との結びつき

上半期を締めくくるお祭りということで、最後はオカルト的なデータも紹介したい。

宝塚記念のファン投票とほぼ同時期に行われている「ファン投票」といえば、プロ野球の真夏の祭典・オールスターゲームが思い浮かぶ。

今年は宝塚記念の実施時期が前倒しになったこともあり、オールスター戦のファン投票結果が確定する前にレースの発走を迎えることになるが、実は「宝塚記念のファン投票1位馬」と「オールスター戦のファン投票全体最多得票選手」に不思議な結びつきが見つかった。

・2006年
ディープインパクト(1着)
清原和博(オリックス)

・2014年
ゴールドシップ(1着)
糸井嘉男(オリックス)

・2021年
クロノジェネシス(1着)
吉田正尚(オリックス)

・2023年
イクイノックス(1着)
近本光司(阪神)

※2013年
オルフェーヴル(不出走)
糸井嘉男(オリックス)

お分かりいただけただろうか。阪神タイガースかオリックス・バファローズ、関西に本拠地を置くチームの選手が最多得票に輝いた年の宝塚記念では、すべてファン投票第1位だった馬が優勝しているのだ。

もちろん、オールスター戦の日程やファン投票のスケジュールの関係で、今年のように宝塚記念を迎える時点では最終結果が判明していないという年もあったが、毎日発表される中間発表でその勢いは確認することができる。

ちなみに、6月11日現在のプロ野球・オールスター戦のファン投票順位をチェックしてみると、今年は森下翔太(阪神)が全体トップを快走中。また佐藤輝明(阪神)も全体3位の好位置につけるなど猛虎の勢いが目立ち、ベラジオオペラに追い風が吹きそうな展開となっている。

阪神競馬場から10kmも離れていない阪神甲子園球場では、ライトからレフトへ強い浜風が吹く。今週末は仁川の直線で浜風に乗ったベラジオオペラが美しいアーチを架けるか注目だ。

《ライタープロフィール》
編集部ざきお
1993年1月21日生まれ。右投右打。SPAIA競馬ch出演中。木曜20時はライブ配信『ケイバアイドリングタイム』。ぜひご覧ください!

「夏競馬」の基準は人ぞれぞれですが、個人的には宝塚記念が終わると「夏が来たな…」と感じます。競馬熱が少し落ち着くところで、代わって浮上してくるのが野球。現在は全日本大学選手権と都市対抗野球の予選を追いかける日々で、7月に入ると高校野球の地区大会が開幕。8月は夏の甲子園に大学野球のオープン戦、そして日程がズレた都市対抗の本戦と盛りだくさん!もちろん競馬もあわせて、例年より長い夏が例年よりアツい夏になることを楽しみにしています。

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