【安田記念】マイル王ソウルラッシュ、新星候補シックスペンスも消し! ハイブリッド式消去法
八木遊

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5つのデータから絞れた馬は?
今回は日曜に東京競馬場で行われる安田記念を予想する。いつも通り過去10年のデータを使って複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。 今年はフルゲート18頭に対して19頭が登録。除外対象(*)のグラティアスも含めた登録全頭を対象に進めていきたい。
『キングマンボ系』×『前走2着以下』★0.0%★
まずは血統データから始める。今年のJRA平地GⅠは「キングマンボ系」が席巻中。日本ダービーまでの10レース中、半数の5レースを制している。
ただし、安田記念とはあまり相性が良くなく、過去10年の成績は【0-1-2-24】(複勝率11.1%)。特に「前走で2着以下だった馬」は、17頭すべてが馬券圏外に敗れていた。
今年は登録馬19頭のうち4頭がこのデータに当てはまった。ロードカナロア産駒のブレイディヴェーグは前走ドバイターフで7着。昨秋のマイルCS以降はリズムを崩しており、今回も巻き返しは難しいとみる。
【今年の該当馬】
・オニャンコポン
・シャンパンカラー
・ブレイディヴェーグ
・レッドモンレーヴ
『栗東所属』×『前走国内で3番人気以下』★1.8%★
続いては東西別データから、過去10年で【3-3-5-84】(複勝率11.6%)の「栗東所属馬」を取り上げる。
美浦所属馬【6-7-5-42】(同30.0%)と比べるとかなり苦戦を強いられている印象だが、「前走が国内のレースかつ3番人気以下」というデータを掛け合わせると【0-0-1-56】(同1.8%)まで複勝率が下がってしまう。2つ目はこの組み合わせを採用したい。
今年は除外対象のグラティアスも含めた大挙6頭がこのデータに当てはまった。ウォーターリヒトは府中のマイルで4戦3勝と好相性だが、豪快に差し切った前走の東京新聞杯は3番人気での勝利だった。
【今年の該当馬】
・ウォーターリヒト
・エコロヴァルツ
・グラティアス*
・ダディーズビビッド
・ホウオウリアリティ
・マッドクール
『前走から距離短縮』×『前走から鞍上乗り替わり』★4.8%★
3つ目は距離変動別データから「距離短縮組」に注目した。過去10年の成績は【2-3-2-29】(複勝率19.4%)と悪くない。
ただし、前走から鞍上が乗り替わった馬に限ると【1-0-0-20】(同4.8%)まで好走率が下がる。唯一馬券に絡んだのは、21年の勝ち馬ダノンキングリーだった。
現時点の想定騎手を見ると、今年は消去済みのブレイディヴェーグに加え、シックスペンスとソウルラッシュが当てはまった。
後者は現役トップマイラーと言っても過言ではない実力馬。前者も1800mのGⅡで3勝を挙げている期待の新星候補で、今回は2歳時以来となるマイル戦で待望のGⅠ制覇に期待がかかっているが、どちらもバッサリ消去する。
【今年の該当馬】
・シックスペンス
・ソウルラッシュ
・(ブレイディヴェーグ)
『非社台系生産』×『前走国内で上がり3位以下』★5.1%★
続いては、過去10年で【4-2-4-63】(複勝率13.7%)の「非社台系生産馬」を取り上げたい。
スピードと瞬発力が問われる東京マイルでは、やはり社台系生産馬が優勢。ただし、非社台系の馬でも速い上がりを使えれば十分勝負になる。前走国内のレースで上がり2位以内なら【2-0-3-15】(同25.0%)と悪くない。一方、同3位以下は【1-0-1-37】(同5.1%)と苦戦を強いられていた。
今年は以下の4頭がこのデータに当てはまったが、うち3頭がすでに消去済み。新たに前走の東京新聞杯で大敗を喫したサクラトゥジュールを消去リスト行きとする。
【今年の該当馬】
・(エコロヴァルツ)
・サクラトゥジュール
・(ホウオウリアリティ)
・(マッドクール)
『前走海外』×『今回4番人気以下』★0.0%★
4つの条件を終えて、19頭中13頭を消去した。残る6頭の取捨は、前走場所と今回人気順を掛け合わせる。
5つ目の条件は、「前走海外」で「今回4番人気以下」というもの。この組み合わせは過去10年で延べ14頭いたが、掲示板すら確保できていない。
残っている6頭のうち、前走を海外で走っていたのはウインマーベル、ガイアフォース、ジャンタルマンタルの3頭。このうちジャンタルマンタルは3番人気以内に支持される可能性もあるが、他の2頭は4番人気以下が濃厚だろう。
【今年の該当候補】
・ウインマーベル
・ガイアフォース
・ジャンタルマンタル
5つの消去データを終えて、確実に残るのはジュンブロッサム、トロヴァトーレ、ロングランの3頭となった。この中から本命候補に推したいのが、4歳馬トロヴァトーレだ。
今年に入ってニューイヤーSとダービー卿チャレンジトロフィーを連勝。勢いがあり、2000m未満のレースでは【4-2-0-0】と底を見せていない。レイデオロ産駒のGⅠ初勝利はこの馬が挙げる。
買い目は本命馬の単複とワイド流し。そしてジュンブロッサムとロングランのワイドも押さえておく。
《ライタープロフィール》
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2023年8月から長期休養に入っていたが、24年6月に再開。今年はワイドを中心にコツコツ的中を狙う。
◆前回の結果◆
<日本ダービー>
◎レディネス(9番人気、17着)
〇リラエンブレム(10番人気、10着)
▲ファンダム(4番人気、14着)
△ニシノエージェント(17番人気、16着)
・買い目
◎ 単勝(不的中)
◎ 複勝(不的中)
◎-○▲△ ワイド(不的中)
○ 複勝(不的中)
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