【エンプレス杯回顧】テンカジョウが接戦を制して重賞3勝目 松山弘平騎手「まだまだ伸びしろがある」
三木俊幸

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
早めに動いて押し切る
14日、川崎競馬場で行われたエンプレス杯(JpnⅡ・ダート2100m)は、松山弘平騎手騎乗で2番人気だったテンカジョウが勝利。前走の兵庫女王盃に続いての連勝で、重賞3勝目を飾った。
昨年のマリーンCで激しい先行争いを演じたアンモシエラとアンデスビエントが出走しており、戦前は先行争いがどうなるのかという点にも注目が集まっていた。しかしゲートが開いてみると、すんなりとアンデスビエントがハナを奪った。
序盤の500mまでに6.5-10.5-12.1というラップを刻んで後続に6馬身ほどのリードをつけたものの、その後は13.3-13.0-13.5-14.2と1周目スタンド前から2周目向正面にかけてペースは落ち着いていた。
レース序盤はリズムを整えることに集中して5番手につけていたテンカジョウだったが、アンデスビエントが早々に苦しくなって押し出されるようにアンモシエラが先頭に変わったタイミングで2番手まで進出を開始。最後の直線はオーサムリザルトが外から一完歩ずつ迫っての追い比べとなったが、勝ちタイム2:15.2(稍重)でわずかにアタマ差凌ぎ切った。
長距離輸送があったにも関わらず前走からプラス6kgと、馬体を増やしての出走だったことからも好調をキープしていたのは間違いなさそうだが、自ら早めに動いて最後まで押し切るという新たな一面を見せ、勝利できたのは収穫と言っていい。
松山騎手も「川崎の小回りコースを経験してこなしてくれたので、これからまだまだ伸びしろがあり、非常に楽しみだなと思います」と語っているように、今後も更なる活躍が期待できそうだ。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
連勝記録は「8」でストップ
単勝1.2倍と断然の支持を集めての出走となったオーサムリザルトは、3番手からレースを進めた。ペースが上がった2周目向正面で一旦は5番手までポジションを下げたが、ペースを崩さず最後は前を捉える勢いで迫った内容からも地力があるのは間違いない。
残念ながらデビューからの連勝記録は「8」でストップしてしまったが、今回に関しては勝利したテンカジョウが完璧に立ち回ったことを素直に評価するべきだろう。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
オーサムリザルトから4馬身離れた3着に入ったのはアンモシエラ。控える形となりながらも、2周目向正面からはレースを引っ張った。最後は前2頭と差がついたが、若干、距離に限界があったように感じる。それでも重賞初挑戦で4着に入ったネバーモアには3馬身差をつけており、レース内容自体は悪くなかった。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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