【羽田盃】近10年の「京浜盃勝ち馬」は複勝率88.9% 前走6馬身差V、ナチュラルライズが三冠初戦を制覇だ

菊池敬太

羽田盃 過去10年からのピックアップデータ,ⒸSPAIA

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ダート三冠の初戦

29日に羽田盃(ダート1800m・JpnⅠ)が大井競馬場で実施される。ダート競走の体系整備により、昨年からJpnIに変更されJRAも含めたダート三冠の一冠目となった。

今年は京浜盃で重賞初制覇を飾ったナチュラルライズをはじめ、デビュー3戦無敗で雲取賞を制したジャナドリア、JBC2歳優駿、雲取賞で2着に入ったグランジョルノ、キャリア5戦全て3着以内のスマイルマンボ、デビューから5戦4勝のナイトオブファイアなど、JRAと地方から実績馬が集結した。ここからは過去10年の傾向を踏まえて勝ち馬を導き出す。

過去10年の羽田盃 優勝馬,ⒸSPAIA
人気別成績,ⒸSPAIA


過去10年の人気別成績では、1番人気が【5-2-1-2】と勝率、連対率、複勝率全てでトップ。2番人気は【1-4-1-4】で連対率は50.0%と上位人気の信頼度は高い。3番人気が【0-1-1-8】、4番人気は【2-1-2-5】と連対馬20頭中16頭が4番人気以内で、昨年は1→4→8番人気での決着だった。

枠番別成績,ⒸSPAIA


枠番は3枠と6枠が各4連対でトップ。1枠と5枠が各3連対で続く。以下、2枠と4枠が各2連対、7枠と8枠が各1連対となる。

所属別成績,ⒸSPAIA


所属別成績では船橋が3勝を含む8連対とリード。大井が3勝を含む5連対で、浦和が4連対、川崎が1連対。交流重賞となった初年度の昨年はJRA勢のワンツーで決着した。

実績面では勝ち馬全10頭を含む連対馬18頭が前走で5番人気以内。前走距離別成績では1600m以下【1-2-3-33】に対し、1700m以上が【9-8-7-76】と好走馬の大半を占めている。

脚質別成績では【逃げ4先行7差し6追込3】(※連対数)と逃げ、先行馬の活躍が目立つも、大井1800mは外回りで行われることから紛れが起きにくいコース。流れひとつで差し、追い込み馬も届く。

羽田盃の過去10年データ,ⒸSPAIA


ナチュラルライズが一冠目を奪取する

◎ナチュラルライズ
前走の京浜盃を6馬身差で圧勝。逃げ馬を直線で早めに捉えると後続を突き放し、大井外回りへのコース替わりで本来の実力を示した。1度使われた上積みは大きく、自在に動けるのも強みだ。

今回は抜けた人気となることが予想されるが、過去10年で1番人気は5勝、複勝率80.0%と信頼できる。また、前走1700m組は同期間で4勝をマークし、京浜盃1着馬は【2-3-3-1】複勝率88.9%とデータの後押しもある。引き続きスムーズに運べる右回りは好材料で、正攻法の競馬で一冠目をつかむ。

◯ジャナドリア
デビューから3戦無敗で雲取賞を制覇。父ゴールドドリーム譲りのパワフルな末脚が武器で、全3勝を今回と同距離の1800mでマーク。 2019年の重賞昇格以降、雲取賞1着馬は【1-1-2-1】と高い確率で上位に絡んでいる。過去10年で2勝、3連対と好成績の5枠を引いたこともプラス。初めてのナイター競馬に戸惑わなければ無傷の4連勝が期待できる。

▲グランジョルノ
1800mの重賞で2度の2着がある。昨年の勝ち馬アマンテビアンコを含め、雲取賞2着馬は重賞昇格以降【3-0-1-1】と勝率は60%を記録。過去10年で最多タイの4連対を果たしている3枠を引き、前走1800m組という点も心強い。持ち味の末脚が生きる流れでチャンスは十分にある。

ほか、大井のスマイルマンボはハイセイコー記念を6馬身差で圧勝した好素材。前走の雲取賞は仕上がり途上ながら勝ち馬から0秒4差の3着に踏ん張り、JRA勢相手でもやれることを証明した。自分のリズムで持ち込めれば前走以上の走りが期待できる。

同じく大井のナイトオブファイアはデビューから5戦4勝。前走京浜盃は3着も、初の一線級相手に上々の内容だった。1度速い流れを経験できたのは強みで、戦歴からは100mでも距離が延びるのはプラス。JRA勢相手に地元の意地を見せる。

アメージングは前走の京浜盃で5着。同型との兼ね合いがポイントになるが、マイペースで逃げられれば粘り込みも十分に可能だ。大井のペピタドーロは雲取賞で勝ち馬から0秒5差の4着。堅実な末脚が長所で、先行馬が競り合う流れになれば前進できる。

《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。

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