【弥生賞】本命は中距離で本領発揮のミュージアムマイル “波乱起こす”複勝率66.7%データに3頭該当

東大ホースメンクラブ

弥生賞前走着順別の複勝率

ⒸSPAIA

皐月賞へ向けた重要な前哨戦

今週日曜日、中山競馬場でGⅡ・弥生賞が行われる。朝日杯FS2着のミュージアムマイル、ホープフルSで2桁人気から激走したファウストラーゼン、ホープフルS4着から若駒Sを制したジュタ、葉牡丹賞をレコード勝ちしたヴィンセンシオら14頭が出走予定だ。

皐月賞と同じ舞台で行われ、最も早いトライアルということで有力馬が集まる一戦。昨年はコスモキュランダが6番人気で制し、皐月賞でも2着に入った。今年はどの馬が本番に名乗りを上げるのか。過去10年データから考えていく。

前走ホープフルS3着以下は要注意

弥生賞の前走着順別成績,ⒸSPAIA


<弥生賞 前走着順別成績(過去10年)>
1着【6-6-1-36】勝率12.2%/連対率24.5%/複勝率26.5%
2着【1-2-3-5】勝率9.1%/連対率27.3%/複勝率54.5%
3~5着【3-1-4-16】勝率12.5%/連対率16.7%/複勝率33.3%
6着以下【0-1-2-20】勝率0.0%/連対率4.3%/複勝率13.0%

過去10年で出走した108頭のうち、半数に迫る49頭が前走1着からの参戦。今年も6頭が該当しており、まずは前走1着馬をクラス別にみていく。

新馬、未勝利戦を勝った直後の馬は【0-1-0-17】。いきなりの重賞挑戦で返り討ちに合っている。

1勝クラス勝ち馬は【2-2-0-9】。4連対を挙げているが、3番人気以内が9頭で【2-1-0-6】と物足りない。昨年もトロヴァトーレが1番人気6着に敗れた。今年該当のヴィンセンシオ、ナグルファルの前走はインパクトある勝ち方で人気を集めそうだが、あまり信頼できない。

オープン・リステッドの1着馬は【1-0-0-3】。若駒S勝ちからの出走は2例あり、16年マカヒキ2番人気1着と22年リューベック10番人気6着。どちらも人気以上の結果を出しており、ジュタも期待できる。なお前走で重賞を勝った馬は【3-3-1-7】だが、今年は該当馬がいない。

前走2着馬は複勝率が50%を超えている。特に前走GⅠで2着だと【0-2-2-0】といずれも馬券に絡んでいる。しかし、勝ち切れていないと言うこともできる。ミュージアムマイルには重い印を打つが、馬券の組み方はよく考える必要がありそうだ。

前走1勝クラスで2着は【1-0-0-1】。アロヒアリイは昨年の勝ち馬コスモキュランダと同じ「1月初週の中山芝2000m1勝クラスで0秒1差2着」からの臨戦となる。

ただしコスモキュランダは同週の古馬2勝クラスより速い時計だった。平凡な時計だったアロヒアリイにはあまり魅力を感じない。

前走が重賞以外で3着以下だった馬は【0-0-0-21】と全滅。逆転はかなり厳しい。前走重賞の3着以下は【3-2-6-15】で、特に好成績なのはホープフルS組(GⅠ昇格後)。同レース3~6着馬は【1-1-4-3】で複勝率66.7%。アスクシュタイン、ファウストラーゼン、クラウディアイの3頭は警戒が必要だ。

中距離で本領発揮

◎ミュージアムマイル
マイルの新馬戦は上がり最速で届かず3着に終わったが、次走で勝ち上がり。2走前の黄菊賞の内容が優秀で、前半1000m61秒7というややスローペースの中、3角付近から位置を押し上げると、直線で弾けて後続を0秒5離す完勝だった。

前走のGⅠ・朝日杯FSは2着。勝ち馬には離されたが、位置取りとマイル適性の差が敗因であると考える。敗れた2走どちらも1600mで距離は長い方がいい。今回2000mに戻って舞台は好転する。GⅠ連対馬としてここで崩れるとは考えづらい。

◯ジュタ
新馬勝ちから参戦したホープフルSは8番人気4着と低評価を覆した。若駒Sの勝ち時計は平凡だったが、63秒4-58秒9のスローペースによるものと割り切っていい。着差がつかなかったのも抜け出しが早かった分だろう。ホープフルSのような競馬ができれば、相手緩和のここでは上位に入る。

▲クラウディアイ
新馬戦を勝利した後、重賞を2戦して3着、5着。京都2歳Sで先着されたのは3戦3勝のエリキングと、のちにホープフルSで2着に入るジョバンニ。少頭数ながらレベルの高い一戦だった。

ホープフルSでもしっかり先行できた点は評価できる。収得賞金400万円の1勝馬であり、今回は権利取りのためしっかり仕上げてくるはず。賞金的に不安のない前述の2頭を逆転する可能性もある。

以下ファウストラーゼン、アスクシュタイン、ヴィンセンシオまで印を回す。馬券は◎軸、◯以下相手の3連複で勝負する。

▽弥生賞予想▽
◎ミュージアムマイル
◯ジュタ
▲クラウディアイ
△ファウストラーゼン
×アスクシュタイン
×ヴィンセンシオ

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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