【阪神JF】馬格のある馬が強く好走ゾーンは明確 京大競馬研の本命はアルマヴェローチェ

京都大学競馬研究会

阪神JF 馬体重別成績(過去10年)

ⒸSPAIA

完成度が馬体重に反映される 前走から絞った大型馬に注目

12月8日(日)に京都競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)が行われる。アルテミスSの勝ち馬ブラウンラチェットや、デイリー杯2歳Sを制したランフォーヴァウらに加え、アメリカからメイデイレディがデットーリ騎手を背に参戦、18頭が集まった。

日本の2歳戦に海外から参戦があるとは思わず驚いたが、当連載で頻繁に海外馬に本命を打っている私としては、ぜひ頑張ってもらいたいところだ。しかしデータではどうだろうか。2歳馬の完成度を示す手掛かりとして馬体重を参考に予想していく。

阪神JFの馬体重別別成績,ⒸSPAIA


過去10年の阪神JFにおける馬体重別成績を調べた。2歳牝馬ということで軽い馬も多い中、最も好走しているのは馬体重460kg~479kgのゾーンで【7-3-4-36】。馬券内の半分近くを占める。昨年1、2着のアスコリピチェーノ、ステレンボッシュもここに該当していた。

480kg~499kgも【3-1-0-16】と悪くない。このゾーンから馬券になった4頭は全て翌年のGⅠでも連対しているため、先々まで注目したい。

一方、440kg~459kgは【0-3-4-41】で複勝率14.6%、420kg~439kgは【0-3-2-33】で複勝率13.2%と馬体が小さくなればなるほど成績が落ち、420kgを切ると【0-0-0-21】と全滅している。重賞馬でも厳しい戦いを強いられており、あまりの軽量馬は無視しても問題ないだろう。

阪神JFの馬体重増減別成績,ⒸSPAIA


続いて前走馬体重との比較も調べた。前走と比較して馬体重を減らした馬が【7-5-7-89】複勝率17.6%、同じ馬体重だった馬が【3-2-1-15】複勝率28.6%、増やした馬が【0-3-2-44】複勝率10.2%。GⅠへむけて馬体を絞った馬の好走がしている。

成長途上の時期ながら馬体重を増やした馬の勝ちがなく、複勝率も低いことに驚いた。飼い葉が分かりやすく身になっている点で好感が持てるものの、2022年2番人気モリアーナや2019年2番人気ウーマンズハートなど人気でも走らない例が多いため軽視したい。

今年、前走馬体重が好走ゾーンの460kg~479kgにあたるのはジューンエオスのみ。480kg~499kgに当たるのがテリオスララ、ダンツエラン、ミストレス、アルマヴェローチェの4頭だ。

特にダンツエランとアルマヴェローチェは少し馬体を絞ることで470kg台に乗る可能性が高いため注目したい。メイデイレディは調教後の馬体重が450kgと大きくなかった。データ上、1着は厳しそうだ。

荒れ馬場巧者で外枠ゲット 狙うは伏兵候補

◎アルマヴェローチェ
札幌2歳Sは内枠だったことで伸びない内を選択したが、僅差の2着にきており重馬場への高い適性を示した。

新馬戦も札幌の稍重馬場で1着と現状パワーを要する馬場でのみ走っており、今の京都との親和性が高そうだ。前走馬体重484kgと大きめであることもデータ上良く、外枠もプラスだ。

◯ダンツエラン
京都の不良馬場だったファンタジーSの勝ち馬。内で頑張っていた2頭を外からきっちり差しきり、雄大な馬格から来るパワーを証明する走りだった。

京都で2戦走っており他馬よりコース慣れが見込める点はプラスだ。こちらも馬体が大きく、荒れ馬場への対応も可能。しかし枠があまり良くないため2番手評価とする。

▲メイデイレディ
3番手以下は混戦。上位人気になりそうで取捨に悩んだが、日本馬が活躍できるデルマーの芝で好走したことから、日本の馬場への対応は可能と判断した。

Tapit産駒でダートも走れるパワーを受け継いでいれば、今の京都芝も外枠を生かして問題なく走ることができる。本命が伏兵候補で配当も期待できるため、消す必要もないと考えて印を打った。

△ランフォーヴァウ
勝った2戦については相手に恵まれた印象があるが、外枠の中ではアルマヴェローチェに次いで馬体が大きい。慣れた京都で走れることもプラスだ。

×テリオスララ
1800mでも逃げて突き放すことの出来るスタミナが魅力。兄姉に極端な競馬しか出来ない馬が多く、当馬も似た面がある。「デムスペ」(マクリ)の決められる展開なら好走可能だ。

×ジャルディニエ
前走は内伸び展開を外から差しきっており、タイムも悪くなかった。前走の出来を維持できれば。

例年当レースの好走馬を輩出するアルテミスS組だが、Bコース替わりを生かして内から伸びた馬が上位を独占。加速ラップではあったものの過去2年ほどのインパクトはなかった。

高速馬場に適性を示す馬が順当に走ったレースであることから、今年の当レースには向かないと判断してブラウンラチェット、ミストレス、ショウナンザナドゥは揃って消しとした。桜花賞でこそ買いたい。

買い目はアルマヴェローチェから馬連流し5点で勝負する。

阪神JF 予想印
◎アルマヴェローチェ
◯ダンツエラン
▲メイデイレディ
△ランフォーヴァウ
×テリオスララ
×ジャルディニエ

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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