【天皇賞(秋)】勝利を見届けたいラスト3戦 京大競馬研の本命は絶好枠に入ったドウデュース

京都大学競馬研究会

天皇賞(秋)の枠番別成績(過去10年)

ⒸSPAIA

近年のGⅡ以下は不振

10月27日(日)に東京競馬場で天皇賞(秋)(GⅠ)が行われる。昨年の三冠牝馬リバティアイランドが復帰戦を迎えるほか、GⅠ・3勝のドウデュース、大阪杯勝ち馬のベラジオオペラなどGⅠ馬6頭を含む15頭が集まった。

毎年ハイレベルになる本レースの予想記事を今年も執筆できることが非常に嬉しい。昨年は逆張り根性からイクイノックスに逆らう愚行を犯し惨敗したが、今年はどうなるだろうか。

天皇賞(秋)の前走レース別成績,ⒸSPAIA


まずは過去10年の前走レース別成績を調べた。今年該当馬がいる中で最も複勝率が高いのは宝塚記念組。成績は【2-3-2-11】の複勝率38.9%である。同じ東京GⅠである安田記念やダービー組の成績はより優秀だが、今年は出走馬がいない。

リバティアイランド、ダノンベルーガが該当するドバイ組の成績は【0-0-0-1】。とはいえ昨年のドウデュース(前走ドバイターフ取消)だけが該当するケースであり、今回の2頭が実質初めてといえるだろう。今後増えそうなパターンであるため注目したい。

GⅡ以下で最も良い結果を出しているのは札幌記念組【1-2-1-17】で複勝率19.0%。ただ宝塚記念組と比較して明らかに見劣る。そもそもGⅡ以下から参戦の馬は直近5年【0-1-2-44】と特に不振。積極的に買うべきではない。

4枠が4勝で他を圧倒 8枠は連対なしで割引

天皇賞(秋)の枠順別成績,ⒸSPAIA


次に過去10年の枠順別成績を調べた。勝利数は4枠が【4-0-1-13】。複勝率も27.8%でトップだ。ドウデュースとソールオリエンスは非常に良い枠に入ったと言える。

リバティアイランドが該当する7枠は【1-2-3-17】。2020年にアーモンドアイが勝ち、昨年プログノーシスが3着に入った枠だが、当時はそれぞれ12頭、11頭立てと少頭数であった。15頭の多頭数となった今回は同様の結果が期待できるかは疑問だ。

レーベンスティールの入った8枠は【0-0-2-21】。外枠に強いルメール騎手だが、能力不足の馬で不利を覆すのはいくら何でも無理があるのではないか。

天皇賞(秋)の枠順別成績,ⒸSPAIA

昨年も本命のドウデュース 世界1位のいない今年こそ

◎ドウデュース
GⅠ・3勝馬。距離が不安視された有馬記念を地力の差で勝利。今年の春2戦は良いところがなかったが、ドバイは詰まり、宝塚記念は重馬場に泣いたもの。良馬場の東京であれば見直し可能だ。

追い切りはすごく走る馬で状態面はいつも通り順調。昨年の本レースは休み明けで掛かってしまい伸びなかった。今回も昨年同様、休み明けは不安材料だ。ただ能力に疑いはないため、有馬記念と同様に地力で押し切って欲しい。

◯ダノンベルーガ
今年のドバイターフ3着。右後肢が悪いため左回りを中心に使っているが、天皇賞(秋)は3、4着、ドバイターフは2、3着と好走。1800m、2000mのGⅠで上位の力は何度も見せてきた。

堀厩舎2頭出しの中で短期免許のC.デムーロ騎手がこちらに騎乗。本気度の高さもうかがえる。1週前追い切り後の弱気なコメントは気になるが、昨年の最終追い切りでも「良化途上」とコメントを残しており、とにかく当馬には辛口。期待の裏返しと考え、過度に気にしないようにする。

▲リバティアイランド
昨年の三冠牝馬でジャパンCでも2着と好走。ただ同レースは対ドウデュースで4kgの斤量有利がありながら0.2秒差しかつかなかった。その点から抜けた存在ではないと考える。

また種子骨靱帯炎で順調さを欠いたこともマイナス。成長力のよっては逆転も許してしまう可能性がある。

△ソールオリエンス
宝塚記念は2着と久しぶりに良い走りを見せた。展開ハマらずの菊花賞、中山記念はあっさり落としており、能力比較では上位印と比べて一枚劣る。

しかし枠が非常に良く、東京替わりは好材料。ドウデュースの伸びる展開になれば本馬も一緒に伸びてくる。

ほかに買いたい馬がいないため、今回はその他有力馬についても短評を述べる。

4歳勢のなかで安定した成績を残しているベラジオオペラは、夏負けのコメントが調教師から出ており状態に不安がある。大阪杯から2段階はレベルの上がるここで、8割の出来で通用するかは疑問だ。

ジャスティンパレスは近走ゲートの出が悪くなっている点と、ドバイSC後のモレイラ騎手のコメントから、極度の瞬発力勝負では見劣ることを理由に評価を下げた。

レーベンスティールは鞍上のルメール騎手が天皇賞(秋)で【5-1-2-6】の成績を残し、秋GⅠでも好調。しかしそれ以外の買い材料がない。GⅡからの参戦、8枠とデータ上も見劣る。

タスティエーラは春GⅠでは展開に恵まれながら見せ場なしが続いた。ダービー制覇は後方勢の自滅が大きく、切れ味必須の東京GⅠでは通用しない。以上有力馬4頭をまとめて消しとする。

馬券はドウデュース、ダノンベルーガの単勝と、印4頭の三連複ボックス4点で勝負する。(文:福山)

天皇賞(秋) 予想印
◎ドウデュース
◯ダノンベルーガ
▲リバティアイランド
△ソールオリエンス

ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。


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