【東京盃回顧】3歳馬の優勝は19年ぶり、チカッパが差し切りV 横山典弘騎手は「とても楽しみですね」と将来性に期待
三木俊幸
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
3歳馬の優勝は19年ぶり
大井競馬場で行われたJBCスプリントの前哨戦・東京盃(JpnⅡ・ダート1200m)は、横山典弘騎手騎乗の4番人気チカッパが勝利。前走の北海道スプリントCに続き、重賞連勝を飾った。
レースは最内枠から浦和所属の快速馬エンテレケイアがダッシュを利かせてハナを奪うもヘリオス、シャマルとJRA勢も半馬身間隔で続き、600m通過は34.2(12.1-10.7-11.4)で流れた。
チカッパは8番手のインでじっと我慢して脚を溜める展開。直線では各馬が横に広がるなか、徐々に外へと持ち出され残り200mで進路ができると、粘る先行勢を捉えて突き抜けた。
勝ちタイムは1:11.3(良)。昨年12月の2歳1勝クラスを勝利して以来の騎乗となった横山典騎手は、当時から馬体重が15kg増えて逞しくなったという印象を受けて挑んだ一戦だったとのこと。
道中のポジションなどレース運びについては「行かせれば行くだけの脚がある馬ですが、スピードには対応できていたので楽でした」と振り返り、イメージしていたレース運びができた。
3歳馬による勝利は2005年のアグネスジェダイ以来19年ぶり。そして前日のジャパンダートクラシックを勝利したフォーエバーヤングに続き、リアルスティール産駒は連夜の重賞制覇を飾った。
「まだまだ子供っぽいところを残しながらこのパフォーマンスですから、とても楽しみですね」と将来性についても横山典騎手自身、大きな可能性を感じているようだ。果たして次走はJBCに向かうのか、それとも大事に使われていくのか。レース選択も含めて今後のチカッパの走りを楽しみにしたい。
1番人気のイグナイターは6着
半馬身差の2着には地元大井所属のマックスが入った。道中は先行勢を見ながら2列目のインから運び、直線も3着となったシャマルと馬体を併せながらしぶとく粘った。これで8月以降3戦連続の2着。状態面でも好調を維持していることが結果に繋がったと言えるだろう。
シャマルは58kgを背負いながら2着とは半馬身差。敗れはしたがベストは1400mであることも考慮すると、休み明けとしては十分な内容だった。
1番人気の支持を集めた兵庫所属のイグナイターは、前走のさきたま杯2着時からプラス8kgとなる馬体重513kgで出走。13番枠からスタートし道中6番手でレースを進めたが、終始外を回らされたことも影響してか直線は伸びを欠き、1.0秒離された6着に終わった。
こちらも58kgを背負っており、馬体面でも次走を見据えた仕上げだったように感じる。連覇を狙うJBCでの変わり身に期待したい。
ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。
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