【神戸新聞杯】前走日本ダービー組が9勝 スピード&スタミナ兼備、ショウナンラプンタの成長に期待
貴シンジ
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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は9月22日(日)中京競馬場で行われる神戸新聞杯(GⅡ・芝2200m)について下記3つのファクターを組み合わせる、コンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった16頭を検討対象とし、過去10年データを使用する。
重要データ:勝ち馬のほとんどが前走日本ダービー組
神戸新聞杯は例年、阪神競馬場で開催されるが、今年は2年ぶりに中京競馬場での開催となる。開催地に関わらず重要なデータが前走レース別成績だ。
同データには明確な傾向があり、前走日本ダービー組は【9-6-3-30】で単勝回収率60%、複勝回収率80%。勝ち馬のほとんどが前走日本ダービー組で、複勝圏内を見ても30頭中18頭がこの組となっている。
今年は上位人気が予想されるウエストナウ、ヴェローチェエラ、バッデレイト、メリオーレムはいずれも前走日本ダービー以外からの臨戦。好走データには当てはまらない。
前走日本ダービー組は出走取消となったメイショウタバルを除けば4頭いるが、最高着順はジューンテイクの10着。当日もあまり人気にならない可能性が高く、妙味が生まれそうだ。
【前走が日本ダービーの出走予定馬】
・ジューンテイク
・ショウナンラプンタ
・ビザンチンドリーム
・ミスタージーティー
前走内容:日本ダービー
今年はジューンテイク、ショウナンラプンタ、ビザンチンドリーム、ミスタージーティーの4頭が前走日本ダービーからの臨戦。同レース当日の馬場状態は、内側が綺麗で経済コースを通った馬が有利だった。加えてラップが特徴的で馬群自体はそれなりに縦長になったが、前半5F62.2秒、後半5F56.8秒の、かなりゆったりとした流れで、前にいた馬たちが有利なレースだった。
特別登録している前走日本ダービー組の中では、ジューンテイクの10着が最高着順。同馬は先行~中団付近から内々を通り、比較的有利な競馬をしていた。そのほかのショウナンラプンタ、ビザンチンドリーム、ミスタージーティーはいずれも後方からの競馬で、展開的に上位入線するにはかなり力がないと厳しかった。
したがって着順はジューンテイクが最上位も、今回はそれ以外の3頭に注目する。なかでもショウナンラプンタは日本ダービーでかなり折り合いを欠いた走りをしており、終始ちぐはぐだった。折り合いは元々良くないタイプも、2走前の青葉賞は日本ダービー7着のシュガークンとタイム差なしの2着。能力はここでも十分通用するものを見せており、折り合い面で前進があれば勝ち負けできる一頭だ。
血統解説:ショウナンラプンタ
・ショウナンラプンタ
母フリアアステカがアルゼンチン産馬のため日本での牝祖は母。母は現役時ラプラタオークス(GⅠ・ダート10F)を勝利している実績馬で、社台ファームが導入した繁殖牝馬だ。
上には2頭の牝馬がいるが、いずれも地方で勝ち鞍を挙げているのみ。中央で勝利している馬は本馬だけだ。とはいえ母の実績を考えれば十分OP級の活力は有しているだろう。スタミナとパワーがあるのがファミリーの特徴で、本馬もそれを受け継いでおり、2歳時から中距離戦線を走っていた。
本馬の父はキズナで、スタミナに関しては父や牝系どおりの優れたものを持っている。ただ本馬は同産駒の牡馬にしては柔らかく、パワーというより俊敏性がかなり高いタイプに出ているのが特徴だ。
よって中京の長い直線は持ち前のスピードを生かすにはもってこいの舞台。また、スタミナはあるものの折り合い面に課題があり、能力だけでカバーしてきたというのがここまでの現状だ。今回、成長して精神面に進展があればここでも勝ち負けできる一頭だろう。
Cアナライズではショウナンラプンタを推奨
Cアナライズではショウナンラプンタを推奨する。先週のセントライト記念は2番人気のアーバンシックを推奨し、見事期待に応えてくれたが、今回は前走大敗で人気薄となりそうな本馬を指名したい。
今回は好走条件である「前走日本ダービー組」があまり人気にならない可能性が高い。しかし、本馬の能力は決して上位人気の馬たちに劣らないものがあり、左回りに関しても青葉賞2着の実績から問題ない。加えて、今回上位人気となりそうなヴェローチェエラはゆきやなぎ賞で完勝した相手だ。課題の折り合い面に進展があれば、ここで一発あってもおかしくないだろう。
【ライタープロフィール】
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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