【新潟2歳S】「前走左回り」など好走データ5つに該当 本命は文句なしでシンフォーエバー
門田光生
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前走左回り組が全勝
2024年8月25日に新潟競馬場で行われる第44回新潟2歳S。ひと昔前、夏の2歳重賞といえば完成度の高い馬が制するイメージが強かった。ただ、昨年の勝ち馬アスコリピチェーノは暮れの阪神JFを制覇。3歳の今年は桜花賞、NHKマイルCで2着。2021年の勝ち馬セリフォスは3歳でマイルCSを勝利。2015年の勝ち馬ロードクエスト、2018年の勝ち馬ケイデンスコールは古馬になって重賞を勝つなど、息の長い活躍を見せた。
近年のこの活躍は2002年から距離がマイルに延びたことが大きく影響しているのだろう。仕上がりの早さだけでは制することができないこの新潟2歳Sには、どんな傾向があるのか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。
☆所属と性別
美浦所属4勝(11連対)、栗東所属が6勝(9連対)。勝率は栗東所属馬が大きく上回っているが、複勝率は3着が8回ある美浦所属馬が上。近5年で比較すると勝率、連対率、複勝率のすべてで栗東所属馬が上回っている。
牡馬は6勝(13連対)、牝馬は4勝(7連対)。すべての率で牡馬が上回っているが、牝馬不利というほどの差はない。
☆キャリア
キャリアで比較すると、馬券に絡んでいるのはキャリア1、2戦の馬だけ。勝利数や連対数、勝率、連対率などすべてでキャリア1戦馬が2戦馬を上回っている。
☆前走クラスと前走場所
デビュー間もない2歳馬が出走するレースで、前走出走したクラスもそこまで多くない。新馬、未勝利、OP(ダリア賞、中京2歳S)、そしてGⅢ(函館2歳S)。連対馬が出ているのは、新馬か未勝利から挑んできた馬だけ。キャリア1戦馬の成績が良かったように、やはりここでも新馬勝ちの馬が優位に立っている。なお、クラス関係なく前走ダートだった馬はすべて馬券圏外だった。
前走を走った競馬場を調べてみると、勝ち馬が出ているのは新潟、東京、中京の3場。つまり前走が左回りだった馬しか勝っていない。
☆前走着順と前走人気
馬券に絡んだ30頭中、29頭が前走1着馬。例外は2015年の3着馬マコトルーメンだけ。同馬は前走が函館2歳S5着。ここ10年で唯一、前走重賞から参戦してきた馬であり、例外中の例外といえるかもしれない。ちなみに今年は登録馬全頭が前走1着馬となっている。
前走人気は勝ち馬10頭中、9頭が3番人気以内。4番人気以下だと勝率、連対率がぐっと下がってしまう。また、前走で1~3番人気の馬を比較すると、前走3番人気の好走率が高くなっている。
☆誕生月
早生まれといわれる2月生まれの勝率、複勝率の高さが目立つ。ただし、1月生まれから勝ち馬は出ていないのは意外といえる。
☆前走距離
新潟2歳Sと同じマイル戦から挑んできた馬が圧倒的に強い。1800m組は2着馬が5頭おり連対率は悪くないが、勝ち馬が1頭も出ていないのは頭に入れておきたい。また1200m組から連対馬は出ていない。
シンフォーエバーを信頼
新潟2歳Sのデータをまとめてみよう。
【好走率アップ】
A「栗東所属馬」
B「キャリア1戦」
C「前走左回り」
D「前走3番人気」
E「2月生まれ」
F「前走マイル戦」
【好走率ダウン】
G「前走4番人気以下」
【勝ち馬なし】
H「1月生まれ」
【連対馬なし】
I「前走1200m以下」
6つのプラスデータのうち、最多はシンフォーエバー(ABCDF)の5つ。次いで、コートアリシアン(BCEF)、プロクレイア(ABCF)の4つ。今回の強データはD「前走3番人気」E「2月生まれ」F「前走マイル戦」の3つで、この3つをすべて満たしている馬はいない。
シンフォーエバーはうち2つを満たしており、またマイナスデータなしでこれが本命で問題ないだろう。コートアリシアンとプロクレイアの比較だが、プロクレイアは勝ち馬が出ていないH「1月生まれ」に該当。◯コートアリシアン、▲プロクレイアの順とする。
プラスデータを3つ持つのはジョリーレーヌ(BCF)、スリールミニョン(ABE)、トータルクラリティ(ABF)、マジカルフェアリー(ABE)の4頭。いずれも何かしらのマイナスデータを持っている。
特にスリールミニョンは、連対馬が出ていないI「前走1200m以下」に該当するので脱落。上記で書いた強データDEFは、好走率が高い順からD、F、E。Dを持つ馬はいないが、Fはジョリーレーヌとトータルクラリティが該当。この2頭を押さえとしたい。順番付けだが、ここ2年で牝馬が優勝していることから、勢いを取って牝馬のジョリーレーヌを上に取る。
◎シンフォーエバー
◯コートアリシアン
▲プロクレイア
△ジョリーレーヌ
×トータルクラリティ
《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。
以前は30分でも昼寝をすると、少しでも頭がすっきりしたのだが、最近はすっきりするどころか、目が覚めてから起き上がれなくなってしまった。週に2回ある午前4時起きは苦にならないが、体内電池が切れるのが異常に早くなっている。入院してから体重が減って喜んでいたが、同時に体力もなくなっているのだろう。プール調教でも取り入れようかと思っている、今日この頃です。
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